俳優・窪塚洋介氏を公式アンバサダーに迎え誕生! 有機純米酒「福霧」リリースパーティに行ってきました
2023年に誕生したばかりの新しい日本酒『福霧(ふくきり)』。誕生を祝った新年会(リリースパーティ)が、2024年1月13日にFIVE TREES 学芸大学(東京都⽬⿊区)で開催されました。アンバサダーの窪塚洋介さんと醸造元の株式会社福光屋 専務取締役・福光太一郎さんを迎えたパーティの様子をお届けします。
日本酒・福霧とは?
『福霧』は2023年12月8日にリリースされた、有機栽培の酒米を使い、有機認証を取得した酒蔵・福光屋から生まれた日本酒。米の品種も生まれた年も製法も異なる3つの酒をブレンドした有機純米酒です。『福の霧に包まれましょう』という意でつけられた縁起の良い銘柄。
厳選した米と大切に貯蔵された酒を使用してつくられるため量産、というわけにはいかず、現在は数量限定で発売日を定めて先着販売されています。
商品情報
商品名:福霧(ふくきり)
価格:16,500円(税込)
内容量:720ml
原材料名:有機米(国産)、有機米麹(国産米)
日本酒度:-1
次回販売日: 3月5日(火)18:00〜 ※発売日はLINE公式アカウントでお知らせがあります。
「福霧」誕生ストーリー
発案者は、株式会社RIKU(東京都渋谷区、以下RIKU)の代表取締役社長・高橋進さん。高橋さんの友人であり、大のお酒好きである俳優の窪塚洋介さんに相談したところ「美味しいオーガニックの日本酒ならいいね」と返答があり、有機認証を取得した福光屋の力を借り、今回の商品が完成しました。
窪塚さんは「福光屋さんは寛永二(1625)年創業で、金沢で最も長い歴史と伝統を持つ酒蔵。日本酒はもちろん、植物性乳酸菌『ANP7-1株』のドリンクなど、腸活に良い食品も多数販売されていて、僕もお世話になっているからよく知っています。あの福光屋さんと組むなら念願の日本酒が実現できそうだ、と高揚感を覚え、前のめりになって取り組みました」と、開発時の様子を振り返ります。
プロジェクト始動後、窪塚さんとRIKU・高橋さんは石川県金沢市にある福光屋に出向き、唎き酒を実施。福光屋では、有機栽培米で醸造した日本酒を20種類ほど貯蔵していました。窪塚さんはそのすべてを唎き酒し、ブレンド実験をしてさらに唎き酒し…を何度も繰り返し、米の品種も生まれた年も製法も異なる3つの酒(酸味が強いもの、香りが華やかなもの、熟成され深みがあるもの)で最高の調合を発見し、今回の『福霧』が完成しました。
複雑味があって奥行きを感じ、重厚だけど軽やかという絶妙なバランスを叶えています。冷酒はもちろん、燗酒にもよく合う酒質です。
有機日本酒とは?
一定の圃場(田んぼ)で、3年以上無農薬・有機肥料で育てられた農産物に与えられる『有機JAS認証』取得の米を使用し、洗米から醸造、瓶詰めに至るすべての加工工程でも有機認証基準を満たした環境・製法であることを認められた蔵で醸造された日本酒が『有機』『オーガニック』と表示することを認められます。
福光屋ではいちはやく契約農家と共に有機米の栽培に取り組み、その後有機認証を取得した醗酵蔵「壽蔵(ことぶきぐら)」で醸造をスタート。現在では日本・アメリカ・EUの厳格な日本酒の有機認証を取得して、さまざまな有機日本酒をつくり続けています。
窪塚氏×福光氏トークセッション(開発~完成を振り返る)
本イベント(新年会)では、鏡開きの前に窪塚さん、福光屋 専務・福光さんとで開発~完成を振り返るトークセッションがおこなわれました。
窪塚さん 「酒蔵を訪れ、有機日本酒がタンク20本もあることに驚きました。何度も通い、福光さんにブレンドしてもらって唎き酒して。『8番と12番のブレンドがいいね』って仲間たちと話して決まりかけていたけど、『もう一手』と最後に加えた1種類の影響で、より美味しいお酒ができたなと思っています」
福光さん 「日本酒のブレンドは無限の可能性を秘めており、すごく面白いです。窪塚さんが好きな酒をベースにしてエッセンスを加えていくようなイメージで提案し作り上げました。ブレンド技術を持つ酒蔵は現在そう多くないですが、福光屋では昔から活用してきました。最後に足した酒が全体の輪郭を変えてくれましたね」
窪塚さん 「ブレンドの割合が8:2なのか7:3なのか、わずかな違いで酒の味わいはガラリと変わります。燗酒にすると野暮ったくなる酒も時々ありますが、福霧を熱燗にすると味わいがよりクリアに感じて。度肝を抜かれるくらい美味しかったです」
福光さん 「メインの酒はボディがあるタイプ。そこに最後、2020年に醸造した繊細で品のあるタイプの酒をすこし加えることでまとまりが出ました。冷酒で美味しい酒と、熱燗で美味しい酒の両方が良いバランスで入っているのでどちらで飲んでも美味しいのだと思います」
