大根まるごと使い切り!料理家が教える「日本酒に合う大根おつまみ」簡単オススメレシピ5選

冬の寒い時期に美味しい野菜といえば大根。でも、一本丸ごと買うとつい余らせてしまったりすることありませんか?
実は大根は上手に使えば葉の部分から先っぽまで丸ごと美味しいおつまみになるんです。
今回は、料理家としても活動する日本酒好きのグルメライターが自信を持って「日本酒に合う大根おつまみ」レシピを厳選して紹介。家飲みの参考にしてください!

目次

皮も葉の部分も捨てないで! 大根は丸ごと一本「日本酒に合うおつまみ」になります!

冬の寒い時期にお値打ちで美味しい野菜といえば大根。
お鍋に入れてよし、おでんにしてよし、千切りにしてなますにしてもよしと冬の食卓に欠かせない食材です。そんな大根を買うときについ悩みがちなのがその大きさ。まるっと1本買ったもののつい余らせてダメにしてしまったという経験のある方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、日本酒にもピッタリな「大根おつまみレシピ」をご紹介。大根のポテンシャルをお手軽簡単な方法で引き出します。

しかも今回ご紹介するのは、皮はもちろん葉の部分から先っぽまで全部使った「完全使い切り」レシピ。大根を料理するときに捨ててしまうような部分も美味しいアテに大変身させます。お財布にも優しいおすすめ大根おつまみ、ぜひ試してみてください!

大根の下ごしらえは「皮は分厚く剥く」「下ゆではゆっくり」がポイント!

レシピを紹介する前に、美味しく大根を料理する際の下ごしらえのポイントをご紹介します。

大根の皮は「分厚く剥く」のが基本

最初のポイントは「大根の皮」の剥き方。大根の皮は一見すると薄いように思いますが、実は「分厚く剥く」方が美味しく仕上がります。

その理由は大根の皮の下の部分。大根を輪切りにすると皮の近くにうっすらと線が円を描くように入っているのが見えます。実はこの線と表面の皮の間の部分は中心部分に比べると筋が多くしかも辛味や苦味がやや強めなんです。この部分を残したまま大根を使うと、加熱したときに火が入りにくくムラになってしまったり、辛味や苦味が残ったりする原因になります。そのため、大根の皮を剥くときには、内側の線の部分まで皮だと思って「分厚く剥く」のが良いのです。

ピーラーを使って剥く場合には一度には分厚く剥くのが難しいので、大根をグルグルと回しながら2~3周ぐらい剥くのがおすすめ。「こんなに分厚く剥いてもったいない…」と思ってしまうかもしれませんが、皮もちゃんと料理すれば美味しく食べられるので大丈夫です

大根の下ゆでは弱火でじっくりゆっくり

煮物やおでんなどにするときには大根を一度下ゆでにします。これは大根を柔らかくするためだけではなく、大根からアクや苦味を抜くのに欠かせません。

下ゆでの方法は「水からゆっくりのんびり茹でる」だけ。お鍋に水を入れたら沸騰するまでは中火~強火にかけ、沸騰が始まったかな?と思うぐらいでとろ火にしてじっくりのんびり茹でます。

 この時、絶対にグラグラと沸騰させないことがポイント。グラグラ沸騰させてしまうと火が入りすぎたり大根同士がぶつかったりして、大根の角がつぶれてしまう原因になります。理想は沸騰直前の状態をキープして気長に下ゆで。石油ストーブの上に置いたり、ホットプレートの鍋で保温~弱火に設定して下ゆでするのもおすすめです。下ゆで中のお鍋から上がる湯気でお部屋も加湿され、一石二鳥です。

 米や砂糖などを加えて下ゆでする方法もありますが、個人的にはしっかり皮を厚く剥いておけば水だけでも大丈夫だと思います。

大根丸ごと使い切り!「日本酒に合う大根おつまみ」オススメレシピ5選

大根の皮を使用!切って叩いて混ぜるだけ!「大根の皮のソムタム風サラダ」

  • 皿に盛られた大根の皮のソムタム風サラダ

    大根の皮のソムタム風サラダ

大根の皮を使ったオススメおつまみはタイ料理の定番「ソムタム」をアレンジした和えサラダ。少し繊維質な大根の皮の部分が本場のソムタムで使われる青パパイヤの代わりにピッタリなんです。今回は冷蔵庫に余っていたニンジンを皮付きのまま千切りにして合わせ、ムダなしスタイルをさらにパワーアップしてみました。

