【蔵開きレポート】山﨑合資会社「尊皇酒蔵開き」日本酒飲み比べや七輪での炙り焼きで雨天でも大盛況!
春を迎えると各地の酒蔵で行われるのが蔵開き。特に4月から5月にかけては東海エリア酒蔵だけでも週末ごとにどこかで蔵開きが行われるほど盛んです。今回は、2025年5月17日(土)に愛知県西尾市の山﨑合資会社にて開催された「尊皇酒蔵開き」に参加。毎回多くの日本酒ファンで賑わう蔵開きの模様をお届けします。
三河南部の名酒蔵・山﨑合資会社
山﨑合資会社は、愛知県西尾市幡豆地区で100年以上の歴史を有する酒蔵。大正時代から受け継ぐ「尊皇」をはじめ、「奥」「幻々」「焚火」など多くの銘酒を造る名酒蔵の一つとして知られています。
山﨑合資会社について詳しく知りたい方はこちら
山﨑合資会社の蔵開きには電車で向かうのが便利。名鉄名古屋駅から西尾線に直通する吉良吉田行きの急行に乗り、吉良吉田駅で蒲郡線に乗り換えて西幡豆駅へと向かいます。
車窓に広がる風景を楽しみながら、およそ1時間のプチ電車旅。西幡豆駅から徒歩5分ほどで山﨑合資に到着です。
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当日はあいにくの雨模様
尊皇酒蔵開きではプラカップは用意されておらず、お酒は購入したおちょこに注いでいただくスタイルとなっています。入口でおちょことチケットを購入し、いざ、会場入りです。
日本酒をとことん堪能!
尊皇酒蔵開きの当日は朝からあいにくの雨模様。それでも、会場には多くの日本酒ファンが集まり、思い思いに日本酒を堪能していました。
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会場は大盛り上がり
この日提供されていた日本酒は有料・無料合わせて全19種類。「奥」「焚火」「幻々」などの人気酒はもちろん、酒蔵開きでしか飲めない日本酒も飲み比べできるのが尊皇酒蔵開きの人気の秘密です。筆者もいろんな日本酒を楽しませていただきました。
第27回 酒蔵開き記念酒
毎回出される「酒蔵開き記念酒」。今回は愛知県の酒米・夢山水を用いた生酒でした。口当たりはほんのりと甘酸っぱさを感じ、後口がしっかりキレる、山﨑らしさ満点の美味しさでした。
R6BY 試験醸造酒 純米吟醸生原酒・純米吟醸原酒
酒蔵開きならではの楽しみが、一般には出回らない試験醸造酒を試飲できること。今回は「純米吟醸生原酒」と火入れした「純米吟醸原酒」の2種類をいただきました。
「純米吟醸生原酒」はフレッシュでフルーティーな味わい。アルコール度数13.5%とやや低めということもあり、軽やかで飲みやすい仕上がりになっていました。今までの山﨑のお酒とは違ったタイプとなっており、新たなチャレンジを感じました。
もうひとつの「純米吟醸原酒」、火入れをしているのにほんのりとシュワシュワ感があるのにびっくり! 搾ってからすぐに瓶詰めして火入れすることで、ほんのわずかながら発泡感を残しているんだそうです。
奥 二割二分 純米大吟醸原酒
続いていただいたのが、人気の「奥」シリーズの中でも最もお米を磨いた「純米大吟醸原酒 二割二分」。自家精米で22%まで磨き上げた夢山水で仕込まれたお酒は、口当たりに日本酒らしい美味しさを感じつつも、後口はさらっときれいに消えていく透き通った味わいでした。
タンク直詰め 純米吟醸うすにごり生
「尊皇酒蔵開き」での楽しみの一つが、酒蔵開き限定で登場するタンク直詰めの限定酒。今回は純米吟醸のうすにごり生酒が提供されていました。
アルコール18度とどっしり感がありながら、うすにごりならではの優しい口当たり。米の旨みが楽しめる一杯でした。
山﨑醸 夢吟香DREAM 純米大吟醸原酒
「山﨑醸 夢吟香DREAM」は、愛知県が育種した酒米「夢吟香」を使った純米大吟醸原酒。純米大吟醸らしい華やかさのある口当たりで、甘味や旨味もしっかり楽しむことができます。それでいながらしっかりとキレがあり、後口の余韻も絶妙。長くゆっくりと楽しみたいお酒でした。
試飲ブースにはこの他にもたくさんの日本酒がズラリ。どれも個性豊かな味わいで日本酒の世界の広がりを存分に堪能することができました。
美味しい肴と素敵な音楽をおともに、気分は最高潮!
