【イベントレポート】八戸の魅力が凝縮した蔵開き!蔵サウナ?! androp内澤崇仁スペシャルソロライブも! 「八仙 夏の蔵まつり2023」

青森県南部に位置する八戸市。八戸市を代表する銘酒「陸奥八仙」を醸す八戸酒造が、2023年7月16日(日)に「八仙 夏の蔵まつり」を開催しました。2017年からスタートし、今回で5回目。地元の日本酒ファンはもちろんのこと、東京、大阪、遠く九州からも人が集まるという特別な蔵開きイベントです。第一部は酒蔵の敷地全体を利用した複合型イベント、第二部は八戸出身のアーティスト・「androp」内澤崇仁さんのアコースティックライブです。当日の様子を、唎酒師で日本酒ライターの関友美がお届けします。

  • 酒蔵と人々

屋形船、酒蔵サウナ、貴重な日本酒とおつまみ! 八戸の魅力満載の蔵祭り

  • かき氷を持っている男女

    日本酒を飲む合間に、かき氷を食べて涼む著者と友人

「陸奥八仙」の蔵まつりの特徴は、その一体感にあります。八戸酒造の社員だけでなく、酒蔵のファン、地域の飲食店、PTA、サッカーチーム、アイスホッケーチーム、大学生などみんなで作り上げているため、アットホームな雰囲気が漂っています。キッズコーナーなど年々コンテンツが増え、子どもやお酒を飲まない人も楽しめるから『みんなで行きたくなる』お祭りなのです。どんな催しがあるのか、ひとつずつ紹介していきます。

ウェルカムドリンク

  • ウェルカムドリンクを求める人々

入場料1,000円を払うと、オリジナルグラスとリストバンドを渡されます。まず向かう先は『ウェルカムドリンク』コーナー! 樽酒か冷製甘酒を1杯飲むことができます。20歳未満は入場無料です。

フードコーナー

  • フードの出店テント

八戸市内の飲食店さんたちが、イベントテント内にお店を構え、料理とドリンクを販売していました。八戸市らしく殻付きウニ、イカやサバなど海の幸を提供するお店や、まるごときゅうりやかき氷など、酒飲みにも子供にも人気を集めるお店もありました。

  • ラーメンを持つ人

地元ラーメン店がこの日のために考案した、酒粕ペーストを入れた特製ラーメン。酒粕と味噌とクリームチーズをブレンドしているそうで、コクがあるけどマイルドで、クセになる味わいでした。とっても美味しかったです!

  • 網で焼かれる手羽先

蔵人が案内する蔵見学

  • 八仙の蔵人

11時30分から1時間おきに各回15名様限定、予約者優先で、蔵人による蔵見学ツアーがおこなわれました。普段入ることのできない「陸奥八仙」がつくられる現場を見て、参加者はみなさん興奮した様子でした。見学後のお酒はより一層おいしいことでしょう。

  • 酒蔵見学をする人々

    ※写真は2019年の蔵見学の様子

クラフト市/八仙カプセルトイ

  • クラフト市のようす

青森県の伝統工芸品『津軽びいどろ』をはじめ、手作りアクセサリーやキャンプグッズなど県内ゆかりのものづくり作家さんたちが出店していました。八戸酒造とコラボレーションした「陸奥八仙」を美味しく飲むための『津軽びいどろ』や、『男山』や『八仙』と型取られたドッグタグは、特に会場で人気を博していました。

  • クラフト市の様子

  • クラフト市の様子

  • クラフト市の様子

    八仙カプセルトイ、八仙グッズ販売ショップ

八戸屋形船 新井田丸

  • 屋形船

11時30分、13時30分、15時に各回30名限定で酒蔵のすぐ横から屋形船にのることができました。料金は観光案内とかっぱえびせん付きで、一人2,000円。海の方へ走り、八戸市の有名観光スポットで、国の天然記念物にも指定されている蕪嶋(かぶしま)神社を目指します。グレットタワーみなと、朝市で有名な館鼻岸壁、第一魚市場など、船からの観光は、渋滞も混雑もないので、船長のアナウンスを聞きながら優雅に見て回ることができます。ちょうどアジサイが見頃を迎えており、遠くに美しい風景が広がっていました。

