稀少な日本酒が名古屋に集結! 松坂屋名古屋店北館地下1階に「酒文化発信フロア」が誕生 百貨店初の「和酒熟成庫」も登場【取材レポート】

  • グレーの店内。商品が入ったガラスケース。

松坂屋名古屋店では北館地下1階を「お酒のもとにつながりが生まれる場所」をコンセプトに全面リニューアル。2024年11月29日より2つの酒販専門店とお酒を楽しめる飲食店が集まる「酒&DINING」フロアとしてリニューアルオープンしました。 

新しい「酒&DINING」フロアは、これまでより売場面積を2.9倍、品揃えを2.7倍に拡充。国内のお酒を専門に扱う専門店が入るなど大幅に強化されています。もちろん日本酒も多数取り扱われており、ここでしか手に入らない稀少なお酒も豊富にラインナップ。飲食店にも日本酒を楽しめるお店がたくさん登場しました。 

名古屋エリアの日本酒ファンが注目する松坂屋名古屋店の新「酒&DINING」フロア。SAKETOMOが早速取材レポートをお届けします。

「IMADEYA NAGOYA SAKAE」には全国初の「和酒熟成庫」が登場【東海地区初・百貨店初】

今回のリニューアルとともに新たに松坂屋名古屋店に出店したのが「IMADEYA NAGOYA SAKAE」。千葉に本店を構える「いまでや」が名古屋・東海地区に初登場。百貨店への出店も初となります。

  • ベージュ色の壁の酒屋の店内

和紙をふんだんに取り入れたシックで落ち着いた店内には、“和酒=日本で作られたお酒”を中心におよそ700種類のお酒がラインナップ。このうち、日本酒はおよそ半分の350種類となっており、日本を代表する作り手の日本酒を全国から厳選し、季節ごとに入れ替えながら販売します。

 

  • お酒の瓶が多数並ぶ酒屋の店内

【注目ポイント】百貨店初登場の和酒熟成庫「IMADEYA AGING LABORATORY」

「IMADEYA NAGOYA SAKAE」の最大の特徴が「熟成酒」に力を入れていること。店内にはウォークインスタイルの和酒熟成庫「IMADEYA AGING LABORATORY」が併設され、通常の店舗には陳列されていない貴重な熟成酒が多数取りそろえられています。

  • ガラスの壁で囲まれたお酒の保管庫

熟成庫内の室温は年間を通じて14度程度をキープ。日本酒は5度前後を基本として熟成に最適な温度に設定された専用のセラー内に保存されています。

  • 大きなお酒の冷蔵庫

「IMADEYA AGING LABORATORY」では約200種類の熟成日本酒を取り扱うとのこと。日本酒の熟成酒には蔵元が熟成したものの他、いまでやが蔵元と協力しながら独自に熟成したものもラインナップされています。

  • 包装紙で包まれた日本酒の瓶

    いまでやが独自に熟成した日本酒は和紙で包装

もちろん稀少な熟成酒も多数ラインナップ。セラー内には宮城県の鳴子ダム内で熟成したハイブランド日本酒「残響 鳴子ダムエイジング」や、杜氏のプライベートセラーから特別に譲り受けたバックビンテージ品である「田酒 純米大吟醸 斗瓶取り」、IMADEYA限定販売となる地元名古屋の「醸し人九平次 La Collection 2020」など、普段なかなか手に入らない稀少な日本酒がズラリと並んでいました。

  • 化粧箱に入った日本酒

「IMADEYA AGING LABORATORY」は、当面の間は有料制での入場となるとのこと。有料試飲付きのテイスティングツアーも行われます(要事前申し込み、当日予約可)。

  • 店内の案内表示

熟成庫の奥には松坂屋の外商のお客様が利用出来る専用のサロンスペースも設置。サロン内では、熟成庫に貯蔵されているお酒の試飲や専門スタッフのサポートのもとでのお酒選び、さらにはサロン限定で取り扱われる限定商品の販売なども行われるとのことです。

