【酒旅】旅先での理想の1杯は「商店・酒屋」から探す! 旅のプロに聞く日本酒探しのコツ
観光地や絶景スポットを巡ったり、歴史的な建造物や史料に触れたり、旅行に出かける目的は、人それぞれ。日本酒好きのなかには、その土地ならではの地酒やおつまみを目当てに旅に出る人も多いのではないでしょうか。とはいえ、土地勘もなく知り合いもいない地域だと「美味しいお店やお酒ってどこにあるの?」と疑問に感じたり、探すのに苦戦したりもするかもしれません。
そこで今回は、旅を仕事にしたり年間100日以上も旅行に出かける「旅のプロ」にインタビューしてみました! 旅先での“理想の1杯”にはどのように出会えるのか。2名の旅のプロによるこだわりを、たっぷりとお届けします。
【対談者紹介】
シャンディ さん
旅・観光・地域の「やりたい」をまるごと引き受ける合同会社Guild 代表。サステナブルツーリズムを広める観光メディア「サスタビ」のプロデューサーや、旅・AI・キャリアをテーマにしたコミュニティ「タビゼミ」の主宰を務める。ライターや大学講師、ノマド育成など活動は多岐にわたる。自身も東京と大阪の2拠点生活で「旅と学び」を体現中。
多葉田 愛 さん(以下、あいさん)
まちづくりにつながる場の企画・設計・運営を手がけるUDSの広報、旅を軸に事業を展開するTABIPPOの営業を経験後、株式会社FLOWを設立。伴走型広報サービス「ふたり広報」を運営し、100社以上の企業を支援。旅先でその土地のお酒を飲むのが好き。
探し方は「商店・酒屋」から巡る? 旅のプロが教える現地ローカル酒探しのコツ
ーーおふたりは、旅先ではどのように美味しい日本酒や、それが飲めるお店を探しているのでしょうか?
シャンディさん:
やはり旅先では、その土地の日本酒を楽しみたいですよね。地酒を探す際には、チェックするお店の“順番”にこだわりがあります。
最初は、地域に根付いた商店や酒屋さんに行ってみます。次に、その地域にしかないローカルスーパー。最後にコンビニの順番で、日本酒をチェックしています。仕事柄「サステナブルツーリズム(持続可能な旅)」を意識していることもあり、旅先の経済活性化に貢献できるよう、旅中は日本酒に限らずなんでも“地のもの”に触れるようにしていて。
日本酒はまさにその土地ならではのものであり、日本酒の伝統文化ですよね。必ずラベルを確認して、訪れた地域で造られているお酒かどうかをチェックしています。
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合同会社Guild 代表・シャンディさん
あいさん:
私は、その地域に住んでいる友人におすすめを聞くことが多いですね。
また、私が所属している日本酒コミュニティ「酒小町」には全国各地にメンバーがいて、よくおすすめのお酒やお店が紹介されているんです。気になったものを見かけたときはメモしておいて、旅行の際に参考にすることもあります。まずは滞在する宿を決めて、Googleマップで「日本酒」と検索し、その周辺の酒蔵や居酒屋を探すことも多いです。
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株式会社FLOW代表・多葉田 愛さん
ーーひとくちに「その地域の日本酒」といっても、酒処に旅行にいくとたくさんの銘柄があります。そのなかから、どのように選んでいるのですか?
シャンディさん:
いわゆる「パケ買い」ですね。見た目で選ぶことが多いです。私の場合、お酒全般大好きなのですが、日本酒に強いこだわりがあるタイプではなくて。なにより旅先ならではの面白さや珍しさを感じたいので、クラフトサケなどこだわりが特に強そうなお酒や、新しいチャレンジをしていそうな酒蔵のお酒を選ぶことが多いですね。
あいさん:
私も、ラベルの印象で選ぶこともありますね。あとは、自分が滞在している場所から一番近い酒蔵の日本酒を選ぶことが多いです。せっかく旅行に来ているなら、よりローカルなものを楽しみたいと思っていて。たとえば「福岡の日本酒」にもさまざまな銘柄がありますが、そのなかでも東京に帰ったらなかなか楽しめない、現地でしか手に入らない日本酒を選んでいます。
アタリに巡りあうコツは「ネットを捨てて人に聞く!」
ーー旅先で、なるべくスムーズに好みの日本酒やお店に巡り合うコツはありますか?
あいさん:
なによりも、やっぱり人に聞くことですね。インターネットやSNSで簡単に情報収集できる時代ですが、地方に行けば行くほど、ネット上の情報が最新、正解ではないことも、よくあるんです。
おすすめは、ゲストハウスのオーナーさんに聞いてみること。ゲストハウスは地域との関わりが深かったりほかのお店とのつながりがあったりすることも多くて、SNSには載っていないディープな情報や、そこに住んでいる人ならでは最新の情報を教えてくれることもあります。
また、長期滞在の際には、旅行の前半に「飲み比べ」をしてみるのもよいと思います。角打ちや立ち飲みなどカジュアルに楽しめるお店で、まずは数種類の日本酒を少量ずつ飲んでみる。そうすることで自分の好みがよく分かるので、その後の滞在期間中も好みのお酒を長く楽しめたり、お土産用のお酒を選べたりします!
