燗酒と料理の絶妙食べ合わせにほっこり!千種区「米家(まいほーむ)」~日本酒女子のライターが推したい店と酒・名古屋編 #1~
地元でも旅先でも、日本酒が充実した美味しい店を見つけるのって難しいですよね。でも、せっかくの機会を満喫したい!
そんな日本酒好きの皆さんへ、名古屋在住で国際唎酒師の資格を持ち、会社員と日本酒ライターの二足の草鞋を履く筆者•spoolが自ら飲み歩いて「ここはオススメ!」と太鼓判を押すとっておきのお店をご紹介するシリーズ「日本酒女子のライターが推したい店と酒・名古屋編 #1」。今回は初めての一人飲みにもピッタリな、アットホームなお店です。
※「米家(まいほーむ)」は2024年9月30日に「よね重」としてリニューアルオープンしました(場所や電話番号の変更なし)。
以下は、「米家(まいほーむ)」の頃の記事となります。最新情報は記事の最下部の店舗情報に記載のInstagramアカウントよりご確認ください。
「米家(まいほーむ)」(名古屋市・千種区)は“ほっこり”と“こだわり”が両立する店
名古屋市・千種区にある「米家(まいほーむ)」。筆者も定期的通う「ほっこり」と「こだわり」が両立する店です。名古屋駅からはJRか地下鉄で15分以内にフラッと立ち寄ることができます。
美味しい燗酒、そして素材の味を生かした美味しいお料理。その食べ合わせ(ペアリング)が楽しめるのがこちらの米家(まいほーむ)。「燗酒と言えばここ!」と口を揃える名古屋の日本酒ラバーも多いんです。
店主のヨネさんこと、米重(よねしげ)さんは、飲食店を複数経験後、自分が体験した「ぬる燗の美味しさに出会った瞬間の感動」を原動力に、『美味しいお料理とお酒の組み合わせで一息ついて、幸せな気分になってほしい』いう想いを大事にしているそう。
個人的に特徴的だと思うのは、日本酒と料理を支える「調味料」と「うつわ」が秀逸なこと。
料理に使うこだわりのミツル醤油、料理酒はすべて「旭菊 純米(福岡県・旭菊酒造)」。こちらは使い始めるよりも前から抜栓して味をなじませてから使うというこだわり。
「美味しい素材はそれだけで美味しい。でも美味しい調味料をほんの少しだけ使って、更に素材が美味しくなるのも素敵だよね」とヨネさんは話します。
うつわは瀬戸焼で有名な愛知県瀬戸市の窯元「瀬戸本業窯」さんのもの。黄瀬戸、と呼ばれる淡い黄色の色合いが、目にも暖かに感じられます。このうつわに盛りつけられた料理を想像するだけで・・・幸せな気分になれちゃいますね!
こだわり店主のオススメする日本酒&料理の食べ合わせは?
メニューは日替わり。黒板にビッシリ書かれた中から、ヨネさんがオススメする日本酒とお料理の食べ合わせを2つご紹介いただきました。
菊石 純米酒 夢ゆたか(愛知県・浦野合資会社) × マグロの赤身
愛知県・豊田市にある浦野合資会社の「菊石(きくいし)」。富山県産の五百万石を100%使った、精米歩合60%の日本酒。米家で定番のお酒としてほぼ常設のラインナップです。杜氏さんもお店に来ることがあるそうですよ。
今回はこちらをぬる燗で合わせます。「お刺身にぬる燗?」と思われるかもしれませんが、冷酒やひや(常温)とは一味違った食べ合わせが堪能できることイチオシです!「お刺身に合わせる」ではなく、「マグロの赤身に合わせる」とピンポイントで攻めるあたりにヨネさんのこだわりを感じます。
お酒単体ではふわっと柔らかな米の香りと、少しの酸味を感じます。これをマグロと一緒にいただくと・・・不思議!マグロの味がググっと濃厚になった気がします。これは菊石の酸味がマグロのうま味を引き出したことによって、より味を強くしっかり感じられるようになったとのこと。日本酒が素材の味を引き出す、という組み合わせです。
反対に隣に並ぶ中トロだと、脂の感じが少しすっきりする印象。こちらは中トロの脂を菊石の酸味ですっきり後ギレよくしているからとのこと。この違いを体感して、理由が知れるのもプロに伺うからこそ。日本酒と料理の食べ合わせの妙を感じます。
ちなみに米家では日本酒をオーダーする際に今回のようにピンポイントで「どのお酒をどの魚に合わせるか?」とオーダーすることも出来ますし、刺身の盛り合わせを頼んで、「盛り合わせ全般に合わせやすいお酒を」とオーダーすることも出来ちゃいます。日本酒も半合からオーダー出来るので、色々飲み比べたい人にもうれしいところ。なぜその組み合わせか?と質問すれば、ヨネさんが丁寧に教えてくれるので、自分の味覚で感じたことを確かめながら楽しむこともできます。筆者はこの菊石を〆のヅケ鉄火巻や中トロ巻に併せていただくこともあります。まさに至福・・・!
