世界最大級の日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION」が開催 2024年の"本当においしい市販酒"はどのお酒? 決審会場で話を聞きました

  • 唎酒をする複数の男性

今回で10回目となる世界最大級の日本酒コンペティション『SAKE COMPETITION(サケコンペティション)』。2024年の“本当においしい市販酒”を決める決審が、5月15日(水)16日(木)にザ・ペニンシュラ東京(東京都千代田区)で実施されました。全ての審査が終わった後で、審査員の方々に話をうかがいました。

<追記 2024年5月31日> 上位10%となる「上位入賞酒」が発表されました!

SAKE COMPETITION 2024 上位入賞酒 https://sakecompetition.com/result/topsake_2024.html

2024年のSAKE COMPETITION(サケコンペティション)について

  • 審査用紙に記入する手元

「純米吟醸部門」261点 (昨年 273点)
「純米吟醸部門」350点 (昨年 343点)
「純米大吟醸部門」334点 (昨年 333点)
「Super Premium部門」55点
「海外出品酒 部門」19点 (昨年 部門設定なし)が、酒蔵から出品されました。

審査員からのコメント

すべての審査を終えたばかりの審査員のうち、3名の方から話をうかがいました。

福島県酒造組合 特別顧問 鈴木賢二さん

  • 看板の前でインタビューにこたえる男性

出品酒の全体的な印象はどうでしたか?

鈴木さん  レベルが非常に高くなっています。製造、貯蔵、出荷の全てが洗練されていないと上位に入れない、という印象でしたね。適度に香りが高くて、それでいてマイルドな味わいのものが多かった印象です。

日本酒の魅力と、業界の展望をお聞かせください。

鈴木さん  日本酒の魅力はなんといっても、料理との“マリアージュ”。多くの方に「日本酒は美味しいんだ」ということを、再認識してもらいたいです。海外においても、日本食と共に、日本酒の需要が伸びていくと思っています。

司牡丹酒造株式会社 杜氏  浅野徹さん

  • 看板の前でインタビューにこたえる男性

審査された酒の印象は?

浅野さん  昨年に続いて米が硬い傾向にあり、溶かしながら造っていく、という点で苦労されたお蔵が多かったのでは、という印象でした。全体的なレベルは年々向上しています。香りが華やかで、綺麗で柔らかい味わいの酒がたくさんあると感じました。

今後の日本酒業界に思うことはありますか?

浅野さん  近頃、国内では若年層の消費が拡大しています。だから若い方や海外の方に、日本食と共に日本酒の魅力をより一層知っていただきたいです。ワインが主流のヨーロッパでも、アメリカのように日本酒の需要が高まっていけばいいな、と期待しております。

株式会社はせがわ酒店 代表取締役  長谷川 浩一さん

  • 看板の前でインタビューにこたえる男性

審査を終えて、今回の印象はいかがでしょうか。

長谷川さん  僕はこの酒類業界に入って40数年になりますが、かつてないほど原料米の品質が悪い年でした。危惧していたけれど、皆さん、技術力でカバーしていて、酒は例年通り良い出来でした。ただ甘みが強すぎる酒が多かった印象です。日本酒は食中酒ですから、今後はもう少し控えめになるよう願います。

サケコンペティションを開催する意義とは、なんでしょうか?

長谷川さん  昨年の純米酒部門で1位を獲得した「雪の松島」のように、まだ世に広く知られていないお酒が注目されるというのが面白い点だと思います。

今後の日本酒業界に期待するのはどんな点ですか?

長谷川さん  今回「海外出品酒 部門」もあり、注目をしています。日本国内の蔵元には、海外の醸造家たちからリスペクトされるようなお酒をつくり続けて欲しいです。
アメリカやアジアでは評価されつつありますが、ヨーロッパにいけば、「どこの国の酒?」と聞かれるほど認知されていないのが現状。世界中どこにでもあるワインのように、まずは知っていただくことが重要だと思います。

審査員も審査される唯一のコンペティション

  • 日本酒の審査をする複数の男性

「ブランドによらず消費者が本当に美味しい日本酒にもっと巡り会えるよう、新しい基準を示したい」という理念のもとに、2012年から始まったSAKE COMPETITION(サケコンペティション)。そのため、審査対象は市販日本酒のみ。審査方法は、銘柄を完全に隠し、日本酒の品質のみで競うことが徹底されています。ブランドや銘柄に左右されることなく、どんなブランドでも1位をとるチャンスがある品評会です。たとえまだ無名の銘柄であっても受賞すれば、酒販店から取引依頼が殺到。一般消費者からのニーズが高まり一躍人気酒となり、飛躍するチャンスをつかむことができるのです。 