材料を刻んで混ぜるだけで出来るお手軽さもうれしいサッパリ系おつまみ。にんじんの代わりにキュウリや玉ねぎ、パプリカ、ミニトマトなどお好みの野菜でアレンジしても美味しくいただけます。
吟醸酒や大吟醸などの飲み口や香りの良い日本酒と好相性です。

【材料(作りやすい分量)】

  • 大根の皮 1本分
  • にんじん 小1本(なくても良い、キュウリ、玉ねぎなどでも可)
  • バターピーナッツ 適量(今回は50g程度)
  • ポン酢 適量(今回は大さじ4)
  • スイートチリソース 適量(今回は大さじ2)
  • かつおぶし 適量(あれば)

【作り方】

  1. 大根の皮をピーラーで2~3周剥き、細長く刻む(太めの千切り程度)
  2. にんじんは良く洗って皮付きのまま千切りにする
  3. バターピーナッツを保存袋に入れて麺棒などで叩いて砕く
  4. ポン酢、スイートチリソース、かつおぶしを加え、馴染むまでもみ合わせて出来上がり(軽く麺棒で叩いても良い)

大根の葉・茎・頭・先っぽの切り落としを使った「大根の茎と切れ端のかき揚げ」はハイリピ確定!

  • 皿に盛られた大根の茎と切れ端のかき揚げ

    大根の茎と切れ端のかき揚げ

葉や茎の部分と、形を整えるために切り落とした頭と先端の部分は全部まとめてかき揚げにするのが美味。葉や茎の部分に頭や先端の部分を刻み合わせることで「えっ!?大根にこんな美味しさがあったの!?」と驚くこと間違いなしの絶品かき揚げとなります。

味付けのオススメは昆布茶。塩味と共に加わる昆布の旨味が大根の葉や茎の美味しさをじんわりと引き立てます。もちろん他の食材と一緒にかき揚げにしてもOK。今回はかちり(ちりめんじゃこをよく干したもの)を使いましたが、干しエビやツナなどを合わせても美味しく出来上がります。顆粒だしを加えても美味です。

どんなタイプの日本酒でも良く合いますが、とくにスッキリした味わいの日本酒と合わせると口の中に残りがちな油をさっと流してくれます。

【材料(作りやすい分量)】

  • 大根の葉、茎、頭や先端の切れ端 1本分
  • かちり(ちりめんじゃこ、干しエビ、ツナなどでも可)
  • 塩(または昆布茶) 適量
  • 米粉(または薄力粉) 適量 ※全体にまぶす程度+大さじ1~2
  • 玉子 1個
  • 水 適量
  • 揚げ油 適量

【作り方】

  1. よく洗った大根の葉や茎を5cm程度(指2.5~3本分の幅が目安)の長さに刻む
  2. 大根の頭や先端の切れ端は、よく洗ってから5mm幅程度に輪切りにし、さらに厚めの千切りにする
  3. 1、2とかちりを合わせ、昆布茶を和えてから、5分程度馴染ませる
  4. 3に米粉(または薄力粉)を加えてよくまぶし、玉子と水を加えてざっくりと混ぜる
    (全体がまとまる程度の硬さになればOKです)
  5. 揚げ油をやや高温(180度前後)に温め、お玉などでまとめながらタネを油に入れる
  6. 少しまとまるまで待ってからひっくり返し、全体で2分程度を目安にきつね色に揚がれば出来上がり

つまみ食いのおつまみ!? 下ゆでをそのまま頂く「茹でっぱなしのふろふき大根」

  • 皿に盛られたふろふき大根

    茹でっぱなしのふろふき大根

下ゆでした大根を引き上げたときに一つ二つとっておくと、それはそのままふろふき大根として頂けます。
あえて出汁で茹でずにお湯だけで炊いた大根も案外オツなもの。仕上げは名古屋の家庭ならどこにでもある「チューブ入りの味噌だれ」をかけるだけ。ジュワッと染み出る大根のつゆと甘い味噌だれのハーモニーに、熱燗をきゅいっとやりたくなること間違いなしです。

