大須で昼飲み。女性ひとりでも日本酒を楽しめるお店3選
名古屋市中区にある、昔ながらの商店や新しいカルチャーが交わる街「大須」。年齢や性別、国籍を問わず楽しめる、ディープなエリアです。食べ歩きや観光のイメージが強い一方で、実は昼飲みができるお店が点在しています。
今回は大須で昼から日本酒が飲めるお店を求めて、日本酒好きの女性ライターがひとりで3軒をはしご。大須ならではの昼飲みの楽しみ方をご紹介します。
大須観音駅から昼飲みスポットに辿り着くまで
ご紹介する昼飲みスポットへは、名古屋市営地下鉄の「大須観音駅」または「上前津駅」から行くことができます。せっかくなので大須観音駅からスタートして、大須商店街を堪能しながら向かいましょう。
2番出口を出ると、すぐ目に入ってくるのが「大須観音」。日本三大観音のひとつとしても知られる、格式高いお寺です。
大須観音の正面を左手に進んでいくと、朱色の提灯が特徴的な「大須仁王門通」のアーケードが見えてきました。
商店街の中は、右も左も個性豊かなお店が並び、目移りしてしまいます。そして、お店があるのはアーケードの中だけではありません。よく見ていると、ところどころにレトロで趣深い路地裏があるのです。
1軒目に紹介したいお店も、こんな路地裏の中にひっそりと佇んでいます。あえて道順は紹介しません。ぜひ、お店までの道のりも楽しみながら辿り着いてみてください。
お昼前の11時からスタートした大須での昼飲み。一緒に昼飲みのはしごをしている気分で読み進めてもらえたら嬉しいです。
日本酒bar 木花咲耶
豊富で新鮮な日本酒が存分に楽しめる。店主との会話が咲き乱れ、時間の流れを忘れる日本酒バー
1軒目に選んだのは「日本酒bar 木花咲耶(コノハナサクヤ)」。こちらは11時から営業しています。
平日のお昼前。ひっそり佇むお店の扉を恐る恐る開けると......
「あら、いらっしゃい。こんな時間からいいのかしら〜」と店主が明るく迎えてくれ、一気に緊張感が解けていきました。
カウンター中心の店内で、店主との距離感が心地よく、女性ひとりでも自然と溶け込める空気があります。土日はお客さんが並ぶほど大人気で、席がいっぱいになると立ち飲みも可能です。
こちらのお店には、飲み物や料理のメニューはありません。どんな日本酒も1杯800円。店主に好みを伝えると、豊富な日本酒の中から選んでくれます。
私の好みを伝えると、こちらの「上喜元 百舌鳥(もず) 純米吟醸」(山形)を選んでくれました。白を基調とした洗練されたラベル。甘すぎず、ほどよいフルーティーさ。フィニッシュにかけて、のんびりとキレる主張しすぎない味わいです。
日本酒をのんびりと飲みながらカウンター越しで店主との会話にも花が咲きます。店主は絵も描かれているそうで、店内にもお店の様子を描いた抽象画が飾られていました。
会話が弾むうちに、おまかせのおつまみ三種が到着。白菜のお漬物、サーモンの塩麹漬け、なますです。特にこの真ん中のサーモンの塩麴漬けが好きで、家でもこんなおつまみを作れたらな、と思ったほど。
2杯目は「1杯目とは少し違う感じで」と注文してみます。
こちらは「初亀 純米吟醸 東条山田錦」(静岡)。山田錦を使っているのでスタンダードな純米吟醸かしらと思い飲んでみると、口当たりなめらかでバランスがいい。後味の余韻も上品でどんな料理にも合いそうです。
店主の方に熱燗も勧められ、最後は熱燗で締めることにしました。温度のあげ方にもこだわっており、日本酒や使っているお米によって温める時間を変えているとのこと。
ずらりと熱燗におすすめの日本酒を並べてくださり、この中で選んだのは「燗純米」(宮城)。リラックスしているようなイラストが印象的です。
こちらのお店では、おつまみもお酒に合わせておまかせで出てきます。3杯目は「あん肝」と一緒にいただきました。やさしい口当たりで、なんだかホッとする燗酒でした。燗酒があまり得意でない方でもとっても飲みやすそう。
