名古屋の街中で日本酒を醸す 地元に愛され続ける金虎酒造~SAKETOMO的酒蔵見学・愛知編⑤

名古屋の街中に酒蔵があるのをご存じでしょうか? 第5回の「SAKETOMO的酒蔵見学・愛知編」で訪れたのは金虎酒造(名古屋市北区)。名古屋市内に5つある酒蔵のひとつで、地下鉄・JR・名鉄瀬戸線が集まる名古屋の北の主要駅・大曽根駅から歩いて10分という立地で日本酒を造り続けています。 

創業は江戸時代末期。旧山田村(現在の名古屋市北区山田)で酒造りを始めた金虎酒造は、小規模な体制ながら品評会などで数多くの受賞歴を持ち、名古屋の酒好きに支持されてきました。さらに、現在は若き杜氏が中心となって新しい取り組みにもチャレンジしており、注目を集めています。

  • 杜氏と蔵元

    お話を聞いたのは、金虎酒造の7代目・専務取締役 水野善文さん(右)と、杜氏木村伸一さん(左)

金虎酒造株式会社(名古屋市北区)
https://kintora.jp/

目 次

かつては酒蔵から名古屋城も見えた街の中の酒蔵・金虎酒造

金虎酒造の創業は江戸末期にあたる弘化2年(1845年)。名古屋城下から中山道・中津川方面へと続く脇街道であった善光寺街道の入り口にあたる山田村(現在の名古屋市北区山田)の庄屋的な立場にあった大阪屋善兵衛が酒造りを始めました。 

このあたりは江戸時代の頃は「山田」という地名が示すとおり田んぼが広がっており、酒造りに必要な米や水の確保もしやすく、さらに街道沿いにあり物流面でも恵まれていました。

  • 金虎酒造の外観

    名古屋市北区山田にある金虎酒造。かつての「善光寺街道」は、現在も国道19号線として名古屋と岐阜東濃~長野方面を結ぶ重要な交通経路となっている。

明治、大正、昭和と時代が移り、街が発展していく中でも同じ土地で酒造りを続けてきた金虎酒造。かつては酒蔵から名古屋城も見えたそう。そこで昭和の初め頃に、名古屋城のシンボルであった「金鯱」と、三代目が寅年であったことから「金虎」という銘柄を掲げるようになりました。 

しかし、第二次世界大戦の最中、名古屋城も焼け落ちてしまった昭和20年5月の名古屋大空襲にて、金虎酒造も一部の土蔵を除きほぼ全て焼失してしまう壊滅的な被害を受けました。建物はもちろん、資料などもほとんど何も残らなかった程の甚大な被害だったそうですが、終戦後、払い下げになっていた工場を犬山市から移築して蔵を再建。タンクなどの製造設備も調達し直して酒造りが再開されたそうです。 

都市化が進む名古屋の街で日本酒を造り続けている金虎酒造。酒蔵巡りをする人からも「これだけ街中で酒造りをしているのは珍しいね」と言われることもあるそうです。

金虎酒造は名古屋の中でも中心部に最も近い街中にありますが、そうした場所で酒造りを行うことはどんなメリットがありますか?

水野さん

「飲み手との距離が近い」というのが街中にある一番大きなメリットだと感じています。蔵で年に3~4回イベントを開催していますが、電車の駅から歩いて10分ほどなので、イベントでお酒を楽しんで歩いて帰ってもらうことができます。

木村さん

気候的な面でいうと名古屋での酒造りは「カビない」という大きなメリットがあります。冬の名古屋は非常に乾燥するため、酒造りの悩みとなるカビが発生しづらいんです。都心部なので虫も少なく、虫が運んでくる雑菌も必然的に少なくなります。さらに金虎酒造では分厚いコンクリートで覆われた二階建ての建物を仕込み蔵として使っていため、清潔で風の抜けも良く、さらに昼と夜の温度差が少ない、という良い酒造りができる環境が揃っています。

  • 酒蔵の内部

    金虎酒造の蔵の内部。2階部分は風通しが良い造りになっている。

水野さん:一方で、街中にあるが故の難しいこともあります。例えば、仕込みの時期にお米を蒸す際に発生する白い蒸気を煙と勘違いした方が通報してしまい、消防車が来てしまったり(笑)

