カップ酒はラベルがかわいくて初心者にもおすすめ! 唎酒師ライターが12種類を飲み比べました! 

手軽に本格的な日本酒を楽しめて、かわいいラベルも多いことで、若い世代を中心に人気を集めている「カップ酒」。専門店並みの品揃えを誇る街の酒屋さんや飲食店さんも話題になっています。コンビニやスーパーでも手軽に買うことができ、家飲みにもぴったり!しかし皆さんの中にはカップ酒に「おじさんくさい」「おいしくない」「恥ずかしい」というイメージを持っている方もきっと少なくないでしょう。 

この記事では、「唎酒師」「酒匠」の資格をもつ現役酒販店員である筆者・宮島けんとが、実際にカップ酒を“ほぼジャケ買いで”12種類を選び、飲み比べてみました! コンビニやスーパーで手軽に用意できるオススメのおつまみもご紹介します!

  • フタの空いたカップ酒が12種類並ぶ

    筆者がこの12種類を実際に飲み比べました!

カップ酒の魅力とは

手頃なサイズ・価格

カップ酒は1本 180ml(一合)と少ない量で色々な種類を楽しむことができます。(中には200mlのものもあります。)キャンプやバーベキューなどのアウトドアや旅行のお供にもおすすめです。価格も1本 400円前後と手の出しやすい価格で、ちょっとしたお土産にもぴったりです。ご当地キャラや名産品、観光スポットを描いたデザインも多く、ちょっとした旅行気分も味わうことができます。

映えるラベル

カップ酒=おじさん とイメージされる原因のほとんどは、昔ながらのラベルにあるのではないでしょうか。しかし今や膨大な種類の中から自分たちのお酒を手に取ってもらおうと、蔵元さんたちは味だけでなくラベルにもこだわっています。女子ウケ抜群のかわいいデザインやユニークなデザイン、おしゃれなものもたくさんあります! 気に入ったラベルのお酒は飲み終わったら、ペン立て・小物入れ・花瓶にしてもかわいいですね!

  • ガラスのカップに花と鉛筆がさしてある

手間なしの飲み方バリエーション

カップ酒にはグラスもお猪口も一切不要です。缶チューハイをプシュっと開けるように、フタをパカっと開けるだけで、すぐに飲むことができます。またカップ酒の瓶は分厚く作られているので、フタを開けてそのまま電子レンジでチンすればあっという間に熱燗の出来上がり!(600Wで50秒~60秒)その他にも氷を入れてロックにしたり、半分くらい飲んでソーダ割りにしたり、色々な飲み方で楽しめます。

※アルミ缶のカップ酒は電子レンジではなく、フタを開けてから熱湯で温めてください。

実際に飲み比べた!カップ酒おすすめ12選 合うおつまみも紹介します!

純米酒 ずZOOっと旭山(高砂酒造/北海道)

  • いろいろな動物のイラストが描かれたカップ酒

北海道・旭山動物園公認の純米酒。ラベルをぐるりと一周、かわいい動物たちが描かれています。ラベルは3パターンあってどれもかわいい!純米酒らしい旨味と酸味のバランスが丁度よく、北海道産米「きらら397」らしいすっきりとしたキレが味を引き締めています。

【おすすめのおつまみ:焼き鳥】 甘辛いタレが口の中で絶妙に合わさり、無限ループ必至!

東光 純米吟醸原酒(小嶋総本店/山形県)

  • 黄緑色の地色に黒文字が描かれたカップ酒

シンプルなデザインのアルミ缶カップ酒です。この純米吟醸原酒は、東光シリーズの中でも抜群の人気を誇ります。完熟フルーツのような濃醇な吟醸香が一気に広がり、その中にしっかりとした旨味も感じられます。原酒ということを忘れさせるような飲みやすさで、日本酒ビギナーにもおすすめです。

【おすすめおつまみ:生ハムチーズ】チーズだけでも十分合いますが、生ハムの塩味が、いい意味で渋滞した口の中をすっきりさせてくれます!

加賀鳶 極寒純米 辛口(福光屋/石川県)

  • 歌舞伎役者や桜の花などが描かれたカップ酒

日本の四季を感じさせるようなラベルのアルミ缶カップ酒です。力強い旨味と酸味が口いっぱいに広がりキレイに消えていきます。この加賀鳶の「キレ」をカップ酒で味わえるとは…!キレキレの冷酒も、ふわっと旨味が膨らむ熱燗もどちらもたまらなくおいしい!

【おすすめおつまみ:しめ鯖】酸味と酸味の最高のハーモニー! 飲み過ぎ注意です!

菊水 ふなぐち 一番しぼり(菊水酒造/新潟県)

  • 赤色のロゴと金色の飾りが描かれたカップ酒

コンビニやスーパーで見覚えのある方も多いはず。SNSでは「コンビニ最強酒」と称される、とても優秀なカップ酒です。日本初のアルミ缶入り生原酒として50年以上の歴史を持つロングセラー商品。アルコール度数19%の荒々しくもフレッシュな味わいと、濃厚な吟醸香でゴクゴク飲めちゃいます!おすすめの飲み方は5~6割飲んだら炭酸を注いでソーダ割り!炭酸にも負けないパンチの効いた味わいと爽快感がベストマッチ!

【おすすめおつまみ:ハムカツ】インパクトのあるふなぐちの味に飲み込まれないジューシーなハムカツでガッツリ系の晩酌に! 最後はソーダが油をキレイに流してくれます。

鶴齢 雪男 純米酒(青木酒造/新潟県)

  • 薄濁り色のガラスに白色で雪男が描かれたカップ酒

ラベルも味わいも大人気の雪男カップ酒! まさに雪のように滑らで優しい飲み口で、その中にお米の旨みもしっかり感じられます。雪男は山の守り神。厄除けとして登山やウィンタースポーツなどのアウトドアのお供にもいいですね!

