初心者や女性にもオススメ「低アルコール日本酒15選」 フルーティーから辛口まで唎酒師ライターが厳選
日本酒に興味はあるけどお酒に強くない…。過去に日本酒で失敗したトラウマがある…。そんな方も意外と多いのでないでしょうか? それもそのはず、日本酒のアルコール度数は平均して16%前後、原酒となると18%前後で、ビール(5%程度)やワイン(10~15%)に比べると少し高め。さらっとした飲み口でついつい飲み過ぎてしまうこともあります。しかし、日本酒にも「低アルコール」があるのをご存知でしょうか?
この記事では、「唎酒師」「酒匠」の資格をもつ現役酒販店員である筆者・宮島けんとが、女性や日本酒ビギナー必見のおすすめ低アルコール日本酒をご紹介します。
低アルコール日本酒の魅力
お酒が苦手でも安心
低アルコール日本酒のアルコール度数は13%以下で造られていることが多く、なかには10%以下の銘柄もあります。普段あまりお酒を飲まない方や苦手な方でも手を伸ばしやすいですね。
すっきりとした飲みやすさ
低アルコール日本酒の味わいの特徴として「軽快な口当たり」「優しい甘味」「爽快な酸味」が挙げられます。この飲みやすさは低アルコール日本酒の大きな魅力で、日本酒にハマる“キッカケ”にもなるでしょう。また低アルコール日本酒には発泡性の銘柄も多く、シュワっとした飲み口がさらに飲みやすく感じるかもしれません。
かわいいラベルデザイン
若い世代や女性をターゲットとしている低アルコール日本酒は、かわいいラベルも印象的です。いい意味で日本酒らしくない、手に取りやすい銘柄が多く、日本酒のハードルを下げることに一役買っているといえるでしょう。
低アルコール日本酒の造り方
低アルコール日本酒は2種類の製造方法によって造られています。
加水希釈タイプ
割り水・汲み水・追い水の量を、通常の日本酒よりも増やしてアルコール度数を下げるシンプルな方法です。ただ水で薄めるだけでは味のバランスが崩れてしまうため、甘味や酸味の調整が必要不可欠となります。
発酵停止タイプ
アルコール度数が高くなる前に醪(もろみ)の発酵を止めて、搾ってしまう方法です。日本酒本来の味わいをしっかり残せる反面、高度な製造技術が求められます。蔵元さんたちは各々、酵母や製造工程に工夫を施して「自分たちの味」を目指しています。
おすすめ「低アルコール日本酒」15選
一ノ蔵 ひめぜん(一ノ蔵/宮城県) <アルコール度数 8%>
低アルコール日本酒を語る上で外せない1本。昭和63年、日本酒の低アルコール化にいち早く着目したパイオニア的存在です。甘酸っぱい王道の味わいは、冷やでも燗でも楽しめる万能タイプ。ソーダ割りやオリジナルカクテルのレシピもHPに公開されています。あなただけのお気に入りの飲み方が見つかるかも!?
雨後の月 特別純米酒 十三夜(相原酒造/広島県) <アルコール度数 13%>
兵庫県特A地区の山田錦を100%使用した本格派。ANA全日空国際線ファーストクラスで採用された経歴を持つほどのポテンシャルを持っています。滑らかな口当たりがとてもキレイで、食中酒として選べば間違いなし!日本酒が苦手な方にこそおすすめしたい1本です。
Tsuchida 12 (土田酒造/群馬県) <アルコール度数 12%>
“飲みやすさ”と“日本酒らしさ”を上手に掛け合わせた、生酛造りによる低アルコール日本酒。生酛由来の乳酸系の酸味が舌の上に優しく広がります。夏はロックでキンキンに冷やして、冬はほっこり熱燗で。日本酒ビギナーだけでなく日本酒好きも満足の1本です。
雨降 水酛仕込・愛山(吉川醸造/神奈川県) <アルコール度数 13%>
そやし水(=生米と蒸米を水に漬け乳酸菌を繁殖させた状態)と呼ばれる酸っぱい水で仕込む「水酛造り」で醸された日本酒。酒米のダイヤモンド“愛山”の濃厚さと、“水酛造り”のヨーグルトのような酸味。2つの特徴が絶妙なバランスで混ざり合い、とても爽やかになっています。この未体験の味わいには誰もが驚くでしょう!