 もう一つ悩ましいのが「水」についてのイメージです。金虎酒造では水道水を三段階で濾過したものを使用しているのですが、水道水を使っているというとネガティブな印象をもたれがちです。酒造りには湧き水や井戸水が良いというイメージがあるのですが、実際には名古屋市の水道水も酒造りに非常に適した水質となっているんです。 

お酒を発酵させる時には水の中に含まれるミネラル分が多すぎても少なすぎても良くないのですが、名古屋の水道水はこのバランスが非常に良いんです。水道水であるからこそ水質も安定しています。名古屋の水道水で仕込んだ金虎酒造のお酒が鑑評会で何度も受賞していることが、こうした場所でも良い酒造りが出来ると言うことを何よりも証明してくれています。

  • 水道の蛇口とろ過装置

    金虎酒造で実際に使われている濾過装置の一部。もともと水質が良い名古屋市の水道水を3段階濾過することで美味しいお酒が出来上がる。

杜氏・木村さんが担う酒造りの伝統

越後杜氏の技をベースとして酒造りを受け継いできた金虎酒造。現在は杜氏である木村伸一さんを中心として酒造りを行っています。名古屋生まれの木村さんは、バイオテクノロジーの専門学校を卒業後に知多半島の酒蔵に就職。日本酒造りの世界へと足を踏み入れました。

  • 杜氏木村伸一さん

    杜氏木村伸一さん

木村さんが日本酒業界に入ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

木村さん : もともと微生物学が好きだったこともありバイオテクノロジー系の専門学校に進学したのですが、ちょうど就職氷河期で、就職先を見つけることだけでも難しいタイミングでした。そんな時、日本酒業界とパイプのある先生がいて、「行き先がないやつは酒蔵を紹介するよ」と言われたことがきっかけです。 

また、その頃、新潟から出稼ぎで来ていた杜氏さんたちの高齢化が進んでおり、地元の若い人たちを雇用して次世代の杜氏として育てていこうという流れもありました。そういうこともあり、東海エリアでは現在でも同じ学校出身の杜氏が多いんです。28歳の時に最初の酒蔵で杜氏となり、その後平成26年に金虎酒造に移りました。 

興味本位もあって入った日本酒業界ですが、今となっては本当に天職に巡り会えたと思います。

木村さんが酒造りにおいてこだわっているポイントはどこでしょうか?

木村さん :「初めて飲んだ人でも美味しく感じられる日本酒」であることにこだわっています。説明を受けて美味しいお酒ではなく、一口飲んで「美味しい!」と思ってもらえるようなお酒が目標ですね。自分自身、最初に日本酒の魅力に惹かれたポイントが、越後杜氏である親方が作る「飲みやすい日本酒」でしたので、その時に自分が感じた想いを飲んだ人たちにも感じて欲しいと思っています。

水野さん :もともと金虎酒造で酒造りを担っていた杜氏も越後杜氏だったこともあり、ベースとなる味作りの狙いが木村杜氏のものと非常に近かったんです。また、当社に来る前からこの地域では若くて良い酒を造る杜氏として有名だったのでスカウトしました。

「初めて飲んだ人でも美味しく感じられる日本酒」というのは、具体的にはどのような特徴のお酒になるのでしょうか?

木村さん :親方からベースとして学んだのは「淡麗辛口」のお酒です。といっても、水みたいに薄っぺらな味わいのお酒ではなく、きちんとお米の旨味があった上で後口がシュッときれるのが本当の「淡麗辛口」だと教わりました。 

きちんと旨味があるのに淡麗な飲み口にするために必要なのが「甘い」「辛い」「酸っぱい」「苦い」「渋い」という「五味」のバランスを整えることです。この五味のバランスがきれいに整っていれば旨味があっても雑味に感じることがない、つまり「淡麗」になるという親方の教えを今でも守っています。 

そのために大切なのが麹造りです。金虎酒造では造るお酒に合わせて床麹と箱麹の二つの方法を使い分けて麹を造っていますが、このうち箱麹については一般的に使われているものの半分のサイズの箱を使っています。麹造りの間は昼夜問わず24時間つきっきりで様子を見ながら作業しなければならないのですが、一人でも運びながら作業ができるように小さな箱を使っています。

  • 麹室の様子

    金虎酒造の酒造りに欠かせない麹室。シーズン中は泊まり込みながら24時間つきっきりで麹の世話を行っている。

金虎酒造の日本酒は全国新酒鑑評会でたびたび金賞を獲得するなど、日本酒に関する様々な賞を受賞されています。これらの受賞の原動力はどのようなところにあるのでしょうか?

