「毎日がハレの日」をテーマに──香りで魅せる、新しい普通酒のかたち 土佐鶴酒造『香りレギュラー』
2025年4月17日、東京・青山のイベントスペース「Rand」(港区北青山3-15-5)にて、土佐鶴酒造による新商品「香りレギュラー」のお披露目発表会が開催されました。
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お披露目発表会にて、鏡開きをおこなう様子
250年の歴史を誇る高知の蔵元が、“香り高い普通酒”という新たな領域に挑む意欲作を4月18日から発売しています。さらに発売を記念し、江戸前鮨の名店「築地すし好」とのコラボレーションも決定。2025年4月25日(金)より、都内を中心とした全16店舗にて「香りレギュラー」と旬の初鰹のペアリングを楽しめる限定メニューが提供されます。
250年続く蔵が挑む「変化するための進化」
1773年創業の土佐鶴酒造は、全国新酒鑑評会で金賞通算49回の実績を誇る名門蔵。その裏側には、「淡麗辛口」を代表する酒質を支えてきた高知県の風土、そして“返杯文化”に象徴される人とのつながりを大切にしてきた歴史があります。そして今、土佐鶴酒造 代表取締役社長の廣松慶久氏は、「時代の変化を取り入れながら本質を磨くことこそが伝統を守る、ということ」と語り、新商品「香りレギュラー」発売に、大きな期待を寄せています。
普通酒の枠を超える香りと軽やかさ
筆者も当日テイスティングさせていただきました。「香りレギュラー」は、特定名称酒ではない“普通酒”でありながら、香りは吟醸酒を思わせるフルーティな印象。洋梨や青リンゴを思わせる香りがグラスに立ち上り、しかし飲み口はあくまでもすっきり。アルコール度数は12%とやや低めで、日常の晩酌にも取り入れやすい設計です。冷蔵庫に収まりやすい紙パックタイプも含め、300ml〜1800mlの全4種類が用意され、価格帯も527円(税込・300ml)からと手頃です。
■商品情報|土佐鶴「香りレギュラー」
容量 |
タイプ |
容器 |
価格(税込・参考小売) |
300ml |
普通酒 |
瓶 |
527円 |
720ml |
普通酒 |
瓶 |
1,098円 |
900ml |
普通酒 |
紙パック |
1,155円 |
1800ml |
普通酒 |
紙パック |
2,178円 |
- アルコール度数:12度
- 精米歩合:70%
- 原料米:あけぼの ほか
- 日本酒度:+4(やや辛口)
- 味わい:やや淡麗・やや辛口
- 発売日:2025年4月18日
- 購入方法:全国のスーパー・ドラッグストア・量販店、または土佐鶴オンラインショップ(https://tosatsuru.co.jp/entry-451.html)
※参考小売価格のため、実際の店頭価格と異なる場合があります。
社長コメント:土佐鶴酒造 廣松慶久 社長
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土佐鶴酒造 廣松慶久社長
土佐鶴酒造は1773年創業、250年以上にわたり高知の文化とともに酒造りを続けてきました。自ら盃を差し出す「おきゃく」「返杯」に代表される人と人との距離を縮める宴会文化の中で、飲み疲れしにくい辛口酒が育まれてきたのです。
新商品「香りレギュラー」は、そうした伝統に根ざしながらも、「もっと自由に、気軽に楽しめる日本酒を」という発想から誕生しました。冷やしてワイングラスで味わえば、リンゴや洋菓子のような香りが立ちのぼり、軽やかな口当たりと控えめな酸味が心地よく広がります。魚料理やスイーツとのペアリングにも最適です。
「日本酒だと思われなくてもいい。自分に合った一杯を見つけてほしい」――そんな新しい時代への提案が込められた一本です。
ロゴに込めた意匠──香りと品質をデザインで伝える
パッケージデザインは、「香」の文字をモチーフに、蛇の目模様の利き猪口をイメージした青と白のグラフィック。香り高い酒であることと品質管理の徹底を視覚的に伝えます。シンプルながら印象に残る佇まいは、売り場でも自然に手に取りたくなる洗練された存在感を放っています。
老舗すし店とのコラボレーション
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築地すし好 取締役・松浦隆行氏
発売を記念して、江戸前鮨の名店「築地すし好」にて、2025年4月25日(金)から5月末までの期間限定で、「香りレギュラー」との特別ペアリングメニューが、都内を中心に展開されます。
ペアリングされるのは、旬を迎える「初ガツオのお造り(5切れ 1,280円)」と、「香りレギュラー」(300ml小瓶 1,380円)の組み合わせ。ご注文は、ファーストドリンクでも、セカンドでもOK。
▼ 取扱店舗一覧(全16店舗)
築地総本店/グランスタ丸の内店/ヤエチカ店/赤坂通り店/アキバトリム店/恵比寿店/東京ドームシティラクーア店/羽田エアポートガーデン店/新宿東口店/麻布十番店/品川インターシティ店/中目黒店/三軒茶屋店/武蔵小杉店/新橋店/成田空港店
※店舗によって提供時間や内容が異なる場合があります。詳しくは各店へお問い合わせください。
“普通酒”の再評価へ──香りという武器を手に
現在、日本国内における普通酒の消費量は減少傾向にあり、多くの蔵が純米系などの特定名称酒へと舵を切るなか、土佐鶴は“あえて”普通酒で勝負を挑みます。その背景には、香りへのニーズの変化があります。例えば厳しいマーケットの中でも「菊正宗 しぼりたて ギンパック」など、香りに特徴を持たせた普通酒が若年層や家庭用市場でヒットしており、「香りレギュラー」もその流れに連なる商品と言えるでしょう。
香りとともに、日常を少しだけ特別に
「日本酒はよく知らない」「なんとなく手に取りにくい」と感じていた人にも、この一本なら気負わず手に取れるかもしれません。ワイングラスに注ぎ、香りを楽しむだけで、何気ない食卓が“ハレの日”に変わる──そんな願いが込められた日本酒が、土佐の老舗から生まれました。特別な日に飲む酒ではなく、何気ない1日にこそ寄り添う酒。「香りレギュラー」は、そんな新しい日常酒のスタイルを、私たちにそっと差し出してくれています。
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