乾杯にも◎! 唎酒師が選ぶ「スパークリング日本酒・発泡・活性にごり」20選【保存版】
華やかな香りとシュワッとした口あたりが魅力のスパークリング日本酒。乾杯シーンにもぴったりで、初心者にも飲みやすいタイプが増えています。この記事では、唎酒師の視点から、発泡タイプや活性にごり酒を含むおすすめ20本を厳選! 「何を選べばいいか分からない」「特別感のある一本を贈りたい」そんなあなたにこそ読んでほしい保存版です。
スパークリング日本酒とは?
最近人気が高まっている「スパークリング日本酒」。炭酸が入っていて、乾杯にもぴったりなお酒です。実はこのタイプの酒は1990年代後半から登場し、いまでは手軽なものから高級品までさまざまな種類があります。「スパークリング日本酒」と一口に言っても、香りや甘さ、味わい、そして沈殿物(しずんでいるにごり)などに違いがあり、アルコール度数もバラバラです。
では、どのように作られているのでしょうか? ここでは代表的な2つの方法をご紹介します。
①炭酸ガスを入れるタイプ(炭酸ガス充填)
発酵が終わった日本酒に、あとから炭酸ガス(二酸化炭素)を加えて作る方法です。
見た目はすっきり透明で、味わいも軽やか。多くは火入れ(加熱処理)されており、品質も安定しています。初心者でも飲みやすいタイプが多いのが特徴です。
②瓶の中で自然に発酵(瓶内二次発酵)
瓶内二次発酵は、瓶詰め後に酵母が糖を分解し、炭酸ガスを生み出す製法です。発泡性は自然由来で、きめ細やかな泡立ちと複雑な味わいが特徴。澱(おり)を含むにごりタイプも多く、豊かな個性を持つスパークリング日本酒が生まれます。
2016年には「awa酒協会」が発足し、瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒に明確な基準を設ける動きも始まりました。加盟は任意であり、協会に加入していない蔵でも、自由にスパークリング日本酒を造ることができます。
このように、スパークリング日本酒は造り方も味わいもとても多彩。気軽に楽しめるものから、「高級スパークリング日本酒」と呼ばれる贈答用まで、いろいろ選べます。どちらが優れているという話ではなく、多様な考え方と造り手の個性が共存しているのが今の日本酒の魅力。自由な表現と品質保証の両面から、発泡性の日本酒文化はさらに広がりを見せています。
このあとは、「絶対に飲んでほしい!」とっておきのスパークリング日本酒をご紹介します。
※価格は参考情報です。販売店や時期により異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
絶対に飲んでほしい!スパークリング日本酒20選
1.SummerFall (宝酒造/京都府、WAKAZE)398円(250ml)
★炭酸ガス充填タイプ
フランスや米国での挑戦で注目されるWAKAZEが企画・プロデュースし、日本での製造は老舗・宝酒造が担うスパークリング日本酒です。カリフォルニアでの人気を受け、2025年1月に日本でも発売されました。ワイン酵母と白麹を使った醸造により、果実香と爽やかな酸味が特長。アルコール度数は11%、精米歩合は78%で、カジュアルな250ml缶入り。料理との相性も良く、和食からエスニックまで幅広く楽しめます。ファミリーマートや紀ノ国屋など約100店舗で展開中。新しい日本酒体験を求める方に、おすすめできるスパークリングです。
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2.澪(宝酒造/京都府)540円 (300ml)
★瓶内⼆次発酵
2011年誕生のスパークリング清酒「澪」は、低アルコール5%とやさしい甘さで人気を集め、今ではコンビニでも手軽に購入できる定番に。爽やかな泡と飲みやすさが魅力のこの1本は、スパークリング日本酒を広めた存在として、初心者にもおすすめです。なお、CMには浅田真央さんが出演しており、華やかで親しみやすいブランドイメージを体現しています。
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3.鳩正宗 発泡純米生酒 HANABI(鳩正宗/青森県) 1,595円(720ml)
★瓶内二次発酵
