岐阜・明知鉄道で「呑み鉄」体験! 美味しい日本酒✕列車旅を満喫しました♪
みなさんは「呑み鉄」をご存知ですか? 「呑み鉄」とは鉄道ファンのジャンルの1 つで「鉄道旅行でお酒を楽しむ」ことを愛好する方を指すそうです。
電車に乗ることを楽しむ「乗り鉄」、電車の写真や動画、音を録ることを楽しむ「撮(録) り鉄」などと同じく、鉄道を起点に楽しむ日本酒好きにはピッタリのことばですね。
岐阜県・恵那市にある明知鉄道(通称:あけてつ) もその一つ。ここでは夏限定の「冷酒列車」が運行しているんです。地元の美味しい日本酒を楽しみながらの列車旅「呑み鉄」を筆者も体験してきました!
始発駅・恵那駅から1時間の列車旅へ
恵那駅を始発とする明知鉄道は終点の明智駅まで、約30分に1本ほどの頻度で列車が運行されています。こちらで開催されている「食堂列車」は2013年開始以来の人気列車で、コロナ禍が落ち着いた2022年から復活したそう。
今回乗車する「冷酒列車」は 2種類の日本酒とお料理、そして車窓からの景色も楽しめるという「呑み鉄」初心者にもピッタリの列車です。
なお、夏限定の冷酒列車以外にも、4種類の日本酒が飲み放題となる「枡酒列車」、恵那市の特産・寒天を使った春夏開催の「寒天列車」に秋の味覚と景色を楽しめる「きのこ列車」、冬の地味深いとろろを楽しめる「じねんじょ列車」など、様々なグルメ列車が運行されているそう。どの列車も日本酒やビールの持ち込みも可能なので、四季を感じながらの列車旅が楽しめます。
まずは恵那駅にて事前に購入したチケットの引き換え。通行手形は当日の明知鉄道で何回でも乗降出来るフリーパスになっています。
ふと周りを見ると呑み鉄と思われる別のお客様が、駅の窓口で何かを出しています。なんとご朱印帳ならぬ「鉄印帳」! 第三セクター鉄道等協議会に加盟する鉄道会社と関係会社が連携し、2020年から始めている企画だそうです。
乗車するのは急行大正ロマン1 号。2両編成の先頭車両は一般車として、後方車両を食堂車として使うそうです。
地元で有名な戦国武将・明智光秀ゆかりの桔梗紋や甲冑姿がラッピングされています。新しそうに見えるこちらの車両、実は1998年製で30年ほど利用されているんだよ、と周りの乗り鉄さんが教えてくださいました。そんなに長い期間使われている車両なんですね!
ガイドさんの解説と車窓を眺めつつ、充実した列車旅
座席は参加者全員が車窓の景色を楽しめるようにロングシートになっています。目の前には可愛い明知鉄道のロゴが入った枡と、明知鉄道・岩村駅にある「岩村醸造」の日本酒が冷え冷えで待っています。180mlの小ぶりな瓶なので、自分のペースでいただけそうで安心です。
外の景色も気になりますが、まずはガイドさんの音頭で乾杯!今回のお弁当は明知鉄道・山岡駅の「かんてんかん」のもの。地元の食材を活かした美味しそうなお料理は日本酒にも合いそうです。
1種類目「女城主 特別本醸造 生貯蔵酒」
生酒を極低温で貯蔵し、瓶詰めをする際に加熱処理をした「生貯蔵酒」。地元・岐阜県産の酒米である「ひだほまれ」を使っているそう。生酒ならではの華やかな香りにお米由来の豊かな味わいがありながら、余韻はスッキリしたお味でした。お料理の中でも、ごま油の香る野菜のナムルや、柚子胡椒の香る地元・恵那鶏の塩麹焼きとも相性ピッタリ!
2種類目「女城主 純米辛口酒」
女城主と言えばこれ!という地元ファンも多いという、火入れの純米辛口。ラベルには織田信長の叔母にあたる岩村城・城主おつやの方が描かれています。華やかなラベルからは想像がつかないようなドライで切れ味の良いお酒です。きなこ豚の野菜ロールカツと合わせると、しっかりした豚肉の味わいも後味すっきりいただけます。
鉄道好きと日本酒好きの交流も可能な「呑み鉄」
日本酒とお弁当を楽しんでいると、ガイドさんが参加者に声を掛けながら盛り上げてくれます。今回の参加者は鉄道目当ての方、日本酒目当ての方、両方の「呑み鉄」の方がちょうど3分の1ずつ。大阪からわざわざいらした方や、隣の愛知県から毎週末通っている常連さんもいらっしゃいました。常連さんは明知鉄道の駅ごとの特徴にも詳しく、私たちに教えてくださるほど。普段ではなかなか出会えない交流ですね。和やかな雰囲気と長閑な景色を楽しみつつ、列車は進みます。
恵那駅から4つ目・飯羽間駅を超えたところは「農村景観日本一」にも選ばれた田園風景の中を列車が走ります。一面の稲穂を横目に「撮り鉄」のみなさんが私たちの乗っている列車とのベストショットを狙っていました。こんな光景を列車の内側から楽しめるのもオツですよね!
終点の明智駅までわずか1時間の列車旅。お弁当を食べながら景色を楽しむには十分な時間で、中には180mlのボトル2本をしっかり飲み切った方もいらっしゃいました。時間内に飲みきれなくても、ボトルごと持ち帰れるのが嬉しいですね。
終点到着後は自由散策。途中下車で酒蔵訪問、角打ちを満喫!
終点の明智駅からは、フリーパスを使えば終日途中下車も可能です。せっかくなので列車でいただいた日本酒の醸造元「岩村醸造」へ行ってみることにしました。終点の明智駅から戻ること4駅。岩村駅から商店街を歩いて15分ほどで到着です。
こちらではお昼からでも角打ちが楽しめるんです! 冷酒列車では提供されていない日本酒を1杯からいただくこともできますし、店頭でしか売っていない日本酒にも出会えるので、お土産にもぴったりです。角打ちコーナーはオシャレな雰囲気の中、昔ながらの木材や道具が残されていて、どこかレトロで落ち着く空間。そんな中で蔵元・渡會さんの解説をいただくと、どの日本酒もさらに魅力的に感じます。
「呑み鉄」は大人の遠足にオススメ!
ほかの参加者のみなさんも岩村城跡まで行ってみたり、地元の五平餅を食べ比べたりと満喫されていました。沿線のお店に立ち寄れるのは列車旅の醍醐味ですね。
夏限定の冷酒列車に続き、秋には「枡酒列車」が運行されます。こちらも岩村醸造の美味しい日本酒がたくさん楽しめるオススメの旅です。詳しくはこちらをご覧ください。
美味しい日本酒をいただきながら、大人の遠足にもオススメな「呑み鉄」。非日常を楽しみながらリラックスできる列車旅をみなさんも楽しんでみませんか?
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