  • 酒屋の店内にあるラウンジスペース

「IMADEYA NAGOYA SAKAE」のおすすめ日本酒

全国から厳選された日本酒が並ぶ中、「IMADEYA NAGOYA SAKAE」ならではのおすすめの日本酒が「HEAVEN SAKE」。日本の伝統ある酒蔵が製造する日本酒をフランスの著名なシャンパン醸造家Regis Camus (レジス・カミュ)氏がアッサンブラージュ(調合)することで生まれた新しいスタイルの日本酒です。

  • 冷蔵庫の中に入った日本酒

    HEAVEN SAKE(中央の2本)

もちろん「IMADEYA NAGOYA SAKAE」では、地元東海地区のお酒も多数ラインナップ。愛知県内からは「義侠」の蔵熟成のバックビンテージ品や「孝の司」など、全国から注目を集める日本酒が販売されています。

  • 冷蔵庫の中にはいった日本酒

Liquorshop GRAND CERCLE NAGOYA

「酒&DINING」フロアには国内外のお酒を幅広く取り扱う「Liquorshop GRAND CERCLE NAGOYA」もオープン。これまで松坂屋名古屋店本館地下にあった酒販ショップが北館地下1階へと移転し、装いも新たにリニューアルしました。

  • 酒屋のディスプレイ

「Liquorshop GRAND CERCLE NAGOYA」では、1000円台から100万円超までという幅広い価格帯から好みや目的にお酒を選ぶことが可能。およそ1300種類のお酒の中で、日本酒は全国から厳選した150種類程度がラインナップ。東海三県からは20蔵程度が取り扱われるとのことです。

  • たくさんの日本酒が並んだ商品棚

    日本酒コーナーは本館連絡通路側入口近くに設置

「Liquorshop GRAND CERCLE NAGOYA」のおすすめの日本酒

「Liquorshop GRAND CERCLE NAGOYA」のおすすめの日本酒は山梨県・笹一酒造が手がける「旦」。今回のリニューアルに合わせ、新たにラインナップに加わった日本酒です。山廃仕込みの濃い目でコクのある日本酒は、乳酸が織りなすミルキーでクリーミーな味わいが楽しめそう。モダンな味わいはワイン好きにも好評とのことです。

  • 日本酒が並んだ棚

また、もうひとつのおすすめ日本酒が奈良県・油長酒造が手がける「風の森」。「Liquorshop GRAND CERCLE NAGOYA」のセラーには「風の森」の無濾過生原酒がズラリと並び、担当者も「一押しです!」と力が入っていました。

  • 日本酒が並んだ冷蔵庫

他にも「奥播磨」など今回のリニューアルとともに新たに登場する日本酒も多数あるとのこと。地元愛知からは関谷醸造の全国新酒鑑評会出品酒も販売されていました。

  • 化粧箱に入った日本酒

「酒&DINING」フロアで日本酒が楽しめる飲食店3選

「酒&DINING」フロアには、5店舗の飲食店が出店。このうちの3店舗で日本酒とともに食事を楽しむことができます。

築地玉寿司【リニューアルオープン】

  • 寿司店の入り口

創業から100周年を迎え、松坂屋名古屋店でも20年以上営業を続けてきた老舗寿司店「築地玉寿司」が「酒&DINING」フロアにリニューアルオープン。全面改装された店内にはフラットなカウンターが設けられ、職人の技を間近で見ながら絶品のお寿司を楽しむことが出来ます。

  • 寿司店のカウンター

日本酒は定番メニューの7種類に加え、日替わりのおすすめが数種類用意されるとのこと。オープン当初は而今、田酒、新政がおすすめとして登場します。看板の漬けマグロをはじめとしたお寿司と日本酒の相性はもちろん抜群です。

