岩村醸造のできたて新酒を飲み比べ! 福女に選ばれた初代"女城主"の振る舞い酒も!【蔵開きレポート】
年が明け、各地の酒蔵から新酒の便りが届く季節となりました。
2026年1月8日(木)、岐阜県恵那市岩村町にある「岩村醸造」にて、できたての新酒を堪能できるイベントが開催されました。今回は、新年早々の賑わいを見せたこの「新酒まつり」の模様をお届けします。
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「女城主」岩村醸造が「新酒まつり」を初開催
“女城主”の里で銘酒を造り続ける岩村醸造
岩村醸造は、江戸時代後期の1787年(天明7年)に岩村城の城下町にて創業した歴史ある酒蔵。創業以来の「玲瓏馥郁(れいろうふくいく=透き通るように美しく輝き、良い香りが漂う)」を信条とした酒造りを守りながら、岩村の土地に根ざした真の意味での“地酒”造りを目指しています。
岩村の町のルーツとなっている岩村城は、大和(奈良県)の高取城、備中(岡山県)の松山城と並ぶ日本三大山城の一つに数えられる名城。戦国時代には織田信長の叔母にあたるおつやの方が女城主となって城下を治めていたことでも知られており、数々の逸話が今でも語り継がれています。岩村醸造の主要銘柄である「女城主」は、おつやの方へのリスペクトを込めて岩村城築城800年を記念して誕生。ラベルなどにもおつやの方の肖像が描かれています。
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酒樽にも女城主・おつやの方の肖像が描かれています
岩村醸造へ行くには、JR中央線「恵那」駅から明知鉄道に乗り換え岩村駅へと向かうルートが基本。今回訪問した1月8日は雪がうっすらと積もっており、車窓から幻想的な里の風景を楽しむことができました。
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明知鉄道で岩村駅へ
ちなみに明知鉄道では、毎年冬の時期に列車に揺られながら岩村醸造の日本酒を楽しめる「枡酒列車」を運行。こちらも定員がすぐにいっぱいになってしまうほど人気を集めています。「枡酒列車」の様子は過去のレポート記事でもご紹介していますので、ぜひ合わせてご覧下さい。
明知鉄道「枡酒列車」のレポートはこちらから
岩村城下町で「福女撰び」が初開催!
岩村城下町では、毎年1月8日に「八日恵比寿まつり」が開催されます。城下町の古い町並の一角にある「庚申堂」で神事や御神札の頒布が行われる他、豪華景品があたるくじ引きも行われるなど、新年を祝う初えびすの祭りとして地元の方々を中心とした多くの参拝者で賑わいます。
この「岩村八日恵比寿まつり」をさらに盛り上げようと、2026年初めて行われたのが「福女撰び」。全国のえびす神社の総本山である兵庫県西宮市の西宮神社にて毎年開催される「福男選び」をヒントに、 八日恵比寿まつりに合わせた“女城主の町”ならではイベントとして開催されました。
初開催となった「福女撰び」には約30名の女性ランナーが集結。初代「福女」の座を目指して、岩村の古い町並に設けられたおよそ500mのコースを全力で駆け抜けます。コースはかなりのアップヒルのため、“福女”に選ばれるためには相当の脚力が必要。参加者たちは念入りに柔軟を行うなど準備をしていました。
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スタートラインから500mの山道を登るハードなコース
午前10時30分にスタートが切られた福女撰び。登り坂を駆け上がり、初代の「福女」に選ばれたのは、中津川市から参加した浅野さんでした。
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初代・福女に選ばれたのは浅野さん
陸上の三段跳びの選手としても活躍している浅野さんは、後方4列目からの不利なスタートにもかかわらず、コース終盤で前を行く参加者を追い抜き、そのまま先頭でフィニッシュ。浅野さんは前日1月7日に恵那市の市神神社の例祭「七日福市」で行われたもう一つの「福女撰び」でも福女に選ばれており、初代にして“ダブル福女”となる快挙を達成しました。
「新酒まつり」で初代・福女が“女城主”として新酒をふるまい!
