酒粕を使った簡単おつまみレシピ4選 焼くだけ! 混ぜるだけ! 入れるだけ! 漬けるだけ! で完成

冬は各酒蔵から続々と「しぼりたて新酒」の頼りが届く季節です。新酒ができる時期にもう一つできるのが「酒粕」。蒸し米と仕込み水を麹と酒母の力で発酵させた「醪(もろみ)」から日本酒を絞った後に残る、日本酒造りの副産物です。
酒粕には日本酒の原料である米や麹、酵母などに由来する栄養素がたくさん含まれている「発酵食品」。特にビタミンB群や食物繊維、ミネラル、各種アミノ酸が豊富で、酒母=酵母が大量に含まれていることも合わせて健康や美容にもいいと言われています。
そんな酒粕ですが、いざ食べてみようと思っても「甘酒」か「粕汁」ぐらいしか食べ方が思いつかないという方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、料理研究家でもある筆者が日本酒にピッタリ合う「簡単にできる酒粕おつまみレシピ」を4つご紹介。「焼くだけ」「混ぜるだけ」「入れるだけ」「漬けるだけ」でできる絶品おつまみ、ぜひ家飲みの機会にお試しください。

  • 器に盛られた酒粕

○○するだけ! 日本酒にピッタリな簡単「酒粕おつまみ」レシピ4選

今回の「酒粕おつまみ」レシピには名古屋市北区で日本酒造りを行っている「金虎酒造」さんからご提供頂いた酒粕を使っています。酒蔵や日本酒の造り方、絞り方よって酒粕には個性が生まれます。レシピに記載の分量はあくまでも参考程度とし、料理する際に適宜加減をお願いします。

「金虎酒造」について詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください

  • 袋に入った板状の酒粕

酒粕には板状になった「板粕」とバラバラになった「バラ粕」がありますが、今回ご紹介するレシピでは「板粕」と明記しているもの以外はどちらを使ってもOKです。
板粕を切り分ける際には袋のまま包丁の背を当てると簡単。必要な分量の板粕を取り出しながら、残りを袋の中でそのまま保存することができます。

  • 酒粕を包丁で切る様子

酒粕レシピ① 焼くだけ「焼き酒粕のピリ辛五平餅風」

  • 焼き酒粕

酒粕の定番メニューの一つが「焼き酒粕」。板状になった酒粕をフライパンやトースター、時にはストーブの上で焼き、砂糖などをまぶして食べる「焼き酒粕」は昔から親しまれてきた食べ方です。
今回はそんな「焼き酒粕」を日本酒にピッタリなおつまみとしてアレンジ。混ぜるだけで簡単にできるピリ辛味噌だれを載せてトースターでこんがりと焼けばあっと言う間に「焼き酒粕のピリ辛五平餅風」の出来上がり。酒粕は米からできている発酵食品なので、味噌だれとの相性は抜群なんです。

【材料(作りやすい分量)】

酒粕(板粕) 100g程度

A. チューブ入りの味噌だれ 大さじ2程度

A. すりゴマ 大さじ1~2程度

A. 一味唐辛子(あればチューブ入りの粗切り唐辛子) お好みで少々  

【作り方】

1. 酒粕(板粕)を食べやすい大きさに切り分けます。

2. Aの材料を全部混ぜ合わせてピリ辛味噌だれを作ります。

3. 2の酒粕に味噌だれを載せ、トースターで4~5分程度焼いて完成です。


 
【美味しく作るためのポイント】
・酒粕を焼くときにはクッキングペーパーの上に載せると網にくっつくことなくきれいに焼くことができます。
・板粕に厚みがある場合には軽く伸ばして薄めにすると上手に焼くことができます。
・酒粕のお酒臭さが気になる場合には、切り分けた酒粕を30秒~1分程度電子レンジで温めてから味噌だれを載せて焼くと良いでしょう。

酒粕レシピ② 混ぜるだけ「酒粕白和え」

  • 酒粕白和え

和風の定番惣菜「白和え」に酒粕を加えて作るだけで、日本酒がすすむ絶品おつまみ「酒粕白和え」に大変身!酒粕の香りをフワッと感じながら美味しさがしっかりある大人風味の白和えです。
今回はにんじん、きゅうり、ピーマンで作りましたが、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜や、しめじなどキノコ類を使ってもOK。いろんなアレンジで自分好みの「酒粕白和え」を楽しんでください。

【材料(作りやすい分量/小鉢3~4つ分)】

きゅうり1本

にんじん小1本(中なら半分)

ピーマン1個

塩 少々

酒粕 50~75g(豆腐に対して3分の1~半分程度)