富久長 海風土 Seafood 純米(今田酒造本店/広島県) <アルコール度数 13%>
“海風土”と書いて“シーフード”と読む斬新なネーミング! 名前・ラベルからわかるように、魚介(特に牡蠣)との相性を考えて造られたお酒です。牡蠣の名産地ならではの人気酒。レモンのような爽やかな酸味が、海の幸の新鮮なおいしさをぐっと引き立てます。
Beau Michelle(ボーミッシェル) (伴野酒造/長野県) <アルコール度数 9%>
発酵中の醪に音楽を聴かせると、その振動によりまろやかで味わい深いお酒が出来上がるという考えのもと、ビートルズの名曲「ミッシェル」を聴きながら生まれたのがこのBeau Michelle。まるでワインのようなフレッシュ感が女性から大人気! 洋風おつまみにぴったりです。
低アルコール純米酒 Fu.(富久錦/兵庫県) <アルコール度数 8%>
Fu.(ふ)は優しい甘味としっかりした酸味が心地よく、思わず「ふぅ〜」と言ってしまう日本酒です。飽きのこない味で普段の晩酌として優秀ななロングセラー商品。富久錦の1番人気酒「Fu.」で癒しの晩酌タイムを是非体験してみてください!
ロック専用純米酒 TERA(林本店/岐阜県) <アルコール度数 8%>
ありそうでなかった“焼き肉”との相性を考えて造られた日本酒です。フレッシュな甘味を強めの酸味がすぐに包み込んでくれるので、後味はとてもさっぱりしています。これは焼き肉が食べたくなりますね…。おすすめ飲み方はもちろんロックです!
High CHAIR / Low CHAIR(奥飛騨酒造/岐阜県) <アルコール度数 High CHAIR 13% Low CHAIR 8%>
伝統的な酒蔵の“お酒に弱い母娘”がつくった新ブランド「CHAIR」。お酒に弱い人の気持ちがわかる2人の優しさが、味わい・ラベル・サイズ感に滲み出ています。13%のHigh CHAIRは米の旨味をシンプルに感じるすっきりタイプで、8%のLow CHAIRは爽やかな甘味を持つフルーティータイプ。どちらも飲みやすくて日本酒ビギナーにおすすめです。
SHUSHU Light(沢の鶴/兵庫県) <アルコール度数 8.5%>
灘の大手日本酒メーカー・沢の鶴で“最も飲みやすい”純米酒がこの“SHUSHU Light”。女性でも手に取りやすいカジュアルなデザインが印象的です。爽やかな飲み口と控えめな甘味のバランスが丁度いい! 瓶のまま飲める“手軽さ”も人気の理由です。
奥の松 純米大吟醸スパークリング(奥の松酒造/福島県) <アルコール度数 11%>
きめ細かく、やや強めのガスが爽快です。アルコール度数11%ですが、もっと低く感じるでしょう。純米大吟醸ならではの上品な吟醸香と米の旨味がシュワっと弾ける贅沢な1本。290mlの1回で飲み切れるサイズ感も魅力的です。
米鶴 スパークリング(米鶴酒造/山形県) <アルコール度数 9%>
山形県の実力派「米鶴」の本気のスパークリング! 純米酒らしいコクと、杜氏が唎酒をしながら注入した絶妙なガス感が見事にマッチした1本です。低アルコールながら力強い味わいが、揚げ物などの油を使ったお料理とよく合います。中華料理とのペアリングが面白そうです。
七賢 スパークリング 山ノ霞(山梨銘醸/山梨県) <アルコール度数 11%>
うすにごりタイプのスパークリング日本酒。お米の甘味をしっかりと感じながらも、きめ細かく軽快な泡がさらっと喉を通ります。頑張った日のご褒美に最初の一杯目に飲みたい、そんなお酒です。グラスに注いだときのキレイな“うすにごり”にも癒されます。
讃岐くらうでぃ(川鶴酒造/香川県) <アルコール度数 6%>
にごり酒タイプの低アルコール日本酒です。通常の3倍量の麹を使用したクリーミーな口当たりが新感覚! 乳酸飲料のような味わいは「大人のカルピス」と称されるほどです。香川のご当地グルメ「骨付鶏」とのペアリングを考えて造られているため、スパイシーな肉料理と相性バツグンです。筆者おすすめの飲み方は牛乳割りです。
COKUN(賀茂泉酒造/広島県) <アルコール度数 8%>
女性がかわいくお酒を飲む「こくん」という擬音を商品名にしたキュートな日本酒。このピンク色は赤色発色酵母により自然に色付いたもので、着色料などは使っていません。ラズベリーのような甘酸っぱさがとても飲みやすく、スイスイと杯が進みます。ワイングラスでさらにおいしく!
低アルコールでも飲み過ぎは禁物!やわらぎ水も忘れずに
今回ご紹介した15本は、日本酒の“お酒好きの飲みもの”というイメージを大きく変えるものばかりです。ただし、いくら低アルコールとはいえ、油断して飲みすぎてしまっては本末転倒。やわらぎ水をはさみながら、適量を守って無理なく日本酒を楽しみましょう!
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