  • 寿司ののった皿と日本酒の瓶

「日本酒にあうおつまみ」のおすすめが「日本酒で漬けたからすみ」。一般的なからすみよりもあっさりめの味わいながら、しっとりとなめらかな食感と魚卵本来の美味しさを楽しめる逸品です。味わいが強すぎないので日本酒の邪魔をすることがないのもおすすめポイントとのこと。このからすみが使われたお寿司もあるそうなので、合わせて楽しむのも一興です。

  • 日本酒の入ったグラスとカラスミがのった皿

東京てまり鮨 こたま【全国初出店】

  • 寿司店の入り口

「酒&DINING」フロアに登場する「東京てまり鮨 こたま」は、築地玉寿司が新業態として立ち上げるてまり鮨の専門店。遊び心にあふれた創作性あふれるてまり鮨を、カウンターでのスタンディングスタイルでカジュアルに楽しめる「美味しい」「カワイイ」「映える」の三拍子が揃ったお店です。 

「東京てまり鮨」では12貫と16貫の2種類のコースを用意。一口サイズに丸く握られたシャリの上には独創性あふれるネタがのせられ、まるで和菓子のような美しい仕上がりになっています。一つ一つのてまり鮨にはそれぞれに合わせた味付けがついており、そのまま一口で食べられるのもうれしいポイントです。

  • てまり寿司が並ぶ

日本酒は「風の森」「日高見」「聚楽第」「醸し人九平次」の定番4種類に加え、時季に合わせたプレミアム酒も登場。ワイングラスでの提供もおしゃれで楽しみやすい雰囲気をさらに高めています。

  • 吊り下げられたワイングラス

どのてまり鮨も日本酒との相性は抜群ですが、中でも山形の郷土料理である“だし”を築地玉寿司の看板であるまぐろと合わせた「まぐろ 山形だし」はとびっきりの美味しさ! トロリときめ細やかなまぐろの美味しさを、ほどよい塩加減の山形だしが引き立て、日本酒と最高に合う一貫となっていました。

  • てまり寿司

他にも秘伝のタレで漬け込んだ名古屋コーチン卵を使った「お月見モンブラン」や、鮨には珍しいチリソースで頂く「炙りタコチリソース」など、どれも独創的なてまり鮨ばかり。気軽な雰囲気の中で楽しさいっぱいのてまり鮨とともに日本酒を頂けば、新しい鮨の世界が広がることでしょう。

  • てまり寿司4貫と日本酒

石臼挽きそば みや川【百貨店初出店】

  • そば店の入り口

「石臼挽きそば みや川」は、百貨店初出店となる日本そばの専門店。国内から仕入れる時期ごとに一番いい状態の蕎麦の実を店内の石臼で自家製粉したそばと四季折々の食材を使った料理で、食事やお酒を楽しむことが出来ます。

  • そば粉をひく石臼

日本酒は冷酒4種、熱燗2種がラインナップ。そばをいただく前に楽しめる料理も多数用意されています。

日本酒に合わせるなら「そば豆腐」がおすすめとのこと。店内の石臼で挽いたそば粉を豆乳と合わせ、にがりで仕上げた自家製のそば豆腐は、そばの風味とまろやかな味わいが楽しめる逸品。濃い口のそばつゆやワサビとともに頂けば、日本酒もついつい進んでしまいそうです。この他、そばの出汁を使って少し甘口に仕上げた「出し巻き玉子」もおすすめです。

  • 出しまき玉子、豆腐と日本酒

美味しいおつまみと日本酒を頂いた後は、みや川自慢の石臼挽きそばで〆れば大満足間違いなし。日本ならではの美味しさを心ゆくまで堪能出来ます。

  • ざるそばと天ぷら

新「酒&DINING」フロアは名古屋の日本酒好きなら必見のスポット

今回は松坂屋名古屋店の大規模リニューアルにて北館地下1階に誕生した「酒&DINING」フロアをご紹介しました。ショップ・レストランともに日本酒をはじめとしたお酒の魅力が満載! 名古屋の日本酒好きならぜひ足を運びたい、注目のスポットが誕生しました。

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