A. 豆腐 150g(ミニパック1つ分)

A. 白すりゴマ 大さじ2程度

A. 白だし 小さじ1~2程度

かつおパック 1袋

【作り方】

1. きゅうり、にんじん、ピーマンを千切りにし、塩を振ってなじませておきます

2. 酒粕を電子レンジで30秒程度温めます

3. 温めた酒粕をボウル内でつぶし、Aの材料をよく混ぜ合わせます

4. 1の野菜の水気を絞り、3とかつおパックをよく混ぜ合わせて完成です

【美味しく作るためのポイント】

・ほぐしたカニカマや刻んだちくわなどを入れるとさらに美味しさがアップします。
・フードプロセッサーがある場合には、酒粕とAの材料を全てフードプロセッサーに入れペースト状になるまで混ぜ合わせるとさらに簡単にできます。
・酒粕のアルコール分が残りやすいため、食べた後の運転はお控え下さい。

酒粕レシピ③ 入れるだけ「酒粕おでん」【今回イチオシ】

  • 酒粕おでん

名古屋の味噌おでんから発想を得た「酒粕おでん」。いつものおでんに酒粕と生姜を溶き入れるだけで、ポッカポカに温まるうれしいおつまみおでんができあがります。コンビニで買ってきたおでんセットでも美味しくできる超お手軽アレンジ、今回のイチオシレシピです。

【材料(作りやすい分量/およそ2人前)】

市販のおでん種セット(つゆ付き) 1パック

お好みの具材(今回は大根・ゆで玉子・赤棒) お好みの量

酒粕 おでんつゆ1リットルに対し50~100g程度(お好みで調整)

チューブ入りのしょうが お好みで

【作り方】

1. 市販のおでん種セットとお好みの具材でいつも通りおでんを作ります。

2. つゆがあたたまったら、酒粕とチューブ入りのしょうがを溶き入れます。

3. 沸騰させないように煮込めば出来上がります。
 

【美味しく作るためのポイント】

・酒粕は味噌こし用のザルなどに入れておでんつゆの中で軽く温めると溶きやすくなります。

・酒粕の量はお好みに合わせて調整して下さい。

・甘味が欲しい方はみりんや西京味噌などを一緒にいれると良いでしょう。

・酒粕を入れてから15分程度煮込めば頂く事ができますが、煮込めば煮込むほど美味しくなります。

  • おでんの出汁に酒粕を溶かしている様子

酒粕レシピ④ 漬けるだけ「酒粕衣の鶏唐揚げ」

  • 酒粕衣の鶏唐あげ

最後にご紹介するのは「酒粕衣の唐揚げ」。鶏肉を酒粕に漬け込むことで柔らかさとジューシーさ満点の仕上がりに。さらに漬け地の酒粕をそのまま衣としても使うことで、アツアツのうちはもちろん、冷めてもカリカリサクサクのままキープできるワンランク上の唐揚げとなります。ふわっと香る酒粕の風味がたまらない、日本酒に最高に合う唐揚げのレシピができました。

【材料(作りやすい分量/およそ2~3人前)】

鶏肉(唐揚げ用、むね肉でももも肉でも可)  500g~600g程度

塩・こしょう 少々

酒粕 50g程度

A. 日本酒 大さじ3程度

A. みりん 大さじ3程度

A. 白だし(焼肉のタレでも可) 大さじ1~1.5程度

A. チューブ入りのにんにく、生姜 お好みで

片栗粉 120~150g程度

揚げ油 適量

【作り方】

1. 鶏肉をビニール袋に入れ、塩・胡椒をかるくまぶします

2. 酒粕を30秒~1分程度電子レンジで温めます

3. 酒粕とAの材料をボウルに入れ、酒粕をつぶしながらよく混ぜ合わせます

4. 1の鶏肉と3.の漬け地を合わせ、軽くもみながらまぶします

5. 冷蔵庫で寝かせます(1時間程度~ 最大1日程度寝かせてもOK)

6. 漬け地はそのままの状態で、片栗粉を加えて全体によくまぶします

7. 175度前後の揚げ油で4~5分程度揚げれば完成です

【美味しく作るためのポイント】
・フードプロセッサーがある場合には、酒粕とAの材料を一緒に入れてスイッチONすればさらに簡単に漬け地を作ることができます。
・酒粕入りの衣は焦げやすいので、揚げ油は高温になりすぎないよう注意。片栗粉の量は鶏肉の水分によって左右されるため、最初は少なめに入れ、加減を見ながら調整しながら加えると良いでしょう。
・白だしの代わりに焼肉のタレを使うとこってり味に仕上がります。

  • 片栗粉をまぶした鶏肉

    片栗粉を加えた衣は、これくらいの感じが理想です

酒粕を上手に使ったおつまみで日本酒ライフをもっと美味しく楽しく!

今回は新酒の時期だからこそ手に入りやすい「酒粕」を活用した日本酒にピッタリのおつまみレシピを4つご紹介しました。「酒粕白和え」や「酒粕衣の鶏の唐揚げ」でもご紹介したように、酒粕は「電子レンジで30秒~1分程度温める」と柔らかくなって様々な料理への応用がしやすくなります。ご紹介したレシピを参考にしながら、いろんな酒粕おつまみ作りにチャレンジしてみてください。

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