丹澤山 麗峰 純米酒(神奈川県・川西酒造店) × ゲタカルビ鍋 青唐辛子添え
神奈川県・川西酒造店さんの「丹澤山(たんざわさん))。しっかりしたお料理にもバッチリ合う、こちらも米家では鉄板の日本酒です。徳島県産の阿波山田錦を100%使った精米歩合60%の火入れ。このお酒を先ほどよりも温度を上げた燗酒で合わせていただきます。
お酒単体ではタンクで熟成されたという少し甘みのある香りを感じます。一口含むとしっかりとした米のうま味がじんわり!これを分厚いのに柔らかいゲタカルビの肉感、青唐辛子のきりっとした辛味に合わせるとまた違った印象になりました。
しっかりしたボディ感のある丹澤山が、この味わいに負けずしっかり受け止めているようです。
それでいて、野菜や豆腐の優しい甘み、出汁の柔らかな味わいともピッタリ合うのは、丹澤山のまろやかさのおかげでしょうか。
筆者は熱い鍋には冷たいお酒をキュッと!というイメージを持っていたのですが、「近い温度帯に合わせるという楽しみ方もあるよ!」というヨネさんのオススメ熱燗を信じて正解。近い温度帯にすることで、熱々の料理と日本酒の香り高さが際立ちます!口に含んだ時に感じる熟成感のある日本酒の甘みが、口内調理で程よく料理の味わいに補完され、お互いの良さが引き出される組み合わせでした。
今回ご紹介したのはいずれも「醇酒」の味わいに近い純米酒でしたが、もちろん冷酒やひや(常温)での提供もあるので、それぞれのオススメの温度帯をリクエストして楽しむのもいいですね!
最後に・・・
実は筆者の初めての一人飲みデビューもこちらのお店でした。「1人でたくさん食べられないけど、大丈夫かな・・・」と心配して事前に電話をした際に、「1人でも大丈夫ですよ!」とお声掛けいただいたこと、そして料理や日本酒の量を加減してくれるだけではなく、女性1人でも安心して飲めるように他のお客様との距離もうまく守って下さって、まさに実家のような安心感がありました。
一人飲みデビューのお店を探している方にもオススメです!
みんなでワイワイ楽しむのも、一人で自分の時間を大事にするのも、常連さんとの珍しい会話も、どんなシーンでも堪能できちゃうオールマイティさも米家の魅力。そんなほっこり暖かい米家(まいほーむ)で燗酒の美味しさにあなたも目覚めてみませんか?
※2024年9月30日に店名を変更しリニューアルオープンしました。
店舗名 |
よね重(よねしげ) |
店主 |
米重 武 |
所在地 |
愛知県名古屋市千種区内山3-1-15 三ツ矢ビル |
TEL |
052-741-7565 |
営業時間 |
【火・水・木・金】18:00〜23:00(最終入店21:30、ラストオーダー22:00) |
定休日 |
月曜、不定休(インスタからご確認ください) |
席数 |
12席 (カウンター8席、4人用テーブル1卓) |
|
https://www.instagram.com/yonenoie?igsh=Z2U0MjVhMjVyczdq |
備考 |
店内禁煙、香りの強い香水などはお控えください。2024年11月より食べログにて掲載予定です。 |
関連記事