瓶内発酵によるにごりの厚みと強めの炭酸、そして酸と甘みの絶妙な調和が光る一本です。勢いよく噴き出すほどのガス感には驚かされますが、その分、口に含んだときの爽快さは格別。夏季限定で登場するこの酒は、にごりのボリュームとシュワッとした清涼感が共演する、記憶に残る味わいです。開栓はよーく冷やしてから、ゆっくり慎重に。暑い日の一杯に最適です。
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4.泡々酒 発泡純米 ストライプ(丸本酒造/岡山県) 682円(300ml)
★瓶内二次発酵
ラ・フランスやバナナを思わせる華やかな香りに、やさしい甘みと微炭酸が寄り添う軽快な一本。アルコール5%と低めで飲みやすく、米の旨みを自然な発酵で引き出しています。手に取りやすい価格で、外観もポップ。日本酒ビギナーの方にも好評。甘酸っぱい香味が冷菜やデザートとも好相性で、カジュアルに楽しめる“お米のスパークリング”として注目されています。気軽に日本酒の新しい扉を開けたい方におすすめです。
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5.雨後の月 スパークリングアジア 微紅(びこう)(相原酒造/広島県)770円(330ml)
★瓶内二次発酵
ロゼのシャンパーニュを飲んでいるかのような美しいピンクのスパークリング日本酒。・シュワッとしていてドライで飲みやすい。・アルコール度数はたったの9%!・鮮やかなロゼ色は見た目がおしゃれ♪・そして、330mlの飲み切りサイズ。数々のアワードで入賞する相原酒造のスパークリング日本酒なら信頼できます。気軽に飲める軽やかな味わいもお気に入り。赤色は、赤色酵母(アデニン要求性酵母)由来のためご安心を。
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6.月の桂 純米 中汲み にごり酒 生酒(増田德兵衞商店/京都府)1,870円(720ml)
★瓶内二次発酵
"炭酸のあるにごり酒といえば、いまや定番になりつつありますが、実はそのルーツは1964年、京都・伏見の増田德兵衞商店による一本から始まりました。当時は「清酒=濾してあること」が法律の条件。にごり酒は“こしていない酒”と見なされ、清酒としては認められていませんでした。けれど増田德兵衞商店は、きちんと濾したうえで瓶内で二次発酵させるという新しい方法で、炭酸のあるにごり酒を完成させ、「白くにごって見えるが、これは正真正銘の清酒」と税務署に認めさせたのです。この一本が、日本にスパークリング日本酒というジャンルを切り開くきっかけに。やわらかなにごりの口当たりと自然な発泡感。歴史をまといながら、今飲んでも新鮮なおいしさに満ちた味わいは、大人の贈り物にも、自分へのご褒美にもぴったりです。
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7.雁木 活性にごり 発泡純米生原酒(八百新酒造/山口県)1,980円(720ml)
★瓶内二次発酵
活性にごりのやわらかさと炭酸の力強さ、原酒の厚みとキレのある後口。この複雑な共演が見事に調和した一本です。2024年IWCでゴールド、SAKE COMPETITIONでも上位入賞。岩国の老舗・八百新酒造が造る「雁木」ならではの丁寧な造りが光ります。
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8.愛宕の松 スパークリング 純米吟醸(新澤醸造店、宮城県)1,991円(720ml)
★炭酸ガス充填タイプ
フェミナリーズ世界ワインコンクール2022で金賞に輝いたスパークリングは、国内外の酒類賞を総なめにする「伯楽星」ブランドから。メロンや柑橘を思わせる香り、米の旨みと爽やかな酸味のバランスに加え、きめ細かな泡が織りなす飲み心地は見事です。料理を引き立てる「究極の食中酒」として開発され、2024年SAKE COMPETITIONでも高評価。世界酒蔵ランキング3年連続1位の新澤醸造店の技術が生きた一本です。
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9.七賢 スパークリング「山ノ霞」おりがらみ(山梨銘醸、山梨県)1,100円(360ml)
★瓶内二次発酵