シャンディさん:
「人に聞く」というのは、同意ですね。まずは居酒屋に入ってみて、隣の席の人に「なにを飲んでいるんですか?」と声をかけることもあります。
個人的なこだわりは、「絶対に飲み屋で聞く」ということ。普段から日本酒を飲んでいる人、且つその地域に住んでいる人が「美味しい」というものなら間違いないと思うんです。「これ美味しいから飲んでみなよ」と教えてもらえるし、会話のきっかけにもなります。
宿飲みから地産ペアリングまで! 旅先だからこそ試したい日本酒の楽しみ方
ーー居酒屋で飲む、宿で飲むなど、旅先ではどのように日本酒を楽しむことが多いですか?
シャンディさん:
居酒屋でも飲みますが、宿で飲むことも多いです。地元の酒屋で日本酒、ローカルスーパーでおつまみを買って、一緒に旅行に訪れた友だちと飲みます。ローカルスーパーに行くと、見たことないようなご当地のお菓子や漬物があったりするので、地酒とのローカルペアリングを楽しんでいますね。特に、香川県で骨付き鶏と日本酒を合わせてみたのが、とても美味しかったです!
私は旅先で見つけたお酒は、持ち帰るのではなく、その場で楽しみたい気持ちが強くて。その土地の空気を感じながら、仲間たちとワイワイ楽しむのが好きですね。
あいさん:
最近は、観光だけでなくホテルでの体験を目的に旅行をすることも多くて。料理とのペアリングを楽しめたりバーが併設されていたりと、日本酒にこだわっているホテルや旅館を選ぶのも、とても楽しいです。
特によかったのが山形県の「スイデンテラス」と、長野県のブックホテル「松本本箱」。スイデンテラスはホテルの周りが田んぼに囲まれていて、日本酒が飲めるバーがついていたり、コース料理とのペアリングを楽しめたりします。松本本箱では、本を読みながら日本酒をいただくこともできるんです。最近は酒蔵が運営しているホテルや旅館もあるので、そちらも気になっていますね。ホテルで日本酒を飲んで、すぐに寝られるのが最高です!
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スイデンテラス
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松本本箱
1週間で30種飲み比べにぽんしゅ館! 忘れられない「酒旅」
ーーこれまでに、たくさんの地域を訪れているおふたり。特に印象に残っている「旅×日本酒」の思い出を教えてください。
あいさん:
高知県のひろめ市場でのカツオのたたきと地酒も美味しかったですし、神奈川県・小田原で出会った瀬戸酒蔵店の「ぴいひゃら」というお酒がその後の手土産の定番になったりと、数え切れないくらい思い出があります。
特に思い出深いのが、新潟県で地域ごとに日本酒を飲み比べしたこと。約1週間かけて県内を北上しながら、ひたすら日本酒を楽しむ旅をしたこと。20〜30種類くらいの日本酒を飲みましたね。「新潟といえば、淡麗辛口」のイメージがありましたが、実際に飲み比べてみると「辛口」という大きなジャンル分けでは語りきれない、味わいの違いがあると分かりました。
燕や三条エリアでは、酒器も購入したんです。工房で作られた手作りの銅製の酒器で、家に帰ったあとも旅を思い出しながら日本酒を楽しみました。
シャンディさん:
私も新潟県への旅がとても思い出に残っています。仲間たちと6人くらいで、新潟駅の「ぽんしゅ館」で漢気じゃんけんをしたんです(笑)。
ぽんしゅ館では、購入したコインを機械に投入することで、数種類の日本酒を飲み比べることができます。お酒によって必要なコインの枚数が異なり、1枚で飲めるものもあれば、3〜4枚などたくさんのコインが必要な場合もあるんです。そこで、みんなでじゃんけんをして勝った人が奢る……という遊びをしました。普段飲まないような日本酒にもたくさん触れる機会になったし、なにより仲間とワイワイ盛り上がりながら飲んだのが楽しくて。今でも「あのときの旅行、楽しかったよね」と話題に上がります。
また、旅先で出会った人がその後酒蔵の社長になり、日本酒造りを手伝うことになった経験もあります。私は日本酒に詳しいわけではないのですが「それがむしろ良い」と言っていただいて、若者にも飲みやすい日本酒造りに一緒に取り組みました。このときの旅が、私にとって日本酒に意識を向けるようになった原点でしたね。
ーーおふたりとも、貴重なお話をありがとうございました!
旅先での1杯が一升の思い出に! 次のお休みは、旅先で日本酒を楽しんでみませんか?
旅先で好きな日本酒に出会えると、その後同じ銘柄や同じ土地の日本酒を見つけた際に、旅の思い出が蘇ります。「あのときの旅行楽しかったなあ」と、より深い思い出となるものです。これまであまり地酒に触れてこなかった方も、今回の記事を参考に、ぜひ次の旅のお目当てに「日本酒」を入れてみてはいかがでしょうか。
もちろん「思ったのと違うかも…?」と感じることもあるかもしれませんが、それも旅の醍醐味。最終的にはなにに出会うかわからないRPGゲームのような面白さも、ぜひ感じてみてみてください。
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