夏はロックやカクテルで! 蔵元さんがおすすめする「夏ならではの日本酒の楽しみ方」

年々暑さが増している日本の夏。暑~い日には、キンキンに冷やした日本酒をキュッと傾けたいですね!

そこで今回は「夏ならではの日本酒の楽しみ方」を大特集!これまでに「SAKETOMO的酒蔵見学・愛知編」にてお伺いした蔵元の皆様に、冷酒として楽しめるおすすめの日本酒や、夏こそ試したい日本酒の美味しい飲み方を教えていただきました。

「えっ!?こんな飲み方していいの?」と驚きがたくさんつまった蔵元おすすめの夏の日本酒の楽しみ方。すぐに試してみたくなるものばかりです!

  • 冷酒とうちわ

<今回お話を聞いた蔵元のみなさん>

青木酒造(愛西市)蔵元杜氏 青木拓磨さん

丸石醸造(岡崎市)代表取締役社長 深田英揮さん

伊東(半田市)代表取締役社長 伊東優さん

澤田酒造(常滑市)代表取締役社長 澤田薫さん

金虎酒造(名古屋市)専務取締役 水野善文さん

蔵元がおすすめ!「冷酒で楽しんでもらいたいイチ推しの日本酒」

「米宗 純米吟醸酒」/青木酒造(愛西市)

青木さん

冷酒で楽しむなら「米宗 純米吟醸酒」がおすすめです。香りは穏やかで、味わいはホエイ(ヨーグルトの上にできる液体)のような馴染みのある乳酸味が特徴のお酒です。酸味の後にしっかりとお米の旨味も感じられ、切れ味もいいです。酸味が夏らしさも演出してくれます。

冷蔵庫から出して商品温度がだんだん常温に戻っていく過程を楽しんでいただければ嬉しいです。初めの冷たい状態だと、酸味を感じるキレのいい飲み口。品温上昇と共にお米の旨味も一緒に感じられるようになります。

  • 米宗 純米吟醸酒

    米宗 純米吟醸酒

「二兎サテン」/丸石醸造(岡崎市)

深田さん

「二兎サテン」をおすすめします。13%原酒の低アルコールのお酒です。

弾けるような柑橘白桃のフルーツ感と、軽やかで角の取れたきめ細かい舌触り。ピュアな果実味と美しい酸味が独自の味わいを生み、舌の上で溶けていくようです。

冷蔵庫で冷やして、メロンなどの瑞々しい果物、ローストビーフサラダ、天ぷらを塩など、夏らしい食事と合わせてみてください。

  • 二兎サテン

    二兎サテン

「夏めく」/「敷嶋」伊東(半田市)

伊東さん

「夏めく」がおすすめです。マスカット感を全面に出して、さわやかな果実味を持たせています。また酸を際立たせて、切れ味よくしています。原酒が多い敷嶋ですが、比較的飲みやすく、ただその中でもしっかりと味を出しているお酒です。冷やしすぎると特徴である「旨味」が感じにくくなってしまうので、10℃~15℃くらいが一番好きです。ちなみに夏酒ですが、燗も好評です。

  • 夏めく

    夏めく

「白老 若水純米 うすにごり」/澤田酒造(常滑市)

澤田さん

冷酒には「白老 若水純米 うすにごり」をおすすめしています。知多半島の常滑で、減農薬栽培にて丹精込めて栽培された愛知の酒米「若水」から造った米の旨みを楽しめるタイプの日本酒で、ボディがあってみずみずしい若水の特徴がしっかり現れています。どこか懐かしい「たぬきラベル」のゆるさも暑い夏場にピッタリです。冷蔵庫などで10度以下に冷やしてお召し上がりください。

  • 白老 若水純米 うすにごり

    白老 若水純米 うすにごり

「KOTORA-citric」/金虎酒造(名古屋市)

水野さん

「KOTORA-citric(コトラシトリック)」をおすすめします。焼酎用の白麹を使用する事で柑橘っぽい酸味(クエン酸)が強く出ているところが一番の特徴です。酸味に対して米の甘味でしっかりとバランスを取っており、味わいのバランスがかなり白ワインに近い所がポイントです。

しっかりとした甘みもあるのでキンキンに冷やして、またはロックで美味しく飲めます。また炭酸割(酒2:炭酸水1)も美味しく飲めてしまうお酒です。

  • KOTORA-citric(コトラシトリック)

    KOTORA-citric(コトラシトリック)

蔵元さんから教わった「夏ならではのお酒の楽しみ方」

「米宗」はロック、ソーダ割り、燗ロックで!/青木酒造(愛西市)

青木さん:「米宗 山廃 純米吟醸 無濾過生原酒」、アルコール度数18度以上の原酒を「ロック」にすると、非常に涼し気で飲みやすくなります。にごり酒の「ソーダ割り」もいいですね。柑橘類をしぼっていただくとさらに美味しくいただけます。