木村さん :より良いお酒を目指して毎年少しずつお酒の造り方を変えているのですが、本当に改善に繋がったかどうかは自分だけでは判断に悩むことがあります。その時に、前年も金賞が獲得できて今年も金賞を獲得できたとなれば、その年の造りを一定のレベルで保つことができたという一つの目安にすることができます。 

水野さん :毎年連続して受賞しているので木村もプレッシャーがあると思いますが、自分もいっしょにドキドキしています。お酒を売る側の立場としては連続して受賞してもらっているのは一つの大きな武器になるので非常にありがたいです。 

木村さん :自分としてはプレッシャーがあってあたりまえの状態が20年以上続いていますので、逆にそれが普通ですね。名古屋の水道水を仕込み水で使っていることや都市の中で酒造りをしていることがプラスになって良いお酒が出来ていると説明しても、証明できるものがないとなかなか信用してもらえません。しかし、自然豊かなところで造ったお酒と競い合って毎年金賞が獲れているということは、金虎酒造のお酒の良さに対する一つの証明に繋がっていると思っていますし、そうした部分を含めての造りに対する一つの確認になっていると思います。

  • 賞状

    全国新酒鑑評会金賞の賞状と受賞酒「虎変」

「金虎」と「虎変」、そして未来へと向かう酒造り

金虎酒造では「金虎」と「虎変」という2つの代表銘柄がありますが、まずは「金虎」についてどのようなお酒なのかお聞かせ下さい。

水野さん :「金虎」は昭和の初めから金虎酒造で造り続けている日本酒です。先々代からずっと作り続けている味をベースとして、木村杜氏がいろいろ改善しながら現在でも造っています。味わいとしては淡麗辛口で、食中酒として楽しんでいただけます。 

金虎のラインナップの中で特徴的なものが「名古屋城本丸御殿」と「名古屋城」です。「名古屋城本丸御殿」は父が造り始めたお酒で、本丸御殿の復元活動に初期から関わっていたこともあり「味で本丸御殿を復元する」というコンセプトで造り始めたものです。酒米は夢山水を使っています。非常にキレのいい純米大吟醸で、香り華やかで舌触りも柔らかく、喉ごし良くスルっと飲める金虎を代表するお酒の一つです。料理ではオードブル的なものや白身のお刺身がよく合います。 

4年前からラインナップに加わったのが「名古屋城」で、名古屋の人はもちろん、観光などで名古屋に来た方たちにも飲んで欲しいという想いを込めた商品です。本丸御殿との違いは、石垣の上に立っている城郭の重厚さをイメージに取り入れていることです。「名古屋城」は酒米に夢吟香と夢山水を組み合わせて使っていますが、木村杜氏の発案で日本酒の三段仕込みの中で一回ずつ米を入れ替えながら仕込み、より味に深みが出るよう工夫しています。金虎酒造ではこれを「石垣製法」と呼んでいます。香りは「本丸御殿」と同じように華やかなのですが、「名古屋城」は重厚感のあるテイストと長く余韻が続くところに特徴あります。料理ではサーモンや鴨肉など少し脂のあるものとの相性が良いです。 

金虎の本醸造酒は常温や燗酒で召し上がっていただくと甘辛系のおつまみが合わせやすいです。名古屋めしだとひつまぶしとの相性がいいです。

  • 日本酒とトロフィー

    「金虎」シリーズの一つ「名古屋城」はワイングラスで美味しい日本酒アワード2023でも最高金賞を獲得

「虎変」は比較的最近の銘柄とのことですが、こちらはどのような経緯で誕生したのでしょうか?

