レトロな地下街で日本酒をハシゴ! 昼飲みも楽しめる名古屋の"せんべろ"聖地「伏見地下街」で日本酒が飲める店17選(後編・東側エリア)
地下鉄東山線・伏見駅の東改札口から錦通本町近くまで繋がる「伏見地下街」は名古屋で2番目に古い地下街。かつては繊維関係の問屋が並んでいたこの場所は数年前から飲食店が並ぶようになり、現在では名古屋でも有数の「せんべろの聖地」として知られるようになりました。
天井が低めでレトロな雰囲気が漂う伏見地下街には、日本酒をカジュアルに楽しめるお店がいっぱい!そこで今回は、伏見地下街をこよなく愛する筆者が端から端まで全部歩き、個性豊かな日本酒が楽しめる17店舗をご紹介します。
後編では伏見地下街の中で栄方面に近い東側エリアの9店舗をご紹介。西側エリアの8店舗は前編記事をご覧下さい。
※商品内容・価格等は2024年12月現在のものとなっています。
「前編・西側エリア」はこちらの記事でチェック!
鶏居
絶品の鶏料理と日本酒が楽しめる、〆の蕎麦も人気な立ち飲み酒場
伏見地下街・出入口Dから栄方面へ少し入った場所にある「鶏居」は、その名の通り鶏料理をメインとした酒場。店内のカウンターでは立ち飲みスタイルで、店外ではテーブル席に座って美味しい鶏料理と日本酒を楽しむことができます。
地域にこだわらず料理に合わせてセレクトしたという日本酒の品揃えは全7種類。醴泉・積善・斬九郎・亀齢・三千盛・獺祭・菊正宗(熱燗のみ)が定番としてラインナップされています。美味しい日本酒と鶏料理を堪能した後は、蕎麦で〆るのが鶏居流。金・土は15時からと早い時間から開いているので、さっと飲むのもおすすめです。
「鶏居」のおすすめペアリングはこれ!
鶏料理がメインの鶏居ですが、日本酒に合わせるならぜひ注文したいのが「自家製豆腐」。大豆の味わいをそのまま閉じ込めたような濃厚かつなめらかな豆腐は、日本酒との相性が抜群です。どの日本酒ともよく合いますが、特に広島・亀齢酒造の「亀齢萬年 純米吟醸 原酒五拾」がおすすめとのことでした。
鶏居
営業時間 月~木16:00~22:30、金・土 15:00~22:00 (L.O. 21:30)
定休日 日・祝日
マゴコロヤ
2024年6月にリニューアルオープン! 伏見の人気店がプロデュースしたおばんざい居酒屋
2024年6月にリニューアルオープンした「マゴコロヤ」は、伏見の人気店「うお徳」がプロデュースする居酒屋。おばんざいを中心とした料理をおともに、アットホームな雰囲気の中でお酒を楽しめます。カウンターにズラリと並んだ大皿に盛られたおばんざいを見ながら選べるのも楽しさ満点です。
“昭和の雰囲気を楽しんでほしい”という思いから、日本酒は「菊正宗」の純米樽酒と清酒の2種類をラインナップ。ドリンク1杯に小鉢3種、牛すじ塩煮、鮪の中おちのいずれか1品がついてくるせんべろセットでも日本酒を注文可能です。
「マゴコロヤ」のおすすめペアリングはこれ!