  • かもめにエサやりする人

蕪嶋神社に着くと停泊。ウミネコへの餌やり(かっぱえびせん)体験をすることができます。あっという間にウミネコに囲まれていると、船長が「黒い羽根が今年生まれたばかりの若い鳥。白いのが成鳥」と教えてくれました。よく見ると黒い子たちは、少しエサ取りが苦手のよう。

かっぱえびせんを手に持つと、ウミネコがすぐに食いついてくるので、最初はドキドキハラハラおっかなびっくりでしたが、コツがわかると楽しい。子供も大人もみんな大盛り上がりでした。

蔵サウナ&仕込み水使用“水風呂”

  • テントサウナ

酒蔵サウナで使用しているのは、断熱性の高い3層式テントサウナMORZHMAX。120℃に達する本格テントサウナで、セルフロウリュも楽しめます。「文化庁登録有形文化財」、「八戸市景観重要建造物」に選ばれている由緒ある酒蔵の前に、テントサウナが2基並ぶ様子は、とても不思議でした。

水風呂には陸奥八仙の仕込み水がぜいたくに使用されており、まるで青森の地酒になった気分!陸奥八仙の名水で、火照った身体をキュッと冷やし、参加者たちはとても爽やかなイイ顔をしていました。

  • サウナに入る男女

    『八仙』の特別サウナストーブの前で、汗を流し“整っている“参加者たち

  • ビニールプール

    陸奥八仙の仕込み水が張られた『水風呂』プール

  • サウナストーブ

    八戸酒造の銘柄『陸奥男山』の文字が浮かび上がるサウナストーブ

BAR HASSEN(夏酒はじめ、限定酒も楽しめる)

  • お酒を注ぐ蔵人

屋外と屋内と2か所で、『BAR HASSEN』が設置されました。受付で購入できるドリンクチケットを使用して、1杯200円から。飲み比べセットもありました。屋外BARカウンターでは、陸奥八仙特製サングリアも!

  • お酒が並ぶ

  • 試飲する人々

煉瓦ホールカウンターBARスペースでは、「陸奥八仙」の定番酒や夏酒、スパークリング日本酒やジンなど限定酒も飲むことができました。仕込み水も自由に飲むことができたので、日差しを避けてのんびり涼みながらお酒を楽しむ人の姿も。

  • ピースサインの人々

八戸酒造がスポンサーをしているという、八戸学院大学女子サッカー部の監督と部員たちもBARのスタッフとして活躍していました。(後方水色の服は常務取締役・製造責任者の駒井伸介さん)

本マグロの解体ショー

  • マグロの解体ショー

八戸酒造の蔵まつり恒例のビッグイベント。青森沖で獲られた本マグロ(購入すると15万円ほどの価格だとか!) は解体ショーをしてから、先着順で少しずつ振る舞われました。

  • マグロのお刺身

脂がのっていて、臭みもなく、頬っぺたが落ちそうなほどのおいしさ。最高のつまみを片手に、さらに『陸奥八仙』を飲み進めます。

写真・イラスト展「私が見た青森」

  • 酒蔵の様子

北蔵2階では、写真家であり八戸市でラジオパーソナリティも務める二ツ森護さんがプロデュースした写真展がおこなわれていました。茨城、青森、弘前、八戸に住む5人の写真家が、「青森」をテーマに写真を持ち寄った企画展。ところどころに八戸酒造が大切に守り抜いてきた酒造の古い道具や書物が飾られており、写真と一体になって幻想的な空間を演出していました。

  • 酒蔵の様子

  • 昔の台帳

ヴァンラーレ八戸/東北フリーブレイズ/KIDSスペース

  • 出店テント

ヴァンラーレ八戸は、Jリーグに加盟するプロサッカークラブ。蔵まつりでは選手と八戸学院大学女子サッカー部員とで、ストラックアウトを運営していました。サッカー少年たちが目を輝かせ挑戦していました。

東北フリーブレイズは、八戸市に本拠地があるアジアリーグアイスホッケーに所属するアイスホッケーのクラブチーム。クラブのPRとともに、ジェラートなどを販売していました。このほかにも、子ども向けワークショップもおこなわれ、大人がお酒を飲んでいる間を我慢して待つのではなく、楽しく安全に夢中になって過ごすことのできる仕組みがいくつもありました。

笑顔あふれるイベント参加者の声

どうやら東京から来ている参加者も多そう。参加者のみんなはどこから来てるの? 誰と来ているの? ……気になったので、聞いてみました!