水野さん :「虎変」は平成24年に誕生した新しい銘柄です。誕生のきっかけとなったのは「名古屋おもてなし武将隊」です。当時の企画として武将隊の一員である加藤清正が酒蔵を巡って取材をしながらオリジナルの日本酒造りをするというプロジェクトがありました。「武将隊でお酒を造りたいのですが……」と電話がかかって来たときには、いったいどういうことなのかと驚きました(笑) 

実はそのお話を頂いた頃「日本酒ブームが来ている中で、今の金虎のラインナップでは弱い。新しいお酒を造っていこう」と社内で話していたところでした。そこで「1回きりの企画ではなく、新しいお酒を一緒に造るという形ならいいですよ」という提案をして、1年間に渡って新しい酒造りを行いました。銘柄の名前をどうするか、お米をどれにするか、酵母をどれにするかといったことなども加藤清正さんと一緒に考え、生まれたのが「純米吟醸 虎変」です。「虎変」のラベルに使われている書もその当時にご縁を頂いた書道家の金澤翔子さんに書いていただきました。 

最初は純米吟醸から出発した「虎変」ですが、現在は、純米吟醸と大吟醸、そして木村杜氏が昔から造りたいとこだわってきた特別純米というラインナップになっています。「特別純米 虎変」に関しては木村杜氏が言う「理想の淡麗辛口」を体現しているお酒になっています。

  • インタビューに答える男性

    「金虎」「虎変」について話す水野専務

「虎変」のおすすめの飲み方や合わせてほしいおつまみを教えてください。

水野さん :純米吟醸に関してはほどよく冷やして飲んでもらえればいいかなと。魚介類を中心にタコやイカ、白身の魚、焼き魚などが合わせやすいです。特別純米はブリの照り焼きや煮魚といったものとも相性が良いです。肉であれば鶏肉などの脂っこくないさっぱりとしたものが合わせやすいです。

日本酒の未来へと向けた金虎酒造の挑戦

金虎酒造では新しい取り組みも行われていますが、その軸となっている「キントラチャレンジタンク」についてお聞かせください。

水野さん :もともとは木村から「新技術のお酒を造りたい」という要望があったのがきっかけです。最初は「現代型生酛」と呼ばれる乳酸菌を添加した速醸酛での酒造りからはじめました。 

これをどうやって売ろうと考えた結果、「こういうものを造ります」ということを発表してそれを少量数限定で販売するという形をとったのが「キントラチャレンジタンク」です。以降、毎年いろいろなテーマで行っています。

  • 棚に飾られた日本酒

    「キントラチャレンジタンク」では、毎年様々なテーマで新しい酒造りが行われている

これまでの「キントラチャレンジタンク」から生まれた新しい商品は何かありますか?

水野さん :焼酎用の白麹を使った日本酒「KOTORA-citric」がキントラチャレンジタンクから生まれました。その時のテーマが「低アルコール純米酒」で、外国の人たちでも楽しめるよう、従来の日本酒とは味のバランスをあえて変えて洋食などの普段日本酒に合わせないような食事と合うお酒ができないかというチャレンジでした。その時に造ったのが、従来の日本酒造りにも使われる黄麹を使った甘口タイプと、焼酎用の白麹を使った辛口の2種類のお酒で、そのうちの辛口の方が元になって「KOTORA-citric」ができました。 

木村さん :白麹は食べると酸っぱいと感じるほどクエン酸を多く出すため、白麹を使った日本酒はクエン酸の多いお酒になります。また、独特の香りが出るのも特徴です。日本酒を低アルコールで造るとどうしても日本酒度がマイナスになるので、辛口に仕上げるなら酸を出した方がいい、それならば白麹を使う方がいいだろうと試してみました。

 水野さん :チャレンジタンクで造った時は甘口も辛口も人気を二分するぐらいどちらも好評だったのですが、白麹を使った辛口タイプの方が今までのラインナップとはかなり離れていて特徴もあるので、こちらを「KOTORA-citric」という形で商品化しました。実は甘口タイプの方も「KOTORA-sweet」としてラベルだけ造ってはいるのですが、当面商品化の予定はありません。

  • KOTORA-citricの瓶

    KOTORA-citric

金虎酒造ではもう一つ「PinkyTiggy」も話題になっていますが、こちらはどのようなお酒でしょうか?

