【初心者におすすめの日本酒10選!】これを選べば間違いなしの銘柄を年間2000種類の日本酒を飲む唎酒師ライターが解説!
日本酒は種類や銘柄がたくさんあって、何を選んで飲んだらいいのか迷う人も多いのでは。
まずは日本酒の基礎知識を知り、簡単な選び方を覚えておきましょう。さらに今回は、これまでに200蔵以上を取材し、年間2000種類以上の日本酒を飲み、日本酒 BAR の女将を経て、ついには酒蔵で働きはじめてしまった...という日本酒を知り尽くした唎酒師&日本酒ライターの関友美が、「これを飲めば間違いなし!」という10銘柄を味わいとともにご紹介します。
そもそも日本酒とは?
米、米こうじ、水を原料として発酵し、濾したお酒のことを「清酒」と呼びます。アルコールは22度未満と決められていますが、液中の酵母はみずから出したアルコールによって淘汰されるので、だいたい22度くらいまでしか上がらないのが一般的です。さらに、そのなかでも「日本酒(Nihonshu、Japanese Sake)」は、原料の米に日本産米を用い、日本国内で醸造したもののみを指します。香りは使用する酵母によって変わり、味わいは発酵(醸造)の仕方や米の磨き具合によって異なります。
日本酒の種類に注目!特定名称酒について
日本酒には、酒税法上の区分として「普通酒」と「特定名称酒」の2つがあります。米、米麹以外に、政令で定める物品(酸味料や糖類など)が入っているもの、または精米歩合71%以上で醸造アルコールが添加されているものが「普通酒」。それ以外の「特定名称酒」は、さらに大きく6種類に分類されます。
※精米歩合=玄米を100%とした時、精米後残された米の割合。「精米歩合70%」は、30%を削って糠にし、70%残っている状態のことを指します。
「特定名称酒」についてもっと詳しく知りたい人へ
初心者が飲みやすい日本酒を選ぶには?
純米吟醸、純米大吟醸、吟醸、大吟醸などのたくさんお米を磨いて作っているお酒からスタートすることをオススメします。綺麗で軽やか、透明感のあるものから親しんで、徐々にさまざまな日本酒を試してみてください。
初心者におすすめの日本酒10選
ひとつの酒蔵の中でも、原料米違い、酵母違い、製造方法などコンセプト違いの商品など、30種類以上のアイテムを製造していることがほとんど。裏ラベルを見て、それらを見極めるのは難しいものです。そこで「この銘柄ならどれも間違いない!」という酒蔵の日本酒をご紹介します。
①風の森(奈良県・油長酒造)
日本では珍しい硬水を活かしたシルキーな舌触り、洋梨や白桃のような豊かな果実を思わせる味わい、爽やかなガス感が特徴のバランス良いお酒です。私がかつて女将を務めていた日本酒BARでも初心者のかたにお出しして、全員が「日本酒好きかも!」と喜び、熟練の日本酒愛好家も認める。そんなお酒です。
②みむろ杉(奈良県・今西酒造)
漢字の「三諸杉」と、ひらがなの「みむろ杉 ろまんシリーズ」の2種類がありますが、初心者向けには「みむろ杉」をオススメします。「みむろ杉」を嫌いという人に会ったことがありません。適度な甘さと軽さが、まるで清涼飲料水のような飲み心地の良い日本酒です。
③亀泉「CEL-24」(高知県・亀泉酒造)
酒蔵がある高知県で開発された「CEL-24(せるにじゅうよん)」という酵母を使ったお酒は、長年初心者から圧倒的人気を得ているオススメのお酒です。南国を思わせるパイナップルのような華やかな香りと、ジュースのような甘さ。日本酒のイメージが覆るかもしれません。
④一ノ蔵「ひめぜん」「すず音」(宮城県・一ノ蔵)
時代に先駆けて昭和63年にできた超甘口日本酒「ひめぜん」と、スパークリング「すず音」をオススメします。アルコールも、一般的な日本酒の半分ほどの8%。ハーブを添えたり、カクテルにしたり…自由に楽しむことができます。
⑤くどき上手(山形県・亀の井酒造)
平均精米歩合が50%というほど、蔵のほとんどのお酒で吟醸規格にまで磨かれた米を使用しています。また使用する「きょうかい10号酵母」は、洋梨やパイナップルを思わせるような爽やかな果実の香りを生みます。「辛口」と書かれたお酒でも、初心者も抵抗なく飲むことができるでしょう。
⑥而今(じこん)(三重県・木屋正酒造)
2000年代に登場して以来、日本酒好きの間で味わいが評判となり、現在では押しも押されぬ人気銘柄となっています。爽やかな香りと、何重もの層に重なった繊細な旨みが合わさり、幸せな余韻を口内に残してくれるお酒です。
⑦東洋美人(山口県・澄川酒造場)
フルーティな香りと、和三盆を食べた時のようなふんわりと溶けていく柔らかな口当たりが特徴の東洋美人。ほど良い酸と旨みが続く、米から造られているとは思えない、白ワインを思わせる味わい。一度飲むと忘れることのできない、バランスの良い美酒です。
⑧冩楽(福島県・宮泉銘醸)
「冩楽」は、プレミアム酒と名高い銘柄のひとつ。色々な酒米を使ったお酒を出していますが、どれを飲んでも米の長所を最大限に引き出しており、間違いないです!果実感とふくよかな旨みを両立しジューシーながらもキレ良く、病みつきになる味わいです。
⑨獺祭 純米大吟醸 スパークリング45(山口県・旭酒造)
杜氏がいない、機械化されている…などキャッチ―な部分を取り上げられやすい獺祭ですが、安定的なお酒を国内外に等しく流通させる高い技術力を蓄積した、酒造業界をけん引する酒蔵です。価格も比較的手に取りやすく、1人でも飲み切れる180mlサイズから用意されているスパークリングが特にオススメです。
⑩月桂冠「果月」(京都府・月桂冠)
まるでもぎたての果実のような香りがする日本酒。初めて飲んだ当時とても驚き、みんなに薦めました。大手ならではの開発研究力で、独自の酵母を使い、香料ではない果実そのものの香りと甘くおいしい味わいを表現しています。桃、葡萄、メロンの3種類。
購入方法や購入する際の注意点
オススメしたい日本酒は数多ありますが、その中でも特に初心者向けのお酒をご紹介しました。最初に飲むお酒は絶対に失敗したくないものです。今回挙げたお酒はどれも初心者、飲み慣れた方、ともに満足できる逸品です。
購入する際にも注意が必要です。時々プレミアム価格がつけられてネット販売している場面を見受けますが、誤った保管方法で扱われ、味わいが壊れているケースも。通常の日本酒なら 1,500~2,000 円程度、高級な純米大吟醸や大吟醸酒でも多くの場合は 5,000~15,000円ほどで購入することができます。正規取扱店の店頭または、オンラインショップでご購入をおすすめします。専門店は国内に 1000以上ある酒蔵の中から、こだわりのお酒や酒蔵を選び取引をしています。おいしかったら、また信頼のおける同じ店舗で薦めてくれる別の日本酒を試してみるのも良いでしょう。気軽にチャレンジして、ぜひ自分の好みに合った日本酒を見つけてみてください!
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