そして、後から来た常連さんにも、私のことを紹介していただき、みんなでわいわいと楽しんでいるとすっかり時間を忘れてしまいます。
日本酒の入れ替わりも大変早く、さまざまな種類の新鮮な日本酒を楽しめるお店。はじめての人でも、誰も置いてけぼりにならない場所。そんな素敵な雰囲気で、たくさんのお客さんから愛されている理由が分かります。
ずっとここにいたいな〜と後ろ髪を引かれながらもお店を後にした筆者でした。
<店舗情報>
住所:愛知県名古屋市中区大須3-42-23
アクセス:地下鉄「上前津駅」から徒歩2分
地下鉄「大須観音駅」から徒歩10分
営業時間:11:00~21:00(L.O.20:30)
定休日:火・水曜日
Web:https://www.instagram.com/konosaku8793/
電話番号:052-265-5615
みちのく屋 酒店
土日は予約必須! お昼から海鮮と一緒に東北のおいしい日本酒を楽しむならこちらの居酒屋へ
2軒目に訪れたのは「みちのく屋 酒店」。1軒目のお店から徒歩2分程で着きました。大須へ来るたびに、いつも賑わっていて気になっていたこちらのお店。やっと入店できました。
カウンター席へ座ろうとすると、「もっと広いところに座っていいのよ」と優しく声をかけていただき、テーブル席へ。ひとりでも居心地のいい席へ案内してくれる、その気遣いがうれしいですね。
店内の真ん中にある、お酒の瓶がずらりと並ぶショーケースが目を惹きます。
では早速、日本酒を頼んでいきます。最初に選んだのは「大七 純米生酛 熟成生原酒」(福島)。「もっきり」スタイルで注いでいただきました。
“もっきり”について知りたい人はこちらの記事もどうぞ
お通しのカツオのたたきと一緒にいただきます。生酛の生原酒ということもあって、しっかりとした深い味わいで酸味を感じます。後味はシャープ。
そして、しっかりした味の日本酒に合うおつまみとしておすすめしていただいたのが「マグロ血合の唐あげ」です。
初めて食べたのですが、魚というよりはまるでお肉のレバーみたい。濃い味でお酒がどんどん進みます。店員さんが「お口に合いましたか?」と聞きに来てくださり、お客さんへの気配りに心があたたかくなりました。
メニューの中で一番気になっていたのが、牡蠣。なんと、その日によって北海道や東北の数種類の牡蠣から選ぶことができます。私は「北海道仙鳳趾の蒸し牡蠣」を選びました。
クリーミーで甘みがあって、これも日本酒に合わないわけがありません。
2杯目には「両関 初しぼり 純米生原酒」(秋田)を。
また並々と注いでいただきました。こぼれないようにとゆっくりと枡を自分の元へ近づけ、顔から日本酒を迎えに行きます。本日飲んだ中で一番フレッシュさ、フルーティーさを感じ、まさにジューシーな一杯。
さらに、こちらの海鮮の虜になった私は、最後にもうひとつだけ、と「コハダ炙り」を頼みました。
炙りの香ばしさが鼻を抜けて、たまらない逸品。このままここにいると、海鮮と東北の日本酒を交互に楽しむことでいつまでもいられてしまいそうです。
平日の昼間にひとり。
目の前のお酒と料理だけに意識を向けて、一口ずつ味わう。贅沢で幸せな時間をここで過ごしました。
みちのく屋 酒店さんは、「カナヤマギンザ」にも姉妹店があるそうです。カナヤマギンザについてはこちらの記事でもご紹介しているのでぜひご覧ください。
「カナヤマギンザ」についての記事はこちら
<店舗情報>
住所:愛知県名古屋市中区大須3-34-11
アクセス:地下鉄「上前津駅」から徒歩3分
営業時間:月・火・水・日・祝日 11:30~22:00
金・土・祝前日 11:30~23:00
定休日:木曜日
Web:https://www.instagram.com/michinokuya.sake
電話番号:080-9811-7105
日本酒処 またたび
店内は猫のモチーフがいっぱい。全国各地の銘酒を楽しめる隠れ家居酒屋