【材料(作りやすい分量)】

  • 下ゆでしている大根 好きなだけ
  • チューブ入りの味噌だれ 好きなだけ

【作り方】

  1. じっくりと下ゆでした大根を鍋から引き上げる
  2. お皿に盛り付けて味噌だれをかけて出来上がり

ホットプレートのお鍋で楽々!上品な味が日本酒にピッタリ「鶏手羽と大根のしみしみ煮」

  • 皿に盛られた大根と鶏手羽

    鶏手羽と大根のしみしみ煮

お値打ちな手羽元と大根を合わせて炊く定番の料理。美味しく作るコツは「とにかく沸騰しない程度の温度でじっくり炊くこと」。沸騰させてしまうと大根の煮崩れやつゆの濁りの原因になってしまいます。ホットプレートのお鍋で作れば温度調整も簡単。一晩寝かせるといっそう味がシミシミになります。
白しょうゆを使って炊くと華やかで優しい味わいに。
素材の味が生きた味わいにはふわりと優しい味わいの日本酒を合わせたくなります。

【材料(作りやすい分量)】

  • 大根 1本分(つまみぐい分を除く)
  • 鶏手羽元 重さで大根と概ね同量程度
  • 水 鍋にひたひたになる程度
  • 白醤油(なければ白だしでも可) 水の量の10分の1程度
  • みりん 白醤油と同量~倍量程度(お好みで調整)
  • 昆布茶(または塩) お好みで適量

【作り方】

  1. 大根は厚く皮を剥いて頭と先っぽを切り落とし、4cm程度(概ね指2本分の幅が目安)の輪切りにして下ゆでする
  2. 鶏手羽元をフライパンに入れ、強火で表面に焼き目をつける
  3. ホットプレートの鍋に焼き目をつけた鶏手羽元と下ゆでした大根を入れ、十分に温度が上がるまで強火にかける
  4. 沸騰直前になったら、白醤油、みりん、昆布茶(または塩)を加える
  5. もう一度沸騰直前になったら火を弱め、ブクブク沸騰しないよう注意しながら保温~弱火の中間程度で温めて完成。(最低2~3時間程度)
  6. 2時間程度炊いてからいったん火を止めて冷まし、冷蔵庫で一晩寝かせた後、再度温めても良い

残った大根煮でパンチ力満点のご馳走おつまみ「大根ステーキ」

  • 皿に盛られた大根ステーキ

    大根ステーキ

「鶏手羽元と大根のしみしみ煮」を作りすぎて大根が余ったら、さらにリメイクがオススメ。じっくり炊いて味がしみわたった大根をたっぷりのバターでこんがりと焼くと、肉汁ならぬ「大根汁」がジュワーっと溢れ出す絶品大根ステーキに早変わりです。

味付けは焼肉のタレがあればOK。お好みでチューブ入りのにんにくや黒コショウを効かせればさらにパンチ溢れる味わいになります。キリッと冷やした冷酒で流すもよし、濃厚で旨味たっぷりの日本酒に合わせるもよし。コンビニおでんの大根でも美味しく作れますので、いきなり大根ステーキにするのもオススメです!

【材料(作りやすい分量)】

  • 「鶏手羽元と大根のしみしみ煮」で残った大根 1~2切れ(コンビニのおでんでもOK)
  • バター 10~20g程度
  • チューブ入りのニンニク お好みで少々
  • 焼肉のタレ お好みで適量
  • 黒コショウ お好みで少々

【作り方】

  1. 「鶏手羽元と大根のしみしみ煮」の残り物の大根を鍋から引き上げ、しばらくお皿などに置いて余分な水分を切る。
  2. フライパンにバターを入れ、弱火で温めて溶かす。(チューブ入りのニンニクを入れる場合にはここで入れる)
  3. バターが溶けたら中火にして軽く温め、の大根を崩れないようにそっと入れる
  4. 両面にこんがりと焼き目がつくまでひっくり返しながら焼き上げる
  5. フライパンに焼肉のタレを加え、大根によく絡めながら仕上げ焼きする
  6. 焼肉のタレにとろみがつく程度になったら黒コショウを軽く振って出来上がり

大根に捨てるところなし! 上手に料理すれば美味しいおつまみに大変身

冬の代表食材「大根」を全部食べ尽くす「大根おつまみ」のオススメをご紹介しました。
上手に活用すれば、皮も茎も葉っぱも切れ端も全部美味しいおつまみに大変身。食物繊維が豊富でヘルシーなのも、日本酒に合わせるおつまみとしてうれしいポイントです。
今回のレシピを参考に大根の新しい魅力を見つけながら日本酒ライフを楽しんでみてください。

関連記事