それだけ影響力が大きい理由は、審査員も審査される厳密な体制にもあります。審査員は予審を勝ち進み決審へと進んだ酒に関しては、二度目の審査となります。そこで予審で「1」とつけた酒に決審で「2」をつけるなど、同じ酒への評価が異なると審査員本人が減点対象に。官能評価にブレがあり信頼性に欠ける人は、翌年以降審査員から外される、というほど厳しいものです。そのためSAKE COMPETITIONの結果はあらゆる事情に左右されず、純粋に酒質の良し悪しを判断した、非常に信頼性の高いものといえます。

審査員は、以下の通りです。

SAKE COMPETITION 2023 審査員 (予審22名・決審10名) 

【予審・決審
・福島県酒造組合 特別顧問 鈴木賢二さん
・高知県酒造組合技術顧問  上東 治彦さん
・株式会社新澤醸造店 代表取締役  新澤 巖夫さん
・来福酒造株式会社 代表取締役  藤村 俊文さん
・群馬県立群馬産業技術センター 食品・バイオ係 独立研究員(主幹) 武田文宣さん 
・株式会社はせがわ酒店 代表取締役  長谷川 浩一さん
・磯自慢酒造株式会社 製造部頭  山田 英彦さん
・月桂冠株式会社 醸造部グループリーダー  高垣 幸男さん
・京都電子工業株式会社  勝木 慶一郎さん
・司牡丹酒造株式会社 杜氏  浅野 徹さん 

【予審のみ】
・株式会社みいの寿 専務取締役  井上 宰継さん 
・平和酒造株式会社 取締役杜氏 柴田英道さん
・大澤酒造株式会社 専務取締役杜氏 大澤実さん
・石鎚酒造株式会社 取締役製造部長 越智稔さん
・株式会社せんきん 専務取締役 薄井一樹さん
・株式会社若竹 東京港醸造 取締役杜氏 寺澤善実さん
・白鶴酒造株式会社 品質保証部 次長 明石貴裕さん
・加茂錦酒造株式会社 製造責任者  田中悠一さん
・木屋正酒造株式会社 代表取締役  大西唯克さん
・株式会社今田酒造本店 取締役杜氏  今田美穂さん
・小林酒造株式会社  小林麻由美さん
・株式会社吉村秀雄商店 杜氏 藤田晶子さん

日本一の市販酒が決まる6月12日が見逃せない!

  • 表彰式の壇上にあがる複数の男性と女性

    2023年表彰式の様子

6月12日(水) にザ・ペニンシュラ東京にて最終結果の発表及び表彰式を予定しています。プロの厳しい目でジャッジされたより狭き門をくぐり抜ける、本当においしい酒はどれなのか?受賞した酒蔵には世界中から注目が集まります。

SAKE COMPETITION 2024開催概要

予審会:2024年5月14日
決審会:2024年5月15日・16日
結果発表および表彰式:2024年6月12日 

主催:SAKE COMPETITION実行委員会
特別協賛:ダイナースクラブ
協賛:日本航空、リーデル
ホテルパートナー:ザ・ペニンシュラ東京
協力:JA全農おかやま、新中野工業株式会社、JAPAN CRAFT SAKE COMPANY CO.,LTD
メディアパートナー:株式会社BSーTBS
後援:国税庁、農林水産省、内閣府知的財産戦略推進事務局
運営:株式会社サニーサイドアップ、株式会社はせがわ酒店

評価基準と審査方法について

  • アルミ箔で覆われた日本酒の瓶がテーブルの上に複数並んでいる

審査員は、米からできたお酒らしい香りや味わいから逸脱していないかを問う「清酒としての品格」、飲んで楽しむお酒として優れているかを問う「飲用酒としての適性」の2点を基準として総合的に評価します。各部門の上位10 点は GOLD 。GOLD 以下の部門上位 10%には SILVER が授与されます。 

現在、予審から決審に進んだお酒がオフィシャルサイト上で公開されています。
https://sakecompetition.com/

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