泡の美しさとにごりの旨みが共演する「山ノ霞」は、創業1750(寛延3)年と、275年の歴史を持つ七賢が誇る瓶内二次発酵スパークリング日本酒。シャンパーニュのような繊細な泡立ちと、酸と旨みの絶妙なバランスが魅力です。300年の伝統と革新が息づく白州の蔵元が届ける、贈答にもふさわしい一本です。
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10.獺祭 純米大吟醸 スパークリング45(旭酒造/山口県)2,255円(720ml)
★瓶内二次発酵
あの”獺祭”のスパークリング日本酒は、1993年誕生と早くから挑戦し続ける姿勢も魅力。炭酸の爽快感、米の甘み、華やかな香りと切れの良さ。食中酒にも贈答にも合う純米大吟醸スパークリングとして、個人的にも信頼して選び続けている一本です。自宅でも、お祝いの席でも、どんな乾杯にもぴったりで、「日本酒を飲むのがはじめて」という人がいる席にも安心してすすめられます。
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11.真澄 純米スパークリング Origarami(おりがらみ)(宮坂醸造/長野県)2,420円(750ml)
★瓶内二次発酵
やわらかな酸と繊細な泡が特徴の一本は、メロンや柑橘、ヨーグルトを思わせる香りに包まれ、すっきりした飲み心地。日本酒セミナーで私がふるまった際、「これ本当に日本酒ですか?」と驚かれるほどの新鮮さでした。甘みと酸味のバランスもよく、贈り物や乾杯の一本としてもおすすめです。
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12.一ノ蔵 すず音 GALA(がら)(株式会社一ノ蔵/宮城県)1,540円(375ml)
★瓶内二次発酵
1998年に登場した「すず音」は、甘さ控えめで上品なデザインから大ブレイク。発泡性日本酒という新たな市場を切り拓いたパイオニアです。瓶内二次発酵後に半年以上熟成させ、シャンパンのようなきめ細かい泡と落ち着いた酸味を実現。特別な時間を彩る、贈り物にも最適なスパークリング日本酒です。
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13.后スプラッシュPINK(吉乃友酒造/富山県)5,280円(750ml)
★瓶内二次発酵
まだ誰も知らない、発売前の注目スパークリング! 2025年「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」最高金賞を受賞した新商品です。私が審査員としてブラインド試飲した際、香り・泡・味すべてが際立ち、欠点の出やすい発泡タイプでの完成度に驚かされました。のちに受賞酒が発表になってから、この酒だと知りました。ピンクが美しく、贈答にも最適な1本。5月発売の超少量生産品のため、今後の増産と継続リリースに期待しています。
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14.天山 スパークリング 純米酒(天山酒造/佐賀県)5,500円(750ml)
★瓶内二次発酵
桃を思わせる華やかな香りと、やわらかな口当たり。米の旨みが広がったあと、すっと引き締まるドライな余韻が心地よい一本です。天山の湧水と酒米で仕込み、瓶内二次発酵と澱引きで仕上げたこの酒は、日本酒ならではの規定のもと、糖分無添加で仕上げられています。自然の甘みと酸味の調和から生まれる味わいは、和洋問わず多彩な料理に寄り添います。
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15.水芭蕉 PURE(MIZUBASHO PURE)スパークリング(永井酒造/群馬県)5,451円(720ml)
★瓶内二次発酵
G7広島サミットをはじめ国際舞台でも提供されてきたAWA SAKE。その品質認証制度を設けたawa酒協会の初代理事長を務めるのが、群馬県・永井酒造です。第三者機関の検査を経て認定されるスパークリング日本酒は、世界基準にふさわしい透明感と繊細な泡が特長。桂由美とのコラボレーションやアメリカンクラブでの提供実績もあり、味・実績ともに申し分のない一本です。シャンパーニュ方式で丁寧に醸された酒の品格を、ぜひ体感してください。