昼飲みはしご酒の最後は「日本酒処 またたび」で。開店時間は15時“ごろ”であることにご注意ください。15時過ぎに伺ったときにはまだ開店していなかったので、他の場所へ寄ってからこちらへ戻ってきました。
少し暗くなった時の外観はこちら。
お店の看板がぼんやりと光っていて、また雰囲気が変わりますね。さて、この日を締めるお店はどんな雰囲気でしょう。
そろりと扉を開けてみるとカウンターは5席あり、靴を脱いで上がります。中は猫のモチーフがいっぱい。外からは少し入りにくそうに見えますが、扉の先には思った以上にやさしい空気の店内が待っていました。
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メニュー立てが可愛すぎます
とっても話しやすく、大相撲が好きな店主と一緒に相撲中継を見ながら最初の1杯を選びました。
1杯目は「高千代 純米酒 無濾過生原酒」(新潟)。日本酒度は+19とかなり高めで、辛口好きには持ってこいなお酒。口に含んだ瞬間はフレッシュさを感じ、フィニッシュにかけてガツンとパンチが効いてきます。
日本酒の写真を撮ろうとすると、猫のフィギュアをそっと添えてくれました。お店の看板にもいる猫又ですね。
おつまみは何にしようかなと考えていると、ちょうどローストビーフの仕込み中とのことで、そちらをいただくことに。でき上がりを待ちながらもう1杯注文します。
2杯目は「松の司 純米酒 尾花」(滋賀)を。今度はお相撲さんの猫ちゃんフィギュアに見守られながらいただきます。
このお酒は、異なるヴィンテージ(醸造年度)の酒を数種類ブレンドして造られています。穏やかな味わいの中に熟成感。でも重すぎず軽やかで飲みやすい、複雑さのある日本酒でした。冷やしすぎない方が本来の味わいが引き立ちそうです。
と、お待ちかねのローストビーフが出来上がりました。
ローストビーフは赤ワインで合わせることが多いので、日本酒と一緒にいただくのはなんだか新鮮です。柔らかいお肉と店主特製の玉ねぎソースが相性抜群。
では、締めの日本酒にいきましょう。
最後は「五(five)グリーン 純米生原酒おりがらみ」(山口)です。五(five)のシリーズは、ラベルの色で酒質と季節感を演出しています。このグリーンは冬限定の日本酒。おりがらみで白濁していて、よく見ると微発泡感が分かります。フレッシュさがありつつも濃醇でメロンのような甘味を感じました。
こちらのお店のお蕎麦で締めたかったのですが、残念ながらこの日は売り切れ。またリベンジしたいです。
このお店にいると、店主と話しながら次々と日本酒が出てきて、すっかり時間を忘れて飲みすぎてしまいました。
実はこの記事では紹介しきれていない日本酒もあるのですが、ぜひ、直接こちらへ足を運んで全国の個性豊かな日本酒を楽しんでみてください。
<店舗情報>
住所:愛知県名古屋市中区大須2-32-15
アクセス:地下鉄「上前津駅」から徒歩5分
営業時間:15:00ごろ~00:00ごろ
定休日:木曜日
Web:https://www.instagram.com/matatabi_kazumi/?hl=ja
電話番号:080-5150-5898
またふらっと来たい、昼の大須
にぎやかな商店街から少し路地に入ると、また違う一面を見せる大須。昼から日本酒を飲むことも、女性ひとりで気ままに過ごすことも、この街では特別なことではありませんでした。
どんな場所も、足を踏み入れてみればあたたかい空気の中においしい日本酒があり、そこでしか生まれない会話がある。
想像していなかった人や時間に出会えるのが、大須での昼飲みの魅力かもしれません。
次の休日は、予定を決めすぎずに。
昼の大須で、日本酒を一杯。
そんな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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