【おすすめおつまみ:イカソーメン】つるんと滑らかな口当たりがお互いのおいしさを倍増させます。生姜がいいアクセントに!

鶴齢 フラワーカップ(青木酒造/新潟県)

  • 薄いピンク色でロゴと花柄が描かれたカップ酒

クリアな瓶にピンクの花びらがとてもかわいい! 晩酌酒として地元・南魚沼で永く親しまれているお酒です。芳醇辛口のシンプルな味わいはどんなお料理とも相性がよく、どんな飲み方でもおいしく飲むことができます。冷蔵庫に常備しておきたい1本です!

【おすすめおつまみ:たこ焼き】芳醇な味わいがソースとマヨネーズによく合います。色々な味で楽しめるたこ焼きであなただけのベストマッチを見つけてみてください!

おやじ極楽純吟(千代むすび酒造/鳥取県)

  • 黒い地色に白でロゴと目玉おやじが描かれたカップ酒

漫画家・水木しげるさんのふるさと、鳥取県境港市の千代むすび酒造が造る「ゲゲゲの鬼太郎シリーズ」。「こなき」「ねずみ男」「目玉おやじ」「鬼太郎」と4種類あるカップ酒から目玉おやじを選びました! 茶碗のお風呂に目玉おやじ、かわいいです。このお酒の魅力はなんと言っても鳥取県産米「強力」を使用していること。栽培が難しく、一時は姿を消した幻のお米です。ほのかに吟醸香も感じますが、おいしさのメインは深いコク。熱燗にしておいしいという強力の特徴もしっかり残っています。

【おすすめおつまみ:おでん】優しい出汁の味がお酒のコクを一層引き立てます。3割ほど残しておでんの出汁で割る「出汁割り」も最高!

三芳菊 純米吟醸 無濾過生原酒 白ぶどう(三芳菊酒造/徳島県)

  • ぶどうの木と女性が描かれたカップ酒

「ワイルドサイドを歩け」をコンセプトに掲げるロックな杜氏さんが造る三芳菊。常に独創的なデザインで「ジャケ買い」必死のラインナップが揃っています。もちろん見た目だけでなく、その味わいも素晴らしい! その中で選んだのがこの「白ぶどう」。まるで白ワインを飲んでいるかのようなジューシーな果実感は唯一無二です。後半の爽やかな苦味が味を全体的に引き締めています。日本酒の概念が変わる1本です!

【おすすめおつまみ:オリーブ】白ワインらしさをより感じるために王道のペアリングで!

出羽桜 吟醸缶(出羽桜酒造/山形県)

  • 黒の地色に金色のロゴが描かれたカップ酒

「吟醸酒ブームの火付け役」となった出羽桜のアルミ缶限定酒。ボリューミーな吟醸香が口の中にふわっと広がります。これ1本でしっかりと満足感が得られる贅沢な味わい。吟醸酒を飲みたい時は、これを選べば間違いなし!

【おすすめおつまみ:チーズ味のスナック菓子】濃厚なチーズと合わさり、より華やかな香りに!

にゃんかっぷ 純米吟醸(志太泉酒造/静岡県)

  • 黒色とグレー色の猫が描かれたカップ酒

ネコ好きにはたまらないカップ酒。飲み終わったらインテリアとしても優秀なデザインです!さらっとした飲み口でキレもよく、シンプルに旨い!見た目と味わいのイメージに違和感がなく、味を想像しやすく選びやすいのも魅力です。

【おすすめおつまみ:玉子豆腐】どちらもすっきりとした口当たりで飽きることのない組み合わせ。玉子豆腐の出汁が、控えめなお米の旨みを引っ張りだしてくれます。

男山 生酛純米(男山酒造/北海道)

  • 白いひし形の中にロゴ、周りに花が描かれたカップ酒

ラベンダー・カタクリ・エゾエンゴサク・エゾノリュウキンカ・キクザキイチゲなどの北海道の代表的な花が描かれた、男らしくもどこかかわいいデザイン。透明感のある舌触りですが、口に含むと芳醇な香りが鼻を抜ける完成度の高いお酒です。熱燗にするとさらに香りが立ち、ほっとする味になります。

【おすすめおつまみ:牡蠣フライ】クリーミーな牡蠣が生酛のコクを際立たせてくれます。

秋鹿 純米酒 バンビカップ(秋鹿酒造/大阪府)

  • 赤茶色のもみじと鹿が描かれたカップ酒

鹿と紅葉がとてもかわいい人気のカップ酒。この秋鹿、かわいいだけじゃないんです!蔵元さん自らお米を栽培し、造るお酒はすべて純米酒という強いこだわりを持つ、大阪を代表する酒蔵です。このバンビカップももちろん本格的な純米辛口。旨味と酸味をしっかり感じられる1本です。

【おすすめおつまみ:サンマの塩焼き】お互いの上品な香りを引き立て合う名コンビです。並べた時の見た目も美しい!

あなただけのお気に入りの1本を!

この記事では12種類のカップ酒をご紹介しましたが、まだまだおいしいカップ酒は全国各地にたくさんあります。自宅の近所や駅、空港、観光地、イベント会場など色々なところで販売されています。気に入ったデザインを見つけたらとりあえず買ってみて、あなただけのお気に入りカップ酒を見つけてください!

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