  • 参加者のみなさん

  • 参加者のみなさん

市外から参加の4人組。DJが流す音楽に乗り、みんなでダンスをしていたところをキャッチ! 中央おふたりが近所のお友だち、両脇はそれぞれの娘さんです。以前参加して楽しかったので、今回は娘を誘い、旦那さんに送り迎えしてもらって参加。「やっぱり楽しいので、来年は旦那さんも一緒に参加したい」とのことでした。

  • 浴衣の女性2人

まるで姉妹のようなかわいい親子。娘さんは、大学のゼミの先生が日本酒に詳しく、自身も日本酒好きになったそう。三連休で帰省していたので、浴衣を着て参加。「陸奥八仙は地元の誇り」とお母様。

  • 眼鏡の男女

八戸市内から参加の3名。「すでに20杯ずつくらい飲んでいる」と、蔵まつりを大満喫中のところ話を聞きました。蔵まつりでは毎回出店している居酒屋『がんこおやじ』の常連さん。「ビール酵母で発酵させた酒※など、珍しい酒も飲めて楽しい」「どの酒も美味しかった」 

※ビール酵母で発酵させた酒・・・「HAZY IPA」「JUICY IPA」。ビール酵母で発酵させた低アルコールのお酒(酒類区分はリキュール)

二部は、地元出身アーティスト「androp」内澤崇仁さんのライブ

16時半からは北蔵前の屋内スペースで、八戸市出身アーティスト「androp」内澤崇仁さんのアコースティックライブがスタートしました。近所の人や陸奥八仙ファンだけでなく、内澤さんファンのかたが、遠くは九州、大阪、東京などからたくさん集まっていました。「せっかくなので」と第一部もしっかり参加し、お酒を飲みながら心待ちにしていました、という人が多かったのも印象的でした。もちろん内澤さんも、陸奥八仙をたっぷり飲みながらの演奏です。

  • 乾杯

自身の曲『カタオモイ』『Hikari』『Yeah! Yeah! Yeah!』 だけでなく、吉幾三『酒よ』、石川さゆり『津軽海峡・冬景色』、さらに内澤さんがギターを弾くきっかけになったという伊奈かっぺい『雪やどり』も熱唱。

途中、司会のレイチェル・チャンさんとのトークで、10年ほど前にレイチェルさんがパーソナリティを務めるJ-WAVEの番組に内澤さんが出演した際に、「八戸出身なのに陸奥八仙知らないの?!」 と長年八戸酒造と交流があり、酒サムライでもあるレイチェルさんが言ったことが今回のライブに繋がる一歩目だった、と振り返りました。八戸酒造の専務取締役で本イベントのオーガナイザーである駒井秀介さんが、「飲み足りないんじゃない?」 と内澤さんにお酒を注ぎに入る、など地元ならではのリラックスした雰囲気が漂う、大変素晴らしいライブでした。

  • お酒を注ぐ蔵人

観客もステージ後方に設置されたBARで、休憩時間に日本酒を購入して、飲みながら楽しみました。

来年の夏が待ちきれない!

『八仙 夏の蔵まつり』2023年の様子を、コーナーごとにすべて見ていただきました。第一部は5時間あって、そのなかで何時からいて何時に帰るなど制約はありません。でも一度参加したなら「5時間はあっという間。11時から参加したい」と言うでしょう。ココだけ! と切り取れないほど、魅力に溢れた催しが盛りだくさんのイベントです。参加者の声にもあったように「次は誰かを誘って行ってみよう」と思える、素敵なイベントです。2024年もまた同じ時期に開催される予定です。ぜひご家族や友人を誘って出かけてみてください。

 

イベント概要

〇日時:2023年7月16日(日)第1部 11時~16時/第2部 16時30分~18時30分

【第1部】「蔵びらき」 入場料1,000円 オリジナルグラス&樽酒or冷製甘酒付き ※20歳未満は入場無料

BAR HASSENフードコーナー、KIDSスペース、クラフト市 、八戸屋形船新井田丸、蔵人が案内する蔵見学、蔵サウナ&仕込み水使用”水風呂” (事前予約制)ほか

【第2部】「蔵LIVE!」androp 内澤崇仁スペシャルソロライブ

八戸出身のアーティストで、人気バンド「androp」のVocal&Guitar内澤崇仁さんが、ご自身も日本酒を飲みながら、この日だけの特別アコースティックライブをおこないました。

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