日本屈指の酒どころ、近畿のお酒を東京で!アンテナショップで奈良・滋賀、和歌山の美酒を堪能してきた
東京のど真ん中にいながらも、各県の魅力をふんだんに味わえるアンテナショップ。今回はそのなかでも近畿地方にフォーカスし、日本酒巡りをしてみました。
近畿地方といえば、兵庫の灘酒や京都の伏見酒が真っ先に思い浮かびますが、それ以外にも有名で美味しい日本酒がたくさんあるのです! 今回は奈良・滋賀・和歌山の3県に絞って、実際に各地の地酒を飲み比べしてきたので、その様子をお届けします。
近畿地方は全国トップの日本酒生産量を誇る、最大の酒どころ
日本酒というと東北地方や新潟県のイメージが強いですが、実は日本一の日本酒生産量を誇るのは、近畿地方に属する兵庫県。兵庫県以外にも、近畿地方ではさまざまな日本酒が造られており、全国的に有名な銘柄も数多く存在します。
同じ近畿地方でも、味わいはエリアによってさまざま。灘(兵庫)の力強い辛口なお酒は「男酒」、伏見(京都)の柔らかで丸みのあるお酒は「女酒」と表現されることもあります。そんな近畿地方の有名な銘柄は、以下のとおりです。
・みむろ杉/ 今西酒造株式会社(奈良)
・紀土/平和酒造株式会社(和歌山)
・不老泉/上原酒造株式会社(滋賀)
・月桂冠/月桂冠株式会社(京都)
・辛丹波/大関株式会社(兵庫)
近畿地方のお酒はどんな味? それぞれの県のお酒を、アンテナショップで飲み比べ!
和歌山の「紀土」や兵庫の「辛丹波」など、近畿の有名どころのお酒はいくつか飲んだことがある筆者。「まだまだ私の知らない美味しい日本酒がたくさんあるはず!」と思い、都内にある近畿地方のアンテナショップへリサーチに行ってきました。
梅酒と日本酒を飲み比べ! 2024年6月にリニューアルした「わかやま紀州館」
まず足を運んだのは、JR有楽町駅からすぐにところにある和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」。柑橘を思わせるオレンジ色を基調とした内装が特徴です。店内には小さなイートインコーナーがあり、梅酒と日本酒の飲み比べを体験できます。
まずは、レジで飲み比べのチケットを購入。6枚綴りになっており、3種類試したければ2枚(10ml)×3種、しっかり1種を味わいたければ6枚(30ml)×1種……といったように、好みの飲み方に合わせてチケットを使います。
チケットに期限はなく、使い切らなかった場合はまた次回の来店時に使用できるのだとか。「せっかくなので数種類を飲み比べてみたい!」と思い、私は「チケット2枚(10ml)×3種」をチョイス。6枚すべてのチケットを使い切ってきました。壁に掛けられているメニューのなかから、好きなものを選べます。
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(左から)紀州梅酒GEN、くまの那智の滝、太平洋
いただいたのは、こちらの3種。
・紀州梅酒GEN/株式会社梅屋
・純米酒 くまの那智の滝/尾﨑酒造株式会社
・純米酒 太平洋/尾﨑酒造株式会社
「くまの那智の滝」は香りが穏やかでクセが少なく、とても飲みやすいお酒でした。おつまみなしでも、スルスルと飲めてしまいます。「太平洋」は力強い印象のあるラベルとは裏腹に、フルーティーな香りとスッキリした味わいが印象的。ラベルデザインと味わいのギャップに、少し驚いてしまいました。
「紀州梅酒GEN」はとろりとした質感で、濃厚な梅の味わいを感じられます。この日はストレートでいただきましたが、ロックやソーダ割りもこれからの季節に合いそうです。
わかやま紀州館がある「東京交通会館」には、ほかの都道府県の物産展も併設されています。各地域のお酒を探しに、ぜひ遊びに行ってみてくださいね。
<店舗情報>
住所:東京都千代田区有楽町2-10-1東京交通会館地下1F
アクセス:JR「有楽町駅」京橋出口より徒歩1分/有楽町線「有楽町駅」D8出口直通/丸の内線・日比谷線・銀座線「銀座駅」C8出口より徒歩5分
営業時間:10:00~19:00(日・祝は10:00~18:00)
Web:https://kishukan.com/
電話番号:03-6269-9434
夜は日本酒飲み放題も!奈良の美食を心ゆくまで味わえる「奈良まほろば館」
続いて訪れたのは、奈良県のアンテナショップ「奈良まほろば館」。生き生きとした緑の木々と、奈良県のマスコットキャラクター・せんとくんがお出迎えしてくれます。お店の奥には「Cafe&Bar まほら」という、カウンター席のみの飲食コーナーがあります。こちらで奈良の地酒をいただけるとのことで、さっそく席についてみました。
複数のメニューのなかから選んだのは「日本酒飲み比べセット」(税込1,320円)です。
「日本酒の飲み比べセット」はスタッフさんチョイスの3種の日本酒に、おつまみの盛り合わせがついてきます。この日の銘柄は、以下の3種でした。
・特別純米 八咫烏/株式会社北岡本店
・純米吟醸 篠峯 中取り生酒/千代酒造株式会社
・春鹿 純米 超辛口/株式会社今西清兵衛商店