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16.浦霞 No.12 スパークリング シルバーラベル(佐浦/宮城県)5,500円(720ml)
★瓶内二次発酵
浦霞の吟醸醪から生まれた「きょうかい12号酵母」を用い、蔵の華100%で仕込まれたスパークリング清酒。果実のような穏やかな香りと繊細な泡立ち、甘味と酸味の絶妙な調和が魅力です。瓶内二次発酵による自然な発泡がリッチな時間を演出。「美酒コンクール2024」金賞、IWC銀賞受賞と、実力も折り紙付き。名門蔵、浦霞らしい気品と地域性を丁寧に表現した、確かな一本です。
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17.みむろ杉 木桶菩提もと スパークリング(今西酒造/奈良県)5,500円(720ml)
★瓶内二次発酵
菩提酛とシャンパーニュ製法を掛け合わせた、今西酒造のスパークリング。杉の香りとやわらかな酸が調和し、伝統製法ならではの奥行きある味わいです。大神神社の御神体・三輪山の麓で醸されるこの酒は、2025年に境内の新蔵でも仕込みを開始。土地の風土と文化をまとう一本として、スパークリング日本酒の中でも個性際立つ存在です。
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18.南部美人 あわさけ スパークリング(南部美人/岩手県)5,995円(720ml)
★瓶内二次発酵
G7広島サミットの乾杯酒にも選ばれた本格派。瓶内二次発酵による繊細な泡立ちと、吟醸香の華やかさ、米の旨みが絶妙に調和し、爽やかさと飲みごたえを両立しています。SAKE COMPETITION発泡部門で2年連続1位を獲得するなど、国内外で高い評価を得た一本。awa酒協会の創設蔵のひとつとして、世界に誇る日本の泡酒の魅力を体現しています。
・ 南部美人公式オンラインショップはコチラ
19.八海山 白麹あわ 瓶内二次発酵酒(八海醸造/新潟県)3,410円(360ml)
★瓶内二次発酵
白麹由来のリンゴ酸が生むキレのある酸と、瓶内二次発酵ならではの繊細な泡が融合。白ワインのような印象を持つ軽快な味わいは、魚介やアジア料理とも好相性です。AWA酒協会認定の確かな品質。スパークリング日本酒の新たな可能性を知りたい方にこそ試してほしい、八海山の挑戦が詰まった一本です。アルコール度数12%。
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20.菊泉 ひとすじ ロゼ(滝澤酒造/埼玉県)9,900円(720ml)
★瓶内二次発酵
"透明なロゼ泡で魅せる「菊泉」は、世界初(※)の特許製法により誕生したスパークリング日本酒。瓶内二次発酵による繊細な泡立ちと、イチゴを思わせる香り、甘味と酸味の絶妙なバランスが特長です。IWC2021ではスパークリング部門で最高賞「トロフィー」を受賞。年産1500本の限定生産で、AWA SAKE認定蔵・滝澤酒造による技術の結晶。贈答用や特別な席にもふさわしい一本です。
※透明なロゼタイプでの製法特許として世界初(特許第6611181号)
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あなただけの本当に美味しい日本酒をみつけてください
今回ご紹介したスパークリング日本酒は、味わいはもちろん、製法や背景も実に多彩です。掲載順は容量あたりの価格を基準にしていますが、価格と味わいの価値が必ずしも比例するわけではありません。他にもご紹介したい銘柄は数多くあります。
「料理と合わせるならワイン」と思われがちですが、実は日本酒こそ、寄り添い力の高い酒だと感じています。かつてソムリエの田崎真也さんも「キャビア、山羊のチーズ、ショートケーキなど、ワインが苦手とする食材にも日本酒は寄り添ってくれる」と語っていました。
スパークリング日本酒も、乾杯だけでなく食中でも活躍する存在です。造り手の個性とこだわりが詰まった一本を、ぜひご自身の感性で選んでみてください。一部は季節限定や容量違いもありますので、ご購入の際は最新情報をご確認ください。あなたの食卓に、心に残る一杯が見つかりますように。
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