おすすめのおつまみは「アボカド塩こんぶ」。お店の方が過去にアボカド専門店で働いていた経験を生かし、市場には出回らない特別な育て方をしたアボカドは気になる青臭さがいっさい無く、旨味とコクが段違い!ごま油を使わずに醤油と塩昆布で仕上げているため、濃厚なのにさっぱりと楽しめる驚きの美味しさでした。もちろん、「菊正宗 純米樽酒」との相性も抜群です。
マゴコロヤ
営業時間 月~土16:00~22:00
定休日 日・祝日
愛知だもんで
名古屋でもありそうでなかった“バラエティ豊富なみそ串カツ“を楽しめる酒場
「愛知だもんで」もまた、伏見地下街らしさ満点の昭和レトロな雰囲気が漂う居酒屋。看板メニューみそ串カツは、豚や鶏だけではなく多種多様なラインナップを楽しめる名古屋でも珍しいスタイル。串カツ専用の自家製みそダレは甘さ控え目で、お酒との相性も抜群です。
日本酒は飲みきりサイズのものを中心として5種類がラインナップ。変化にとんだバラエティあふれる品揃えで、好みに合わせて楽しむことができます。地元愛知の蓬莱泉のカップ酒も注文可能です。
「愛知だもんで」のおすすめペアリングはこれ!
「愛知だもんで」に行ったらぜひ注文したいのがみそ串カツの5種盛。この日は豚・ウインナー・タコ・なす・たまねぎというラインナップで、どれもみそダレとの相性が抜群! 特に、初体験だったタコのみそ串カツは「たことみそってこんなに合うんだ!」と感動の美味しさでした。これに合わせるなら「松竹梅 豪快 燗徳利」がおすすめとのこと。アツアツの串カツとアツアツの燗酒、最高の取り合わせです。
愛知だもんで
営業時間 月~金15:30~22:30、土12:00~22:30 (L.O 22:00)
定休日 日・祝日
公式SNS https://www.instagram.com/aichidamonde/
和酒立呑 明後日
熟成酒の品揃えも豊富! 日本酒をしっかり楽しみたい方のための日本酒バー
伏見地下街の中でもひときわ目立つ杉玉と縄のれんがかかるお店が「和酒立呑 明後日」。立ち飲みスタイルで日本酒をはじめとした和酒を楽しめる日本酒バーです。
日本酒のラインナップは25種類程度。定番5種類の他は、季節に応じたその時々の美味しいお酒を週替わりで提供しています。古酒や熟成酒も充実しており、常時10種類ほどラインナップ。他ではなかなか味わえないレアな熟成酒も明後日なら楽しめます。
日本酒を楽しむ日本酒バーらしく、料理も「お酒のアテ」になるものがいっぱい。まずは1,100円でおすすめのお酒とおつまみを3種ずつ楽しめる「日本酒セット」からスタートするのがおすすめです。
「和酒立呑 明後日」のおすすめペアリングはこれ!
明後日でぜひ飲みたいのが明後日オリジナルの日本酒「初蝶」。「蓬莱泉」でおなじみの愛知・関谷醸造で毎年お客さんと一緒に仕込みを行っている完全オリジナルの日本酒です。年によって酵母や酒米を変えて仕込んでいるので、味わいの違いも楽しめるとのこと。愛知県で生まれたF2酵母を用いた2024年の「初蝶」のおともには「豆みそクリームチーズ」がおすすめです。
和酒立呑 明後日
営業時間 月~金16:00~22:15(LO 21:45)、土14:00~22:15 (LO 21:45)
定休日 日・祝日
公式SNS https://www.instagram.com/asatte4133/
standbar-ZERO
伏見地下街唯一のスポーツバーは日本酒の品揃えにもこだわりあり!
「standbar-ZERO」は伏見地下街唯一のスポーツバー。店内のあちこちに大型TVモニターが設置されており、スポーツの熱戦で盛り上がりながらお酒を楽しむことができます。もちろん仕事帰りに1杯飲んでいくのにもピッタリです。
日本酒好きの店主さんが営んでいることもあり、スポーツバーでありながら日本酒の品揃えがおよそ10種類と豊富。特に大吟醸が常時5種類以上揃っており、2000円で大吟醸3種を飲み比べできるセットならいっそうお値打ちに楽しめます。1杯600円以内のものであれば「せんべろセット」で日本酒を選ぶことも可能です。
「standbar-ZERO」のおすすめペアリングはこれ!