「福女撰び」が終わると、岩村醸造の「新酒まつり」が本格的にスタート。初代福女に選ばれた浅野さんも初仕事として蔵元である渡曾社長とともに鏡開きを行い、“女城主”として新酒を振る舞いました。
会場では仕事始めから間もない平日にも関わらず多くの日本酒ファンが行列を作り、縁起の良い新酒を受け取っていました。
この日振る舞われていたのは、岐阜県生まれの新しい酒造好適米「酔いむすび」を40%精米で醸した純米大吟醸酒。2週間前に搾ったばかりの生原酒はこの日この場所でなければ味わうことができない貴重な一杯です。
振る舞い酒を口に含んでみると、ほどよい吟醸香と磨き抜かれた純度の高い米の甘味が感じられ、酸味とのバランスが絶妙。後味がすーっと消えていくきれいなお酒で、岩村醸造が目指す「玲瓏馥郁」という言葉をそのまま形にしたような気品溢れる味わいを存分に楽しめました。福女である“女城主”から振る舞っていただいたことも合わせると、おいしさもひとしおです。
「新酒まつり」で新酒を満喫!
会場では振るまい酒以外にも日本酒の有料試飲も行われており、「新酒まつり」にふさわしく、できたばかりの新酒が5種類ラインナップされていました。
ゑなのほまれ 特別純米酒 しぼりたて原酒
「ゑなのほまれ」は岩村醸造の創業当時から続くブランド。日本酒の味わい要素の中で最も特徴的な「甘味」を重視し、その表現方法を追求して造られています。
今回いただいた「ゑなのほまれ 特別純米酒 しぼりたて原酒」も、口に含んだ瞬間にふわっとした米由来の甘味が広がるお酒。マスカットのような香りと、しぼりたての原酒ならではの力強さ、透明感のある上品さを同時に楽しめました。
特別本醸造 原酒 / 辛口純米 原酒
「新酒まつり」には、会場限定で楽しめるお酒も2種類登場。「特別本醸造 原酒」は、かつて「新米一番搾り」として醸されていた日本酒の復刻版です。原酒ならではの荒々しさがありながらも、淡麗辛口で飲みやすい日本酒に仕上がっていました。
もう一つの会場限定酒である「辛口純米 原酒」も、岩村醸造らしさが全面に出た、するっと飲めるきれいなお酒。冷やでも十分美味しかったのですが、燗酒にしたときが抜群!米ならではのふくよかな味わいが際立ち、おいしさが何倍にも膨らんでいました。
純米にごり酒 /おりがらみ 純米酒
蔵元での「新酒まつり」ならではのお酒として並んでいたのが「純米にごり酒」と「おりがらみ純米酒」の2種類。もちろん両方ともできたての新酒です。
「純米にごり酒」は、米のふくよかさが口いっぱいに広がるにごり酒ならではのおいしさ。冷やで飲むとほんのりと発泡感も感じられました。後味のキレが良いので、重たくなりすぎることなく飲み続けられるのもうれしいポイントです。一方で燗をつけてみると米のふくよかさが一層ふくらみ、ほっとする味わいに。小雪が舞う中でいただくとさらに美味しさが増しました。
もう一つの「おりがらみ 純米酒」も、岩村醸造らしさにあふれたお酒。米の旨味と上質のアロマがふわっと広がりながら、静かにすーっと消えていく後口が見事です。冷やで飲んでも燗をつけてもそれぞれのおいしさを楽しむことができました。
岩村醸造の蔵開きは試飲以外も楽しさがいっぱい!
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地元ならではの美味しいグルメも蔵開きの楽しみ
「新酒まつり」には美味しいグルメが楽しめるキッチンカーや屋台も多数出店していました。この日いただいた朴葉寿司には色とりどりの具材とともに飛騨牛もトッピング。ほどよい酸味と朴葉の香りがついた寿司飯とともにいただけば、日本酒がどんどんはかどってしまうのも仕方がありません。
また、会場では「枡積みチャレンジ」も開催。酒樽の上に“片手で”積んだ枡の数によって豪華な景品がもらえるとあって、大盛り上がりとなっていました。
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枡積みチャレンジでは30個以上積み上げる強者も!
風情溢れる古い町並で、日本酒を大満喫! 岩村醸造の蔵開きは2月・3月にも開催
古い町並の中にある岩村醸造の蔵開き。風情溢れる街の景色を肴に日本酒を楽しめるのが魅力です。ローカル鉄道に揺られながら小旅行気分も堪能できます。日本酒と旅が好きな方は、ぜひ2~3月の蔵開きに足を運んでみてください。
2~3月の蔵開き情報は岩村醸造株式会社のWebサイトにてご確認いただけます。
公式Webサイト https://www.torokko.co.jp/
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