危険な美味しさ! SNSで話題の「カステラの日本酒浸し」、どのお酒が一番合うか検証してみた

  • 菊水酒造「ふなぐち」とカステラ

近頃、お酒好きのあいだでブームとなっている、カステラの日本酒浸し。少しお酒をかける程度ではなく、カステラを日本酒にどっぷりと浸して食べる方法が、SNS上で話題になっています。

日常的に日本酒を飲んでいるお酒好きライターの私、実は一番好きな日本酒の飲み方は、居酒屋メニューよりもスイーツやフルーツなどの甘いものと合わせる方法です。

そこで今回は、数種類の日本酒を用意し、どれが一番日本酒と合うのか、禁断の検証を行いレポートします!

SNSでバズっていた、日本酒×カステラの組み合わせ

2025年10月頃、お酒のECサイトを運営する「クランド(KURAND)」や新潟県新発田市の老舗酒造メーカー「菊水酒造」がXにて紹介し、一躍話題になったのが「カステラを日本酒に浸す」という楽しみ方。

禁断の美味しさとしてバズを生み出し、それから1ヶ月以上たっても、SNS上には実際に試してみた人の投稿があとを絶ちません。「カステラ以外のスイーツでも美味しいのでは?」と、さらにアレンジの幅が広がる一面も見受けられました。

どの日本酒が一番合う? 菊水「ふなぐち」で、禁断の検証をいざ実施!

Xの投稿を見ると、クランドも菊水酒造も口を揃えて「危険なので絶対に真似しないように」「非常に危険です」と発信しています。そんなに危ない美味しさと知ると、余計に試してみたくなってしまうのが、人間の性。
且つ、せっかく試すのであればどの日本酒との組み合わせが一番美味しいのかも気になります。

そこで今回は、菊水酒造の看板商品「ふなぐち」を数種類並べて、禁断の検証をやってみることにしました! 菊水酒造のXにあった「特にざらめ付きのカステラは危険なので、絶対にやらないでください」の啓蒙を参考に、しっかりとざらめが付いたカステラを用意して検証します。

  • ザラメ入りのカステラと、菊水酒造「ふなぐち」

その① 菊水 ふなぐち

  • 菊水酒造「ふなぐち」

まずは王道の、スタンダードなふなぐちから。カステラを浸す前に、まずはそのままいただきます。

  • ふなぐちを飲む手元

コク深い味わいと原酒ならではのフレッシュさが共存し、コンビニでワンコイン以内で買えるとは思えない美味しさです。後味には、ほのかに甘味も感じられます。

では、さっそくふなぐちにカステラをINしてみます。

  • カステラをふなぐちに浸す手元

お酒の甘味とカステラの甘さが絡み合い、絶妙な美味しさです! ふなぐちシリーズはどれもアルコール度数19%となかなかパンチがありますが、カステラのふんわりとした甘さに包まれて、お酒単体で飲むよりもアルコール感が和らぎます。

日本酒や酒粕で作ったパウンドケーキなどが各所から販売されていますが、それに近いTHEお酒スイーツな味わいです。

その② 菊水 熟成ふなぐち

  • 菊水酒造「熟成ふなぐち」

続いて熟成ふなぐち。吟醸で仕込み、蔵で1年以上低温熟成しているお酒なのだとか。缶の中を覗くと、お酒の色が濃いのが特徴的です。

  • 菊水酒造「熟成ふなぐち」の色

まろやかな口当たりと、古酒を思わせるような濃厚な味わい。個性が強めなお酒なので「カステラと上手く絡むのだろうか……?」とドキドキしましたが、意外にも違和感なく馴染んでくれました。カステラの卵の風味にコクが足され、お酒単体で飲むよりも熟成酒ならではのクセが和らぐように感じます。

……そして、ここでもうひとつ、ふなぐちの魅力に気がついてしまいました。カステラにたっぷりと染み込ませた日本酒が滴ってしまい、若干の食べにくさを感じていたのですが、ふなぐちには便利なフタが付いているじゃありませんか!

  • 菊水酒造「ふなぐち」のフタにお皿にしてカステラを置いている様子

フタをお皿代わりにすれば、お酒をこぼすことなく楽しめます。

その③ 生原酒 菊水 薫香ふなぐち

  • 菊水酒造「薫香ふなぐち」

お次は薫香ふなぐち。酒粕から香り高い焼酎を造り、醸造アルコールの代わりに加えて醸したお酒です。口に含むと、ややスモーキーな香りとどっしりとした味わいを感じました。熟成ふなぐちよりと比べると後味はあっさりめですが、香りに特徴があります。

浸してみると、日本酒の香りがカステラのふんわりとした香りを上回り、かなり大人な味に。美味しいのですが、個性が強めなので好き嫌いは分かれるかもしれません。

その④ 菊水大吟醸ふなぐち

  • 菊水酒造「大吟醸ふなぐち」

ここからは限定酒をいくつか試してみます。こちらは、ふなぐち50周年を記念して造られた大吟醸ふなぐち大吟醸ならではの華やかな香りと、原酒のフレッシュさをいっぺんに楽しめる贅沢な1本です。これはカステラともよく合いそうで、期待が膨らみます!

  • カステラを「大吟醸ふなぐち」に浸す手元

思ったとおり、これは大正解の組み合わせ。スーパーで購入した素朴なカステラが、華やかな香り広がる上品なケーキに早変わりしました!

ざらめのジャリジャリとした食感も、よいアクセント。ふなぐちのフルーティーな香りとざらめの甘さが口いっぱいに広がって幸せな気分に浸れます。個人的には、カステラと合わせるなら大吟醸ふなぐちが1番美味しいと感じました。

その⑤ 菊水 新米新酒ふなぐち

  • 菊水酒造「新米新酒ふなぐち」

最後は新米新酒ふなぐち。この秋に収穫したての新米を100%使用した、季節限定商品です。実は私、ここまでの4種のふなぐちは過去に飲んだことがあったのですが、新米新酒ふなぐちは初めてです。

まずはお酒そのものの味を楽しんでみましょう。

  • 菊水酒造「新米新酒ふなぐち」の色

すっきりとしていて、高アルコールなのにとても飲みやすい印象。アルコール度数はほかのふなぐちと同じ19%なのに、なぜかこの新米新酒ふなぐちは、原酒特有のツンとしたアルコールの香りをあまり感じませんでした。お酒単体としては、ふなぐちの中でこちらが1番好きな味かもしれません。

では、カステラをIN。

  • カステラを「新米新酒ふなぐち」に浸す手元

お酒にクセがないので、カステラと合わせても違和感がありません。しかし、その分相乗効果もあまり感じなかったので、この2つは別々でいただいたほうが、それぞれの良さを感じられそうです。

罪深きその美味しさ、ぜひ楽しんでみて

日本酒の楽しみ方が広まるきっかけにもなった、カステラの日本酒浸し。「日本酒といえば和食」「割らずにストレートで飲むもの」との印象を持っていた人にとっては意外な食べ方かも知れませんが、日本酒はこのように自由な楽しみ方ができるお酒なのです。
今回は「ふなぐち」で試してみましたが、みなさんも好きな日本酒と組み合わせて、禁断の美味しさをぜひ味わってみてくださいね。

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