窪塚洋介氏「なぜ有機日本酒なのか?」
窪塚さんは、『福霧』開発当初から“オーガニック日本酒”であることに強いこだわりを持っていました。
「飲んで美味しい日本酒、というのは大前提として、身体に優しいことも大切にしました。脳腸相関※という言葉があるように、腸内環境は本当に大切。腸内細菌のバランスを壊さないためにも有機栽培であることは重要です。僕も食生活では発酵の力を取り入れるよう心掛けています。実体験も含めて、私たちの人生は腸でコントロールできると言っても過言ではない。パフォーマンス的な意味合いじゃなくて(銘柄の由来である)『福の霧に包まれる』は実現すると思う。福光屋さんのおかげで多くの皆さんに(この考えを)伝えられることを誇りに思っています」
※脳腸相関とは
脳と腸がお互いに密接に影響を及ぼし合うことを示す言葉です。脳と腸は自律神経やホルモンを介してお互いに情報交換をしており、脳がストレスを受けると、その情報が腸に伝えられ不調を引き起こします。逆に、腸内環境が悪化すると、その情報が脳に伝わって自律神経が乱れ、様々な心身の不調が起こりやすくなります。近年の研究では、脳腸相関には腸内細菌が深く関わっており、腸の病気だけでなく、うつ病などの心の病や、パーキンソン病、アルツハイマー病などの脳の病気(中枢神経系疾患)の発症や予防とも関係することが分かってきています。
福光屋「有機志向の人たちも日本酒文化を楽しめるように」
福光屋 専務・福光さんは、オーガニック米栽培の難しさについて語りました。
「食用米のオーガニックは増えていますが、酒米はまだ少ない。それは手間がかかるのに収量が減るため。だから酒米のほうが重量当たり高価で買い取るといっても、結果的に農家の収入は下がってしまいます。米農家の平均年齢は68歳で、70歳以上層がピーク。オーガニック米は除草剤を散布しないので、真夏の炎天下で草むしりをしなければならないんです。それも木になるぶどうと違って、稲は横に生えた雑草に養分をとられてしまうから影響が大きく、すぐ抜く必要がある。物理的な難しさがあります。だから福光屋は兵庫県多可町、兵庫県豊岡市、長野県木島平村と35〜60年以上のお付き合いがある農家さんたちと想いを共にして取り組みをスタートしました」
困難でもオーガニック米や有機日本酒は必要だ、と福光さんは言葉を続けます。
「オーガニック米の栽培は、地域環境への負荷を軽減するため必要なことだと思います。取り組むきっかけは、かつてロンドン出張で訪れたジャパンセンターでの出来事。お茶の買い物をするご婦人がいて。一方は比較的安価な有名ブランド商品、もう一方は無名で高価なオーガニック商品。悩んだ末に『せっかくならオーガニックがいいわ』と後者を選びました。当時の日本にはまだ少ない“理念にお金を払う”という姿を目のあたりにして驚きました。帰国後少しずつ農家さんを説得して、2006年より3年間田んぼから農薬を排除して有機栽培米をつくり、2008年の収穫米からに酒づくり。オーガニックの酒米でつくる酒は、米のクセ(個性)が前面に出やすく、当初は土壌の香りが強い酒が出来るなど苦戦しました。2015年頃からようやくノウハウを会得して、3エリアで収穫したそれぞれの酒米を使って、酵母を変えたり、精米方法を変えたりしながら挑戦を繰り返してきました」
日本酒という伝統文化を後世に繋いでいくため、有機志向の人たちが安心して飲める日本酒をつくることも酒蔵の重要な責務である、と福光さんは語りました。
「生きるとは」哲学を持つ日本酒・福霧
トークセッションのあと、鏡開きをし『福霧』が参加者に振る舞われました。
俳優をはじめ各方面で活躍する窪塚洋介さん。彼が発信することで、日本酒はまた新たな市場と出会い、日本文化としてさらに発展を遂げていくことでしょう。トークセッションのなかで、窪塚さんが発した「健康や食生活について見直すきっかけが日本酒だっていい」というメッセージと、福光屋・福光さんの酒蔵としての姿勢や覚悟を表す言葉が心に響きました。哲学を感じ、未来を想う新しい日本酒『福霧』。ぜひチェックしてみてください。
※今回オーガニックという言葉は「有機」の意で使用しています。また有機認証米と無農薬米は異なります。効能に関しては個人の見解です。予めご了承ください。
福霧についてもっと知りたい
・公式ホームページ https://fukukiri-sake.shop/
・福霧Instagram https://www.instagram.com/fukukiri_sake/
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