水野さん :「PinkyTiggy」は金虎酒造のにごり酒と「きんとらうめ酒ローゼル」を合わせたカクテルタイプのお酒で、リキュール類のカテゴリになります。実は「PinkyTiggy」は偶然から生まれたお酒で、ある方の主催で金虎の梅酒を様々な料理でいただく会が行われた際ににごり酒と「きんとらうめ酒ローゼル」を持ちこんだところ、会の後半で良い気分になったお客さんが2つのお酒を混ぜたんです。「きんとらうめ酒ローゼル」はハイビスカスローゼルというハーブを漬け込んだ真っ赤な色が特徴のうめ酒なのですが、それが白いにごり酒と合わさることでピンク色のお酒になったんです。それがすごくきれいで、飲んでもすごく美味しいという気づきを得たところから商品化しました。

  • PinkyTiggyの瓶

    PinkyTiggy

今後チャレンジしていきたいことはありますか?

木村さん :技術屋としての自分の個人的な目標になりますが、「将来、自分の息子と一緒に飲みたい」というのを目標に持っています。お酒が飲めるようになるまではまだ10年以上ありますが、息子が初めて自分が造った日本酒を飲んだときに「美味しい」と言ってもらえるようなお酒が理想であり目標です。だからこそ子どもと飲むときに恥ずかしくないものを造っていかないとと思っています。

 水野さん :チャレンジタンクではナカモさんと取り組んだ「つけてみそかけてみそ」に合うお酒や、山盛酒造さんと取り組んだ麹を交換しての酒造りといったようなコラボ系の取り組みの機会もあればいいなと思っています。日本酒業界それ以外でも、そうした連携の機会を増やしていければと思っています。

最後になりますが、改めて酒造りに対する思いや今後の目標についてお聞かせください。

水野さん :「虎変」の立ち上げからおよそ10年になりますが、まだまだ道半ばだなと感じています。木村杜氏も毎年本当に良いお酒を造ってくれているので、多くの人たちにもっと楽しんでもらえるよう一段階上を目指さなければいけないなと思っています。その中で「虎変」もさらに変革をしなければならないというのが今課題に感じているところです。 

新しいやり方を模索しながらもっと多くの人たちに「金虎」「虎変」を飲んでいただけるよう頑張っていきたいと思います。

名古屋の街の発展とともに進化を続ける金虎酒造

名古屋市の中心部に最も近い酒蔵である金虎酒造。第二次世界大戦での戦禍を乗り越えて受け継がれてきた越後杜氏の技術を忠実に守り、杜氏の木村さんが中心となって「淡麗辛口」の王道を行く酒造りが現在でも行われています。 

取材中に最も印象に残ったのは「名古屋市の水道水はきちんと濾過をすれば酒造りに適している」ということ。酒造りと言えば「自然豊かな環境の中で湧き水や井戸水で仕込んだものが美味しい」というイメージがどうしてもついてしまいますが、本質的に酒造りに向いた水であれば必要な手当てを行うことで美味しい日本酒ができる、それは金虎酒造が数々の賞を受賞してきたことが何よりも証明しています。

 7代目を担う専務取締役の水野さんと杜氏として酒造りの先頭に立つ木村さんの二人三脚で進む金虎酒造のさらなる挑戦。いつの日かキントラチャレンジタンクから新時代の日本酒スタンダードが生まれるかもしれません。

金虎酒造をもっと知りたい人のための直売所・酒蔵見学・イベント情報

  • 直売所の店内

直売所 営業時間 10時~17時、土日祝休、お盆・年末年始休みあり。12月と2月は土日も営業。詳細は各種SNSにてご確認ください。

酒蔵見学 原則なし。一部のイベント時に酒蔵見学を行っている。

イベント 酒蔵開放イベントとして、4月初旬に「桃虎祭」、9月~10月に「虎変披露祭」を開催。5月には酒蔵見学ツアー「虎バル」を開催

その他にも自主イベントを企画・開催予定。イベントの詳細はWebサイトや公式SNS(Facebook Twitter)にてご確認ください。

水野さん

金虎酒造と同じ町内には山田天満宮があります。学問の神様である菅原道真を祀っていますが、最近は境内にある「金神社」が、お金や宝くじ財布を洗うと金運が良くなるといわれ人気があります。

毎年1月25日に開催される「うそ替え神事」では、山田天満宮の境内で採れた梅でつけた梅酒をこの日限りで限定販売しています。

また、大曽根商店街には「佐野屋」「みのや北村酒店」という立ち飲みができる酒屋さんがありますし、最近はクラフトビールを醸造している「BREWPUB OZONE」さんも人気です。

「金虎」「虎変」が買えるお店

金虎酒造Webサイトにてご確認ください。オンラインストアでも購入可能です。

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