【日本酒王子】超高級マリアージュ会を主催して感じた日本酒の奥深さ
日本酒王子こと、近藤悠一です。みなさん、日本酒のイベントには参加されたことがありますか? 直近では、六本木のクラフトサケウィークが大盛り上がりだったのが、記憶に新しいです。 そんな日本酒もイベントも大好きな私なのですが、今回は私の日本酒人生でも一世一代のイベントを実施できましたので、レポート記事を書かせていただきます。
業界を盛り上げる。かつてない高級マリアージュ会への挑戦
イベントの内容は、一本あたり40万円近くする新澤醸造店(宮城県)の銘酒「零響 Absolute 0」をはじめとした高級酒を提供する、かつてないほどの高級マリアージュ会です。 会場は、ミシュランにも掲載された実績があり、長年お取引をさせていただいている名古屋の名店「味感ことほぎ」。 しかも、ことほぎさんは開店10周年でもあり、主催者にとってこれ以上なく日本酒愛が発揮できるイベントでした。
私は日本酒マリアージュ会を年間多数主催しています。 「日本酒の素晴らしさを世界に届けたい」と思って、さくら酒店という会社を立ち上げたのですが、日本酒の価値をより世界に届けるためには、こういったインパクトのある企画が必要だとかねてから考えており、その想いが実現した1日でもありました。
日本酒の可能性ってまだまだ大きいんだな、そんな観点からこのレポートを読んでいただけたら嬉しいです。
業界の常識を変えた「零響」の凄さ
ご参加いただいたのは、30〜40代の9名のお客様。一般的にはかなり高額な参加費用にもかかわらず、ご案内をしてすぐに満席をいただくことができました。このことからも、高級マリアージュ会のニーズの高さを感じることができました。
今回の目玉でもある「零響」は、5297時間かけて0.85%まで磨いたお米を使用した究極の純米大吟醸。これほどの精米歩合は、従来の酒税法の分類では想定されておらず、酒税法を変えるきっかけになった伝説の日本酒です。国内流通本数が年間わずか333本という極めて希少な日本酒としても知られています。
もちろんその他の日本酒も厳選に厳選を重ねて、お料理の味わいを引き立てるベストなものを選ばせていただきました。
「零響」開封の儀
イベントは18時、参加者の受付と同時に「8000 DRY SPARKLING」(八戸酒造/青森県)というスパークリング日本酒のウェルカムドリンクをご提供。
18時30分、会の始まりは零響を造る新澤醸造店の新澤社長のビデオレターから。新澤社長はご多忙にも関わらず、お客様へのメッセージビデオを撮影したいという要望に、二つ返事で快諾してくださる心の広いお方。私も尊敬して止みませんが、これにはお客様にも非常に喜んでいただきました。
そこから、「零響開封の儀」を執り行い、「いやさか!」という乾杯の掛け声と共に、参加者全員が一斉に杯を傾けると、会場に感嘆の声が響き渡ります。
「零響」の繊細な香りを最大限に感じていただくために、大振りのブルゴーニュグラスを使用。
口に含んだ瞬間に広がる圧倒的な丸みと高貴な旨味は、まさにピュアという言葉そのもの。そして最後は幸せな余韻が長く続き、そのあまりの完成度の高さに言葉を失わせます。さらに今回は、2023と2024の2つのヴィンテージを同時にご提供しました。
マイナス5℃で熟成させることで生み出された特別な味わいを立体的に感じていただくことが狙いです。このような体験を皆様にご提供できたことに、主催者として大きな喜びを感じました。
極上の日本酒×極上の日本料理 奇跡のマリアージュ
開宴の挨拶と零響の乾杯に続き、究極のマリアージュのご提供が始まります。
企業秘密も多分に含まれるのですが、この機会に、少しだけ今回提供したマリアージュのご説明をさせていただきます。
まず最初に提供したお料理は「蛤」。瑞々しく磨かれた旬の蛤が、零響の透明感と絶妙に調和します。
続いて速やかに提供された「生とり貝」。素材の鮮度を活かしたシンプルな一品が、零響の余韻に寄り添います。この2品が連続で提供されることで、零響の味わいの変化を楽しむという絶妙な構成です。
こちらは北海道産の「毛蟹」。大迫力の毛蟹をその場で茹でていただき、提供したお酒は世界中で大人気の同じく新澤酒造店の「残響 (2023)」。シャルドネグラスに注がれた残響の繊細な香りが、毛蟹の甘みを引き立てます。
「珍味盛り合わせ」と「作 竒瑞 KIZUI」(清水清三郎商店/三重県)の組み合わせは、多彩な珍味の風味・塩味と丸みのあるガラスの立盃で提供される日本酒の複雑な旨味が見事に調和します。
メインのお料理となる「黒毛和牛・花山椒」と共に提供したのは「淡緑 山廃純米吟醸」(島岡酒造/群馬県)。
錫チロリで65℃まで温められ、ぐい呑み(立盃)で提供しています。温度の高い日本酒は和牛の脂の旨味をさらに引き立てます。
大好評だったテイスティングゲーム
今回は、途中、お客様にテイスティングのゲームを体験していただきました。
同じ伯楽星(新澤醸造店/宮城県)の、酒米が蔵の華を使用したものの精米歩合違い(55%精米と15%精米)を、ブラインドでテイスティング。それぞれのお酒の特徴をお客様に説明させていただきました。
日本酒好きのお客様でもかなり難しかったようですが、お酒を味わっていただく中で、より詳しい説明ができるのが、こういったマリアージュ会の醍醐味だなと改めて思わせてくれる時間でした。
これからも日本酒の価値をさらに高めたい
3時間にわたる夢のような時間は、あっという間に過ぎ、お客様一人一人からとても嬉しいお言葉をいただくことができ、日本酒王子としての活動をしていて良かったとつくづく思った一夜でした。お客様には感謝しかありません。
また零響をはじめとする素晴らしい日本酒を提供できたことや、味感ことほぎさんの10周年という特別な節目に、このようなイベントを一緒に開催できたことなど、感謝してもしきれません。この貴重な体験を通じて、参加者の皆様に日本酒と料理の可能性を感じていただけたなら、主催者冥利に尽きます。
私のさくら酒店という会社では、「日本酒で世界一面白いことする」をミッションとしていて、これからもまだまだ挑戦を続けていきます。また日本酒の情報をこれからもお届けしていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【イベント詳細】
・イベント名:『零響×日本料理』匠が生み出す極上のマリアージュ会
・日時:2025年5月2日 18時半〜21時40分
・会場:味感ことほぎ(名古屋市東区泉2丁目1−28 ヴィアーレ ストーリア 2A-2)
・提供された日本酒:8000 DRY SPARKLING 2023、零響2023、零響2024、残響2023、白隠正宗 生酛純米、伯楽星 純米吟醸、伯楽星 ひかり、雨後の月 䨩、作 竒瑞 KIZUI、賀茂金秀 純吟 雄町、淡緑 山廃純米吟醸、欅
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