日本酒にあうおつまみとして店主さんがおすすめしてくれたのが「生ハムサラダ」。オリーブオイルとこしょうでしっかりと味付けする一手間が美味しさをいっそう膨らませてくれます。生ハムサラダにはフルーティーな口当たりとフレッシュな味わいを楽しめる「松竹梅 昴」が好相性。また、「瑞音」を使った日本酒ハイボールもおすすめとのことでした。
standbar-ZERO
営業時間 月~金18:00~22:50、土14:00~22:50(L.O. 22:30)
定休日 日・祝日 (土は不定休)
公式Webサイト https://www.standbar-zero.com/
鮨屋とんぼ 伏見店
本格的な江戸前寿司がお値打ち価格で楽しめる伏見地下街唯一の寿司店
「鮨屋とんぼ 伏見店」は、伏見地下街唯一の寿司店。職人さんが目の前で握る本格的な江戸前寿司をリーズナブルに楽しめるとあり、15時のオープン前から行列が出来るほどの人気店です。お寿司は約30種類のネタから好きなものを選んで注文するアラカルト形式。どのお寿司でも東京で修行を積んだ寿司職人でもある社長直伝の技が光ります。
日本酒の品揃えは10種類程度。伏見地下街にも店を構える酒仙洞堀一とともに寿司に合うものを選んでおり、他では見かけない珍しい銘柄も多くラインナップされています。日本酒は全て半合サイズで、一律450円というお値打ち価格で提供。いろんな日本酒を味わってほしいという思いが込められています。
「鮨屋とんぼ 伏見店」のおすすめペアリングはこれ!
「鮨屋とんぼ 伏見店」でぜひ味わいたいのが江戸前の技法が光る「コハダ(小肌)」と「煮はまぐり」。ピッカピカに輝くコハダはひとたび頬張れば思わずニッコリするほどの美味しさ。また名古屋では珍しいという「煮はまぐり」も社長が直々に仕込んだ逸品。噛みしめるほどにジュワッと広がるはまぐりの美味しさを存分に楽しめます。この2品に合わせる日本酒は長崎・森酒造場の「飛鸞」がおすすめです。
鮨屋とんぼ 伏見店
営業時間 月火木金土15:00~21:00(L.O. 20:45)
定休日 日・水・祝日
公式SNS https://www.instagram.com/sushiya.tonbo/
鶏白湯おでん 月らん
提供スピードの速さも注目! 旨味たっぷりの鶏白湯おでんが名物のおでん居酒屋
伏見地下街の東側エリアにある「月らん」は、鶏出汁にとことんこだわったおでん居酒屋。鶏白湯でじっくりと炊かれたおでんは、味わいのしっかりしたものを好む名古屋エリアの人たちのスイートスポットに直撃する美味しさ。一味やこしょうをぱらりとかければ、引き締まった味わいにお酒もぐいぐい進みます。
日本酒の品揃えはカップ酒が約10種類と、グラスで提供される純米吟醸酒が2~3種類。飲みきりで楽しめるカップ酒は東海地方のものをメインに、新潟や北海道など各地の美味しいお酒が揃っています。
そして「月らん」ならではの楽しみが少し残した日本酒に鶏白湯の出汁を加えていただく「おでん酒」。おでんの様々な具材からの旨味も加わった鶏白湯スープで割ったお酒を頂けば、体の芯からととのうこと間違いなしです。
「月らん」のおすすめペアリングはこれ!
