【蔵開きレポート】岐阜県・瑞浪市 若葉株式会社のアットホームな酒蔵開きを大満喫!
春は酒蔵開きの季節!この時期はあちこちで蔵開きが開催されていますよね。「SAKETOMO」では愛知県近郊で行われる酒蔵開きにお邪魔して、実際の雰囲気をお伝えします。この時期ならではのイベントを、記事を通じてでも楽しんでいただけると嬉しいです。
愛知・岐阜の酒蔵開き情報はこちらから
岐阜県・瑞浪市にある老舗酒蔵・若葉株式会社(わかば)
今回は4月2日(日)に岐阜県瑞浪市にある若葉株式会社で開催された酒蔵開きにお邪魔してきました。
名古屋駅からJR中央線と徒歩で約1時間。ちょっとした遠足気分でたどり着いた瑞浪駅から酒蔵に向かう途中は、落ち着いた穏やかな景色が広がります。酒蔵の傍にある土岐川沿いには桜並木が広がり、お散歩しながら向かうにもピッタリ。酒蔵開きにお邪魔した日は、桜がちょうど散り始めの穏やかな春らしい日。川のせせらぎを聞きながら、桜がひらひらと舞う中を歩くだけで、本当に癒されます。
酒蔵に到着すると、代表銘柄「若葉」と書かれた菰樽(こもだる)と杉玉が迎えてくれます。クラシックな外観ですね。若葉は、元禄年間に創業した現在で創業300年を超える老舗酒蔵。庄内川水系の井戸水を使っていて、少人数で醸す高品質な酒質が評判です。地元に根差した酒造りを大事にしており、現在は伊藤勝介さんが13代目蔵元を務めています。
若葉の蔵開きはアットホームであたたかい!
まずは受付へ。コロナ禍以降、人数が多くなり過ぎないようにという配慮で、今回はWebから事前予約の方だけが入場できる仕組みです。入場料の1,000円を払ってチケットを受け取ったら、まずは酒器を選びます。ずらっと並ぶ酒器は愛知県・瀬戸市にある赤津焼の窯元 喜多窯・霞仙(かせん)さん作。酒器を選んで日本酒を楽しんだ後は、家に持ち帰ることができます。
東美濃なのに、なぜ愛知・瀬戸市の赤津焼?と思った方もいるかもしれません。実は霞仙さんと若葉 蔵元の伊藤さんは中学、高校の同級生という繋がりなんだそう。同窓会で話が盛り上がり、今回のコラボに行き着いたとのこと。これもご縁ですね!たくさん並ぶ酒器はどれも美しく魅力的で、どれにしようか悩んでしまいます。
酒器を選んだら、試飲コーナーへ。この日はなんと11種類もの日本酒が並んでいました。どれから飲むか悩んでいると、試飲コーナーでひたすら日本酒を注ぐおじさま方から「少しずつ全部飲んだらいいよ!」と声を掛けていただきました(笑)
せっかくなので、声を掛けてくださったおじさまにオススメを聞いてみました。「僕は個人的に『③若葉 純米』がオススメだよ。毎日の晩酌にピッタリで。どんな料理にでもどんな温度帯でも合うんだ。」とのこと。
試飲した日本酒をご紹介!
若葉 純米
岐阜県の酒造好適米「飛騨誉(ひだほまれ)」と地元・瑞浪市日吉営農組合で委託栽培した「朝日の夢」を使った純米酒だそうです。早速試してみると、香りは控えめで少しだけ米の香りを感じます。味わいは穏やかで少しの酸味、米の旨味がゆったりと続くので、確かにどんな料理にも合いそうです!こちらは2020年、2021年の名古屋国税局 鑑評会の燗酒の部で入賞した実績もあるとのこと。燗酒も気になります!