おつまみとして注文した「炙り柿の葉寿司セット」(税込1,350円)は、4つの柿の葉寿司と三輪そうめん、スイーツがついた豪華なラインナップ。柿の葉寿司は目の前でバーナーで炙ってくれ、香ばしい香りが漂います。
さっそく日本酒をいただきます。これまで奈良県のお酒は「みむろ杉」しか飲んだことがなかったので、どんな味わいなのかワクワクしながらおちょこに口をつけました。
まずは「八咫烏」。スッキリしていながらもほどよくコクが感じられます。2種の柿の葉寿司のうち、鱒寿司と特に相性がよかったです。温かいおそうめんともよくマッチし、ほっこりといただけました。
「篠峯」はもぎたての果実のようにジューシーで、華やかな香りがします。おつまみ盛り合わせのなかにあったクリームチーズと合わせると、まるで白ワインのよう。「春鹿」はとてもスッキリとした味わい。鯖寿司と合わせると、魚の脂を洗い流してくれるような清涼感がありました。時間はちょうどお昼どき。少々ボリューミーに感じられましたが、お腹が空いている時間帯ということもあり、ペロリと完食してしまいました。
「Cafe&Bar まほら」では、夕方5時以降は日本酒飲み放題もやっています。奈良の地酒を心ゆくまで堪能したい人は、ぜひ足を運んでみてください。
<店舗情報>
住所:東京都港区新橋1‐8‐4 SMBC新橋ビル1F・2F
アクセス:JR「新橋駅」銀座口より徒歩約3分/銀座線「新橋駅」1番出口より徒歩約3分
営業時間:11:00~19:30(L.O. 日本酒飲み放題:19:00/その他のメニュー:19:00)
Web:https://nara-mahoroba.pref.nara.jp/
電話番号:03-6263-9656
近江の地酒はもちろん、クラフトビール・ウイスキーも勢揃いの「ここ滋賀」
最後に訪れたのは、日本橋にある滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」。入口付近にあるカウンタースペース「SHIGA’s BAR」にて、滋賀県の地酒やクラフトビール、ウイスキーをいただけます。
お酒やフードの注文はレジにて。この日は「滋賀の地酒4種飲み比べセット」(税込1,000円)と「その日のおつまみ」(税込600円)をチョイスしました。なんと飲み比べセットは、A・Bのふたつのパターンから好きな方を選べます。「どちらにしようか……」とかなり迷ったのですが、うすにごり酒を飲みたかったので、今回はAセットを選んでみました。
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左から初桜、道灌、AZM、三連星
Aセットの内容はこちらでした。
・初桜 特別純米 玉栄 火入れ/安井酒造場
・道灌 吟吹雪 一つ火 特別純米/太田酒造株式会社
・AZM opus 15 うすにごり生酒/多賀株式会社 Taga Co.,Ltd.
・三連星(白) 純米吟醸 生詰原酒/美冨久酒造株式会社
おつまみの盛り合わせとともに、さっそくいただきます。
「初桜」は日本酒らしいコクを感じる味わい。しっかりとした旨味と、ほのかな甘味も感じられます。まろやかな飲み口で、おでんなど出汁の効いたお料理とも合いそうです。「一つ火」はスッキリとした味わいでキレがあります。香りは穏やかで、味わいの主張が強めなおつまみとよく合うと感じました。今回のおつまみのなかだと、山椒のパンチが効いたソーセージと相性がよかったです。
「AZM」は、おちょこを口元に運んだ瞬間、飲む前からバナナのようなフルーティーな香りが広がります。口当たりは柔らかいけれどほどよくキレもあり、お酒単体でもどんどん飲めてしまうほど、飲みやすいお酒でした。「三連星」は原酒らしい、ギュッと旨味が詰まったジューシーな味わいです。4種どれもまったく表情が異なるので「このお酒はこんな料理と合いそう」「一番好きなのはこれかな?」と、アレコレ考えながら飲み比べを楽しみました。
レジの近くには、出てきたラベルのお酒が飲める「推し蔵ガチャ」も。遊び心も満載な「ここ滋賀」、ぜひ訪れてみてくださいね!
<店舗情報>
住所:東京都中央区日本橋2-7-1
アクセス:東京メトロ・都営地下鉄「日本橋」B6、B8出口すぐ/JR「東京駅」八重洲北口・日本橋口より徒歩6分
営業時間:10:00~20:00
Web:https://cocoshiga.jp/
電話番号:03-6281-9871
個性豊かな近畿の地酒を、アンテナショップで気軽に楽しもう
ひとつの銘柄を飲むだけだとなかなか個性を感じ取るのが難しいですが、実際にいくつかを飲み比べてみることで、各県ごとの特徴や違いがよく分かります。実際に複数の県をいくつも渡り歩くのは時間も費用もかかり大変ですが、アンテナショップなら気軽に飲み比べができますね。
これからも、都内でプチ旅行気分を味わえるアンテナショップシリーズを更新予定!いろいろな地域の日本酒を知りたい人、都内でいつもと違った遊び方をしてみたい人は、ぜひ次の記事も楽しみにしていてくださいね。
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