もう一つのおすすめが「燗ロック」です。お酒を65〜70度程にお燗してから氷を入れて頂く飲み方です。氷を入れてからは決して混ぜないのがポイント。温かい部分と冷たい部分、原酒の部分と氷が溶けて加水された部分、この双方の味わいが口内で入り混じるのがこの飲み方の魅力です。美味しさも楽しさも感じられます。

米宗のシリーズでは、ロックなら「米宗 山廃 純米吟醸 無濾過生原酒」、ソーダ割りは「米宗 山廃 純米 にごり」、燗ロックには「米宗 山廃 純米」がおすすめです。

  • 米宗山廃純米吟醸無濾過生原酒

    米宗 山廃 純米吟醸 無濾過生原酒

「二兎」は冷蔵庫で冷やして温度変化を楽しんで!/丸石醸造(岡崎市)

深田さん:夏だからと言ってキンキンに冷やさずとも、冷蔵庫で冷やした状態で飲み、そのまま温度が上がって味わいの変化を感じながら、豊富で美味しい夏の料理と共に楽しんでください。味の変化を楽しめるものとしては「純米吟醸二兎山田錦55」をおすすめします。

  • 純米吟醸二兎山田錦55

    純米吟醸二兎山田錦55

「夏めく」はすだちを数滴垂らすと夏っぽさがUP!/「敷嶋」伊東(半田市)

伊東さん: 「夏めく」に、夏が旬のすだちを数滴たらすとさわやかさが増します。酸味がより際立つので夏っぽさが増します。

  • 夏めく

    夏めく

「白老」おすすめはハイボール、ミントを効かせたモヒートも!/澤田酒造(常滑市)

澤田さん: アルコール度数の高い原酒や香りのあるお酒は氷を浮かべたり、割って飲んでも美味しいです。ロックや水割りももちろん美味しいですが、炭酸水で割ったハイボールがおすすめです。

割り方はお好みですが、私たちはお酒2:炭酸水3くらいで割って頂いています。17度のお酒を2:3で割ると、6.8度。 氷を入れればさらに下がって4~5%とビール並みになります。

 また、ミントを効かせた「モヒート」も美味しいです。まず適量のミントをグラスに入れてスプーンでしごくように潰し、レモンかライムを絞ってから氷を入れて、お酒を注ぎます。一度混ぜてから、炭酸水を入れると日本酒の「モヒート」の完成です。甘さの欲しい方は、ガムシロップやアガベシロップを加えても美味しいです。爽やかで美味しくてすごくすすみますのでたくさん作っておきたいところですが、適量で楽しんでください。

モヒートはクセの少ないお酒が合わせやすいです。澤田酒造のラインナップでは香り控え目、無濾過で濃厚な原酒「蔵人だけしか飲めぬ酒」がピッタリです。他にも凍らせてシャーベットで頂いたり、カットしたフルーツを混ぜ合わせたり、色々な夏の日本酒の楽しみ方があります。

  • 蔵人だけしか飲めぬ酒

    蔵人だけしか飲めぬ酒

「本醸造 金虎」をサングリア風アレンジで!/金虎酒造(名古屋市)

水野さん: サングリア風に果物を入れて飲むのはいかがでしょうか?カットフルーツを日本酒に入れて、良く攪拌します。少しフルーツを潰して果汁を出すとより美味しくなります。お好みで炭酸を入れてもOK。日本酒を炭酸で割ると少し薄くなりますが、フルーツで甘味と酸味を補ってあげることでバランスを取って爽やかに楽しんでもらう事ができます。

サングリア風アレンジには、淡麗でキレが良く、尚且つ少しお米の甘みもある「本醸造 金虎」がおススメです。

  • 本醸造 金虎

    本醸造 金虎

(編集部注)日本酒を使った「サングリア風」は作り置きしてしまうと「酒の製造」に該当し酒税法違反となる場合があります。作ったらすぐに飲んでください。

夏こそ日本酒のいろんな美味しさを発見出来るベストシーズンかも!

今回は「SAKETOMO的酒蔵見学・愛知編」にてお伺いした5つの蔵元の皆様に、「冷酒で楽しんでもらいたいイチ推しの日本酒」と「夏ならではのお酒の楽しみ方」を教えて頂きました。

温度の変化による味わいの移り変わりを楽しめるのは数あるお酒の中でも日本酒ならではの特徴。また、蔵元さんから紹介頂いた日本酒の思い切ったアレンジも試してみたくなるものばかりです。 

暑いシーズンは冷やして美味しくアレンジ!夏ならではの日本酒を思いっきり楽しんでください!

関連記事