若葉 特別純米 大いばり青ラベル
次は個人的に若葉と言えば、このラベル!というイメージがついている『⑥若葉 特別純米 大いばり青ラベル』をいただきました。まさかりを担いだ金太郎のレトロなラベルは酒蔵から出てきたもので、昭和初期あたりに使われていたのでは?と言われているそう。
こちらは酒造好適米「五百万石」を55%精米で醸した酒。搾りたての無濾過生原酒をマイナス3℃の冷蔵庫で保管し、新酒の味わいをそのまま閉じ込めています。精米歩合で言えば、純米吟醸と呼んでも良いくらいなので、先ほどの『③若葉 純米』よりも華やかな香りを感じます。味わいはラベルとは打って変わってフレッシュでありながら、低温で熟成されていることで丸くまろやかな印象。後味はスッキリしているので、飲み飽きせずに長く飲めそうに感じました。
試飲を少し休憩して、酒蔵の中を見学させていただきました。酒蔵内は外の盛り上がりとはうって変わって静かでひんやりとしています。酒造りの時期はタンクの発酵が進みすぎないよう、夕方から夜に外気を入れて酒蔵内を冷やし、そのまま扉を閉めて外気温よりも低く保つんだそうです。
普段の酒造りは、13代目蔵元兼杜氏の伊藤さん、伊藤さんの息子さん、説明をしてくださった工場長の3名で行うそう。人数も少ないので蒸した酒米の移動は、ホースとエアーを使って各タンクに入れているそうです。少数精鋭での酒造りは大変そうですが、そのおかげでこの美味しい日本酒がいただけると思うと感慨深くなりました。
会場内や来場者の間を忙しく行き来してた13代目蔵元・伊藤さんに、少しだけお話を伺うことが出来ました。
「酒蔵開きは毎回地元の仲間や知り合いに手伝ってもらって運営しているんですよ。さっき試飲コーナーで日本酒を注いでくれたのも、近所の方や同級生。受付も販売コーナーも親戚や奥さんのママ友さんだったりします。アットホームというか、お世話になったみなさんと一緒に美味しい日本酒を飲んで、広めて、楽しむ感じでしょうか。長くコロナ禍でイベントも自粛が続きましたが、年明けからは徐々に元に戻りつつあり、ありがたいことです。こうして遠方から来てくださる方にお会いでき、みなさんが楽しんでいる姿を見るのが、一番うれしいですね。」とのこと。
なるほど、先ほど試飲を勧めてくれたおじさま方も、蔵人ではなく日々若葉を飲んでいるファンの方々なんですね。アットホームな雰囲気を感じる理由がよくわかりました。徐々にイベントなども解禁され始め、今後ますます若葉を目にする機会が増えそうです。
最後に美味しそうな日本酒が並ぶ販売コーナーで、13代目蔵元・伊藤さんにオススメいただいた1本を購入!
今回試飲には登場していなかった『若葉 純米プレミアム』の無濾過生原酒。地元でとれた酒米の「ハツシモ」「ひだほまれ」を使った純米酒で、先日開催されたMEETS HIGASHIMINOでいただいた純米プレミアムとの違いは、生原酒であること。何と前日の4/1に瓶詰めしたばかりの数量限定という貴重な日本酒だそうです。これは楽しみです!
せっかくなので、一緒に食べるオススメ料理を伊藤さんの息子さんに伺いました。「そうですね。味わいがしっかりしているので、揚げ物や濃い味にも負けないです。味噌カツなども相性がいいと思いますよ!」とのこと。家に帰って試してみました。
「MEETS HIGASHIMINO」でも若葉の日本酒を楽しんでいました!
家に帰ってからも楽しめる「酒蔵開き」
若葉 純米プレミアム 無濾過生原酒 × 名古屋あげ(くすむら)
息子さんのオススメは味噌カツだったのですが、すぐに自宅で用意できなかった為、同じ方向性で手軽に購入できるものを準備しました。名古屋市にある豆腐処味匠・くすむらさんの「名古屋あげ」。近所にあるスーパーマーケットのフランテで見かけると、頻繁に買ってしまう筆者の定番品でもあります(笑)
くすむらのHPによると「ふっくら肉厚なおあげに、名古屋の赤味噌と大豆、ねぎ、椎茸を挟み、トースターやフライパンで軽く表面を炙るだけで、おかずにもつまみにもなる『お手軽名古屋味』。味噌がしみたところが他にはないおいしさです」とのこと。今回はフライパンで軽く炙り、上にパクチーを載せていただいてみました。
まずは日本酒を一口いただきます。控えめな米の香りがして、口に含むと柔らかくしっかりした味わい。余韻が長く続くのは、先日いただいた純米プレミアムと同様ですが、生原酒ならのフレッシュ感と重めの酸味を感じます。名古屋あげと合わせてみると、赤味噌の甘み、ねぎの香味と椎茸の旨味、揚げのしっかりした味わいに米の旨味が合い、最後はこの重めの酸味がスッキリとさせてくれます。更に上に載せたパクチーを加えると、パクチーの香りとぶつかることもなく、逆に酸味がパクチーの香りともよくあっていて、清涼感のある組み合わせに感じました。日本酒が残っているうちに、味噌カツとの組み合わせも試してみたいものです。
酒蔵開きは本当に楽しい!
酒蔵開きに行くと、その蔵の特徴や他の蔵との違いなども知ることができ、本当に楽しいですね!イベントを満喫することはもちろん、酒蔵の方と一緒にお土産の日本酒を選び、自宅でおつまみと合わせていただくことで、さらに楽しみが広がると感じました。まだまだ愛知県、愛知県近郊の酒蔵開きはあるので、みなさんも足を運んでみてはいかがでしょうか?きっとこれまでに知らなかった酒蔵さんのストーリーや、新しい日本酒との出会いがありますよ!
関連記事