地元ならではの酒の肴が充実
尊皇酒蔵開きが日本酒ファンから人気を集めるもう一つの理由が、日本酒を楽しむ「おとも」が充実していること。三河湾に面した西尾市幡豆地区は昔から漁業が盛んということもあり、会場内では地元の海産物などを使ったおつまみがズラリと並びます。
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地元産のメヒカリや海老の唐揚げが絶品!
中でも行列が長く伸びていたのが、地元・三河一色産のうなぎの串焼きコーナー。地元産のうなぎの串焼きがなんと1本200円で買えるということで、文字通り飛ぶように売れていました。
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うなぎの串焼きをお値打ちに楽しめるのは三河一色に近い山﨑合資ならでは
丁寧にじっくりと焼き上げた串焼きは、パリッと仕上がった香ばしさとジュワッと広がる脂の旨味、そしてうなぎの美味しさを引き立てるタレの三位一体となった味わいが最高! もちろん日本酒との相性も抜群でした。
七輪での炙り焼きが最高!
尊皇酒蔵開きならではの楽しみが「七輪」を使った炙り焼き。会場のテント内に七輪が設置され、販売されている干物などをその場で炙って楽しめるようになっています。今回は地元産のフグの干物を炭火で炙っていただきました。
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地元産のフグの干物を七輪で炙り焼き!
炙りたてのアツアツの干物からあふれ出る旨味と日本酒、もちろん相性の良さは言うまでもありません! 七輪の台数は限られているため、みんなでシェアするのが尊皇酒蔵開きでの流儀。声を掛け合いながら譲り合って七輪を囲めば、日本酒好き同士あっという間に仲良くなります。
会場を盛り上げるバンドの生演奏
そして、会場をさらに盛り上げるのが大名古屋ブラザーズバンドさんたちによる生演奏。日本酒ファンの世代に刺さる昭和から平成初期にかけての名曲が次々と演奏され、会場を大いに盛り上げていました。
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バンド演奏が会場に彩りを添えます
きき酒にも挑戦
尊皇酒蔵開きでの恒例のお楽しみ企画が「きき酒大会」。筆者も日本酒ライターの名誉をかけて、挑戦しました!
尊皇酒蔵開きのきき酒大会は、「A・B・C」と「イ・ロ・ハ」のそれぞれ3種類並べられた日本酒の組み合わせを当てるというもの。今回は3回目の開催時間にチャレンジしたのですが、事前説明によると1・2回目での正解率は「約3割」とのことで、なかなかの難問のようです。果たして無事に正解することはできるのでしょうか……?
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種類の日本酒の組み合わせを当てる「利き酒」大会
AとCが比較的近い味わいだったものの、口当たりの違いから正解を予想。全員が回答を終えた後に行われた正解発表では……見事大正解! 全問正解者へのプレゼントである尊皇の美味しい日本酒をいただくことができました。
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全問正解で賞品のお酒ゲット!
プチ電車旅で日本酒を大満喫!
美味しいお酒と肴、そして素敵な音楽に楽しい催しまで堪能できる山﨑合資会社の「尊皇酒蔵開き」。午前中はあいにくの雨模様でしたが、午後からは雨も上がり、会場内にはゆっくりお酒を楽しむ日本酒ファンたちでますます盛り上がっていました。
山﨑合資会社では、例年1月・5月・9月の3回「尊皇酒蔵開き」を開催。次回は2025年9月28日(日)の予定です。最寄りの西幡豆駅からも非常に近く、名古屋駅から片道1時間ほどと行きやすい距離にあるのも大きな魅力。一度行ったら何度でも足を運びたくなること間違いなしです。
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若き六代目蔵元・山﨑真幸さんも会場で頑張っていました
蔵開き情報は山﨑合資会社のWebサイト及び公式SNSにてご確認ください。
公式Webサイト https://www.sonnoh.co.jp/
公式facebook https://www.facebook.com/sonnohyamazaki/
公式instagram https://www.instagram.com/sonnohyamazaki_official
公式X(旧Twitter) https://twitter.com/SonnohYamazaki
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