ドジャース2連覇記念「八海山」発売へ。発表会で明かされた世界戦略の裏側
2025年11月18日、米大リーグ・ロサンゼルス・ドジャースのワールドシリーズ™連覇を祝し、オフィシャル日本酒パートナーである八海醸造が、優勝記念ボトルの発表会を都内で開催しました。
発表会にはドジャース球団の幹部も登壇し、SAKEが世界最高峰の舞台でどのように受け入れられているのか、そのリアルな姿が語られました。質疑応答で見えた「SAKEを世界飲料に」という挑戦の現在地をレポートします。
ベールを脱いだ「ドジャーブルー」の優勝記念ボトル
まず発表されたのが、「純米大吟醸 八海山 ブルーボトル ワールドシリーズ™優勝記念ラベル」です。チームカラーである鮮やかな「ドジャーブルー」をまとったボトルの中央には、「2025 WORLD SERIES Champions」の公式ロゴが配されています。連覇の偉業を祝うにふさわしい、特別なデザインです。
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スポンサードの経緯について説明をする八海醸造の南雲真仁社長
ボトルの中身は、八海山のラインナップの中でも特に評価の高い「純米大吟醸 八海山」。山田錦などを45%まで贅沢に磨き上げ、八海山の雪解け水である「雷電様の清水」で醸した、八海醸造の技術の粋を集めた一本です。透明感のあるクリーンな味わいの中に、米由来の上品でふっくらとした甘みが広がり、後味は八海山らしくすっきりとキレていきます。特別な瞬間の乾杯を彩る品格を備えています。
【商品情報】
・商品名:純米大吟醸 八海山 ブルーボトル ワールドシリーズ™優勝記念ラベル
・発売日:2025年12月1日より順次出荷
・参考小売価格:3,300円(税込)
・販売チャネル:百貨店、八海山直営店、スーパー等
ドジャースVPが語る「八海山を選んだ理由」
発表会には、ロサンゼルス・ドジャースでグローバルパートナーシップ担当 ヴァイスプレジデントのジェーン。ヴェター(Jeanne Vetter)氏も登壇しました。彼女は、パートナーに八海醸造を選んだ理由を次のように説明しました。
「これほどのレベルでのパートナーシップは、価値観、ビジョン、そして卓越性へのコミットメントを共有して初めて成り立ちます。八海山は、私たちのビジョンを深く理解してくれました。そして何より、数百万人にのぼるドジャースファンに、SAKEとは何か、いつ、どのように楽しむべきかを正しく伝え、教育してくれる存在だと確信したのです」
また、質疑応答の中でナ・リーグ優勝時の祝勝会で行われた「鏡開き」について問われると、ベター氏は当時のエピソードを披露。「私たちはとても興奮していて、やり方がよく分からなかったので、樽を“割る”というより“壊して”しまいました。私たちはそれを“ホームランを打った”と呼んでいます」とユーモアを交えて振り返り、会場を和ませました。
現地スタジアムのリアルと課題
八海醸造の担当者からは、ドジャースタジアムでの具体的な取り組みも紹介されました。現地ではカタカナが流行していることから、「ドジャースウチュウイチ」とカタカナで記したオリジナルカップが好評を博し、ファンがお土産として持ち帰ることも多いということです(筆者も持ち帰り、自宅で飾っています!)。
「世界一」のさらに上を目指す両者の姿勢がユニークな形で表現されています。
一方で、質疑応答では今後の課題も浮き彫りになりました。
現地スタジアムでは、まだ日本酒が浸透しきっていない印象もありますが…、今後のために具体的にどんな取り組みを考えていますか?
筆者が以前ロサンゼルスのスタジアムを訪れ、注文する際、売店で「HAKKAISAN」「SAKE」がなかなか通じなかった経験から、認知度向上の課題について質問しました。
「大変貴重なご意見です。そこはまさに我々の反省点です。来シーズンに向けて、現地のスタッフへのEducation(教育)をしっかり行い、売店で目につくPOPを設置するなど、具体的な改善に取り組んでいきたいです」と、担当者は誠実に回答しました。
この記念ボトルは、なぜ日本国内限定販売なのですか?
「今回の優勝記念ボトルはMLBとのライセンス契約に基づき、日本国内での販売となります。一方で、ドジャース球団とのパートナーシップ契約は、ロサンゼルス、ラスベガス、ハワイを含む『ドジャースエリア』が対象です。そのため、現地ではドジャースロゴの入った別商品を展開しており、エリアや契約に応じて戦略を分けています」
今後、大谷選手や山本選手個人の記念ボトルをつくる予定は?
ファンが期待するであろう質問に対しては、南雲治仁社長が回答しました。
「そういったことができるのであれば、ぜひやらせていただきたいです。ですが、まずはこの素晴らしい機会をきっかけに、八海山というお酒自体を、一人でも多くの方に知っていただき、しっかりと根づかせるような活動をしていきたいと考えています」
質疑応答の最後には、記憶に新しいあの話題も挙がりました。ナ・リーグ優勝決定シリーズのインタビューで、大谷翔平選手がファンに向けて日本語で「今日はおいしいお酒を飲んでください」と呼びかけ、それを隣にいた通訳が「really good SAKE」と訳したことで、日本酒が大きく注目された件です。この反響について問われた南雲社長は、「ナイス通訳だな、と思いました。あの言葉のおかげで日本中がSAKEに注目してくれました」と、笑顔でコメントしました。
記念ボトルが当たるSNSキャンペーンも
この特別な記念ボトルの発売を記念して、SNSキャンペーンが開催されます。
- 応募期間:2025年11月18日(火)17:00 〜 11月30日(日)23:59まで
- 応募方法:
・Hakkaisan 公式Xアカウント(@hakkaisan1922)をフォロー
・ロサンゼルス観光局公式Xアカウント(@LosAngelesJP)をフォロー
・キャンペーン対象の投稿をリポストor引用リポスト - 当選人数: 抽選で合計10名様
- 賞品内容: 下記2点をセットでプレゼント
・純米大吟醸 八海山 ブルーボトル ワールドシリーズ(TM)優勝記念ラベル(720ml)1本
・ロサンゼルス観光局オリジナルロサンゼルス観光マップ
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左から「特別本醸造 八海山 ブルーボトル ナショナルリーグ優勝記念ラベル」、「特別本醸造 八海山 ブルーボトル」
祝賀ムードの中にも、冷静な戦略と課題への真摯な姿勢が垣間見えた今回の発表会。この記念ボトルは、単なるお祝いの品ではありません。ドジャースと八海醸造が共に歩む、SAKEの未来への物語が詰まった一本と言えるでしょう。
筆者が現地で大谷選手のホームランを見ながら、八海山を飲んだ日のレポートはこちら。
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