「月らん」を訪れたら最初に頼みたいのが鶏出汁おでんの三種盛り。この日はがんもどき・大根・エリンギの組み合わせ。どの具材も旨味がしっかり入った鶏出汁をたっぷり吸い込んでおり、噛みしめるたびに美味しさがジュワッと広がりました。今の季節ならではの「ふぐのひれ酒」との相性も抜群です。
鶏白湯おでん 月らん(つきらん)
営業時間 月~木15:00~22:00、金・土15:00~22:30 (L.O. 22:30)
定休日 日・祝日
公式SNS https://www.instagram.com/tsukiran.fushimichika/
立呑やいちゃん
手作りおばんざいときき酒師が選んだ銘酒をお値打ちに楽しめる、毎日通いたくなる人気店
「立呑やいちゃん」は角打ち風の立ち飲みスタイルで手作りのおばんざいと日本酒をお値打ちに楽しめる伏見地下街の人気店。お酒も料理もカウンターでキャッシュオンで注文し、出来上がった料理を運んだり、食べ終えたお皿を戻すのも全てセルフスタイル。その分料理もお酒もお値打ちに楽しむことができます。
日本酒の品揃えはおよそ20種類。きき酒師の資格を持つスタッフが全国から美味しいと思ったものを厳選しており、辛口から甘めのものまでバリエーション豊富なラインナップとなっています。日本酒はどんどん入れ替わるため、一期一会の出会いになることも。出会った時が飲み時です。
日本酒好きの方なら好きな日本酒を3つ選べる「きき酒セット」もおすすめ。アットホームな雰囲気の中で料理もお酒もお値打ちに楽しめるとなれば、営業日は毎日足を運ぶお客さんも多いというのも納得です。
「立呑やいちゃん」のおすすめペアリングはこれ!
「立呑やいちゃん」では、20種類以上のあるおばんざいメニューから3種類を選べる「三種盛」がおすすめ。この日は豚の角煮・まぐろ刺身・カキと彩り野菜のオリーブオイル炒めの3つを選びましたが、どれもボリューム満点で美味しさも抜群!全ての料理がほっとするちょうど良い塩梅の味わいで、お酒がぐいぐいと進んでしまいました。この三種盛には、三重・木屋正酒造「而今 特別純米 にごりざけ生」がピッタリとのことでした。
立呑やいちゃん
営業時間 水~土17:00~23:00
定休日 日・月・火・祝日
式SNS https://www.instagram.com/yaichan0707/
串カツippon
美味しい酒と串カツを堪能出来る、名古屋の名ライブハウスの姉妹店
伏見地下街の最も東側にある「串カツ ippon」は名古屋・伏見の名ライブハウスとして知られる「名古屋ケントス」の姉妹店。甘味を加えた特製ソースで頂く串カツをメインに、どて煮などの名古屋めしも楽しめる人気店です。
日本酒はのラインナップは大分・八鹿酒造「八鹿」の1種類のみ。ドリンクに「おまかせ串カツ3本+おまかせ小鉢」「おまかせ串カツ3本+味変トッピング」「おまかせ串カツ2本+選べる小鉢」「でっかいエビ(串カツ)+おまかせ小鉢」の4パターンを選んで注文できるせんべろセットでも日本酒を注文することができます。
「串カツ ippon」のおすすめペアリングはこれ!
「串カツ ippon」のメニューに並ぶ串カツと日本酒を合わせるなら、定番の「豚」と珍しい「ししゃも」がおすすめ。手切り・手刺しで仕込んだ豚串カツはお肉が大きめなのがうれしさ満点。ししゃもの串カツは魚ならではの旨味とプチプチ弾ける卵の美味しさの相乗効果で「八鹿」がグイグイと進みます。
串カツippon
営業時間 月~金17:00~22:30、土14:00~21:00
定休日 日・祝日
公式SNS https://www.facebook.com/kushikatsu.ippon/
朝飲み・昼飲み・早飲みにハシゴ酒にもピッタリ! 名古屋で日本酒を楽しむなら伏見地下街へGo!
名古屋随一の“せんべろの聖地”として人気を集める伏見地下街。どのお店も個性が豊かで、美味しい料理と日本酒をどこまでも堪能できる素敵な場所だと改めて実感しました。
今回取材にご協力頂いた17店舗で提供されている日本酒の銘柄数は延べ300種類以上!伏見地下街をハシゴ酒すれば、きっとお気に入りの一杯に出会えることでしょう。
なお、伏見地下街は日曜日と祝日が一斉休業日。また、年末年始にも休業日が設けられており、今年は12月29日から1月5日まで8連休となります。休業日は伏見地下街が通れなくなりますのでご注意ください。
関連記事